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歴史に根付く島国日本の特異性を考える

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人は知っているようで案外自分のことを知らずにいます。
自分がめざすべきものは本当は何か、自分の良さや能力はどこにあるかなどをはっきり認識している人は、以外に少ないものです。
 自覚しないで道を違えて不平不満を言ったり、社会や親の責任にしたりすることが往々にしてあります。
 大切なことは、自分と対面し、自分の使命や役割を知って前向きに生きることです。
 考えたいことは、自分と同時に、自分の国のことです。
近代資本主義は、民主主義という名で個人主義を良しとし、自己の利益を追求し、エゴイズムを蔓延させてきました。
そこで見失わせられたのが、民族性、国民性であり、国家への帰属意識でした。
 国家への帰属意識などを持ち出すと、時代錯誤とか、軍国主義と言われかねませんが、いつの時代でも、どこの国でも民族意識や国家意識は、人々の存在の前提であり、誇りでした。
 戦後の日本を支配したアメリカと、アメリカを動かすユダヤ国際財閥の世界支配の野望を実現するためには、日本人の国家意識は脅威でした。
大和魂とまで呼ばれた民族意識と国家意識を消失させることなしに、日本の支配は成就しないことを知っていたからこそ、誰もが飛びつきそうな近代化、洋風化、科学主義を煽り、個々の利益追求に目を向けさせたのです。
 その下で養成されたすべての政治勢力や労働組合等の組織、マスコミ、教育制度は、そのお先棒かつぎの役割を果たしてきたと言えるでしょう。
 それほどまでに恐れられた日本の民族性、国民性は何かを考えると、それは、上古代から続く日本の精神文化でした。
神代から受け継がれ、森の民、農耕民族としての暮らしの中で生き続けた、自然と神仏への尊崇、和すこころ、共生と統合の思想でした。
 日本の歴史の多くが隠蔽されていたり捏造されたのは、支配者とその意図を隠し日本民族を支配する為でした。
そのために個人主義を思想の根幹とさせ、刹那主義快楽主義に溺れさせて、支配を強めようとしてきたのです。
 20世紀の生んだ矛盾の極限でこそめざめるべきは、日本のこころ、民族性であり国家への帰属意識です。
 自己の存在への誇りは、自らの役割に目覚めて前向きに生きることと、民族の魂を持つことによってより高く、より強いものになり、それが21世紀をつくる力となって行きます。
 日本を知り、日本人の誇りを持ち、日本の文化を花咲かせてほしいと願っています。

その(2)美しい四季が育てた日本人の感性

●離れて見る地球と日本の素晴らしさ 最初に人工衛星で飛び立ち、宇宙から地球を見たのは旧ソ連の宇宙飛行士・ガガーリンでした。
彼の帰還後のセリフは「地球は青かった」でした。
彼だけではなく多くの宇宙飛行士たちは異口同音に、宇宙から見た地球は美しかったと感激していますし、「私は地球に恋をした」と涙を見せた宇宙飛行士もいます。
 地球上に住んでいるとわからなかったり、見えなかったりするのですが、宇宙から見ると、涙するほどの地球の美しさが本当にわかるのだと思います。
 広大な宇宙の構造は、約1億個の宇宙球からなっているとアカシックレコードからの情報があります。
私たちが口にする宇宙は、1億個の宇宙球の中のひとつ、地球が存在する1個の宇宙球を指しています。
そして、ひとつの宇宙球の中には約300億個の銀河系があり、そのひとつの銀河系の中には約2000億個の太陽のような恒星があり、そのまわりには12個の惑星があります。
基本的には、すべての宇宙球はこのような構造になっているといいます。
 現在の科学や天文学では知ることのできない世界ですが、この無限大のような宇宙空間の星々の中で、3次元世界の生物が存在できる環境を有している星は地球しかないようです。
「水の惑星」とも呼ばれるように、球面の3分の2が水面で囲まれ、地上には緑の木々が繁り、自然の循環の中で人間と動物たちが生きている地球。
そして、地球自身が生命を持って生きています。
 生きている地球と地上の生物、生命を支え育む水、宇宙飛行士たちが感涙し、愛を感じたのは青緑の美しさ以上に、すべての存在が生きている地球だったのではないでしょうか。
地球の美しさと同時に、地球だけが素晴らしく美しいということ、3次元の生命体の存在することの意味は計り知れないものと言えるのです。
 その美しい地球の中で、日本はまた特別であることを知っている日本人はどれくらいいるのでしょうか。
 海外への旅行や短期滞在を試みた人たちから聞かれるのは、日本を離れて他の国での生活や風景に接して暮らしてみて、改めて日本の素晴らしさを実感したという感想です。
中には、日本の素晴らしさと日本人であることを実感したかったから海外へ行ったという人もいます。
 日本に住む多くの外国人は、日本の自然や文化、建築物等の素晴らしさを語り、日本人が日本人らしさの良さを見失っていると批判しています。
●日本の情緒を育てる四季の移ろい 日本に何気なく暮らし、住み馴れ、見馴れた日本に浸りきっていると、日本の良さが当たり前になってしまっているからです。
宇宙から地球を見たように、異国へ行って知る日本の良さと日本人であることの誇りを感ずることには、共通した認識のプロセスがあるようです。
 「日本再発見」これが本稿のテーマです。
 「何を今さら」ではなく、何気なく見過ごし、特別意識もしていない日本は、知るにつけ素晴らしい国であることを認識してほしいと思います。

  日本では海外=外国をほぼ同意語で使いますが、これは島国で、長く他民族の侵略や支配を受けることがなかったことによるものです。
ここには太平洋の島々の事情とはかなりの違いがあります。
 日本の素晴しさを語る材料は数多くありますが、その中でも特筆できるのが四季です。
 日本は、北海道北東部の北緯46度・東経146度当たりから、沖縄南西部の北緯24度・東経125度当たりまで、北緯と東経のほぼ20度南北と東西の範囲の中に弓形ともS字形とも言える、しなやかに流れるように位置する列島の国です。
 その列島を四季が前線をつくって移って行くところに日本の情緒を見ることができます。
冬から春へと北上する前線にウメ前線、サクラ前線、ツツジ前線と呼ばれるものがあるように、前線をつくって北上する季節の風情。
(今は梅雨前線の季節です)秋からはモミジ前線に代表されるような南下する季節の風情。
南西から北東へゆっくり1ヵ月以上かけて列島の景色を塗り替え、その間、日々のニュースにもニュース特集にもなる前線模様。
これは世界に誇る日本の風情と言えるものです。
 そして、日本人は、その移ろいのひとつひとつを愛で、しみじみとした情趣を感ずる民族です。
サクラを見ても、つぼみが膨らんで咲く様、花びらの散り行く様、繁り行く葉の様と葉を揺らす風に心を寄せる姿があります。
紅葉にはまたひときわ強く心ひかれるのも日本人です。
他国に見られる紅葉は、広葉樹の種類が片寄っているため、見事であっても単調な色調が多いのですが、日本の山の広葉樹は多種多様で、折りなす色合いもまた絶妙で、楽しいものがあります。
草花の種類にしても樹木の種類にしても、本来の日本の自然、日本の山には実に多くが混生していますなぜ、日本にはこれだけ種類が多いのかも不思議です。
温暖多湿の気候風土によるものか、大陸から移ってきた種類たちが通り過ぎられずに定着したものか、それとも自然の神の配慮によるものか、いずれにしても樹木の種類の多さは世界に類を見ないものです。
 
しかも日本の国土の70%が山林で、元来の自然の山と森は、優勢な広葉樹の樹々が繁り、ミネラル豊かな水を川下へ流してくれますから、美味しい農作物がつくられ、魚群が育っていました。
現在は、人工林でミネラルが減少したり、コンクリート化やダムで河川の力が衰えていたり、化学肥料や薬品が大量に使われるために有害なものが少なくありませんし、魚も減ってしまいました。
それにしても、山々からの河川は多く、四囲の海岸線は深く入り組んで、海との共生をより強くできるようになっています。
世界の国々が、それぞれの海岸線や国境線をつないだ長さを比べると、日本が一番長くなるといいますから、その意味では、日本は世界で一番大きな国と表現する人もいるくらいです。
 北と南の違いはありますが、一口で言うと日本は比較的住みやすい緯度に位置し素晴しい環境と豊かな自然、情緒あふれる四季に恵まれた国なのです。
 この自然が日本人の感性を育てる、もっとも大きな力となっていることを見過ごしてはならないのです。
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