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癒しの健康素材と健康づくり

畳の歴史

古代の日本では畳(たたみ) とは、たためるもの、重ねられ るもの、という意味から、敷物 全ての総称として使われていま した。
畳が、いま私たちが目にする ような形になったのは平安時代 、寝殿造りが定着したころです。
しかし、今のように部屋全体に 敷き詰めるのではなく、この時 代の床は板敷きだったので、貴 族の座具や寝具として板の上に 置いて使われ、身分によって畳 の暑さや大きさが変えられてい ました。
鎌倉時代になると、板敷きの 部屋の周囲に畳を敷くようにな ますが、厚いものや薄いものが 入り混じって使われています。
室町時代になると、畳を敷き 詰めるスタイルが完成します。
そして、地位や身分によって畳 縁の文様が変えられ、畳の敷き 方にも吉・凶が分けられるよう になりました。
安土桃山時代に書院造りが完 成し、茶道の発展により数寄屋 風書院造り、草庵風茶室が生ま れ、畳はなくてはならないもの となり、江戸中期頃には庶民の ものとなりました。
しかし、そ れでもまだ畳は高価なもので、 農村部での普及は明治後期にな ります。
江戸時代初期には畳の大きさ は規格化されます。
京都では家 屋を建てる畳の大きさを基準に して柱を立てる「畳割り」で柱 間が決められました。
一方、江 戸の町は火事が多く、度々家屋 が建て直されるため、柱を基準 にして畳の寸法を決めた方が生 産性が上がるため、「柱割り」に よって畳の寸法が決められたの です。
ですから、「京間」に対し て、静岡県以東では「江戸間」 と呼ばれるサイズが一般的にな りました。

畳の構造
畳表はい草によって作られてい ます。
い草は湿地に自生する多年 性植物で、栽培方法は、稲と同じ ように水田に12月から1月に植 えます。
翌年の5月上旬に、地上 40㎝位で1度刈り取り、7月上旬 頃に成育したい草を収穫します。
刈り取ったい草は、そのまま干す と褐色になって品質が落ちるので 、染土を溶かして泥染をした後に 乾燥させます。
畳表は、い草をよこ糸に、麻糸 や綿糸を経糸にして織り込まれま すが、一般的なのは1目の中に 2本の経糸を通した織り方で、こ れを「諸目表」といい、1目の中 に1本の経糸を通すものを「目積 表」と言います。
また、1本のい草を全横幅に引 き通した表は「引通し表」と呼ば れ、継ぎ目がなく、表裏一体です 。
これに対して、「中継表」は、 2本の良質のい草を両端から通 して中央で継ぎ合せて織る方法で 、光沢があり、耐久力も強く、最 高級品とされます。
い草は、質、丈長、色調など等級 別に選別されますが、1枚の畳表 を織るのに4000~5000本のい草 が使われます。
畳縁によって部屋の雰囲気は、 がらりと変わりますが、畳縁の 種類は、錦織りの一種で、赤地 の濃淡に様々 な色のストライプと菱形を織り 出した繧繝縁が最も貴重とされ 、大小の地紋を織り出した高麗 縁、麻素材で茶室に使われる高 宮縁など、いろいろな種類のも のがあります。
畳縁は、かつては身分や地位 を示すものであり、現在でも、 社寺などにその名残を見ること ができます。
畳床は、ワラを縦横交互に配し 、40㎝程の厚さのものを5㎝位 まで圧縮するワラ床が昔ながら の形です。
この圧縮されたワラ のなかに湿気や有害な二酸化窒 素などを吸収したり、断熱性を 高める、といった働きがあるの ですが、ワラの間に、ポリスチ レンフォームや、インシュレー ション・ファイバーボードなど を挟み込んだ「サンドイッチ畳 床」やワラを一切使わない「建 材畳床」の割合が多くなってい るのが、現状です。

畳の性能
住宅の洋風化がすすんでも、や はり畳の部屋に居ると「落ち着く 」という人が多いようです。
柔道場にタタミマットを使った り、剣道で刀の試し切りに藁束や い草のゴザを巻いて使いますが、 これは柔らかく相当なクッション 性もあるからです。
それだけでは なく、畳表のざらざらした感触が 足の裏を刺激したり、人肌のよう なぬくもりと温かさが感じられる ので、私たちは畳の感触に安心感 を覚えるのではないでしょうか。
また和室の静かさは、畳の吸音 性によるものです。
マンションな どで階下への物音が気になる場合 などに、置き畳を使用することで 、遮音効果が随分と上がります。
畳が1枚で500㏄もの水分を吸 収し、乾燥してくると放湿すると いう部屋の調湿をすること、また 畳表が空気中の二酸化炭素を吸着 する働きがあることについては、 本誌第5号の本コーナーの第5回 〈い草〉でも触れました。
畳は相当な極限状態にならない と、簡単にカビが生えるものでは ないのですが、高気密で風通しの 悪い部屋に置かれると、湿気をは き出すことができす、カビが生え ることがあります。
それは畳の問 題ではなく床下の通気に問題があ ることが考えられます。
また、い草には、縦状にヒダが あり、その表面には無数の気孔が あって空気を吸入、排出しており 、内部はスポンジ状の組織が温度 を調節する役目を果しています。
そして湿気を吸うと膨張し、放湿 すると縮小する組織になっていま す。
ですから、夏の暑さも冬の寒 さも遮断する断熱効果を生み、快 適さを保ってくれます。
それ以外にも畳には、私たちの 感覚に様々な作用をもたらします。

人間には、暗闇の中でも周囲の 色を光として肌が感じ、反応を示 すことが実験で紹介されています 。
例えば、真っ暗な赤い色の部屋 の中で目隠しをしていても、3分 も居るとそわそわして汗をかき出 し、脳波も興奮作用を表します。
一方、茶色っぽい黄色は、全く逆 で静かに落ち着き、脳波もアルフ ァ波からベーター波になり、次第 にシーター波になり、眠気を及ぼ すほどに安心感を表すと言います 。
畳のある和室が落ち着くという のは、反射率が感覚に作用してい るからでしょう。
畳表に使われるい草は、収穫し て乾燥する時に染土と化学変化を 起こして少し刺激の柔らかい、草 いきれの匂いに変わり、少し甘酸 っぱい畳独特の香りとなります。
青草の匂いは、放っておけば1週 間もすると大抵は消えてしまいま すが、い草の匂いは徐々に薄くな るものの、何年経っても消えにく いという特徴があり、その理由は 、まだ解明されていません。
い草の染土は、陶磁器用の白土 の土に近い珪素の長石成分なので 、水に良く溶けて乳濁しエマルジ ョン状態になり、い草の茎から水 分を吸い出して乾燥を早める働き がありますが、同時に葉緑素の匂 いの成分を閉じ込める働きをして いるのかもしれません。
このように優れて性能をもつ畳 ですが、マンションなど床に直に 畳を置くため、本来の吸放湿性を 発揮できなかったり、昔ながらの ワラ床には重い、といった問題点 もあります。
そのため、最近では畳床にヒノ キのスライス片や木炭を混ぜたも の、インシュレーションボードに 空気中の有害物質を吸着させる機 能を強化したもの、その他にも置 き畳として使う洗える畳など、現 代の生活環境に合わせた様々な畳 が開発されています。
住宅様式が変わっても私たちの 住まいの中に生きつづける畳は、 これから先も、生活の中でなくて はならないものとして活躍し続け るでしょう。

参考文献 
・佐藤理著「畳のはなし」鹿島出版会     
・リビングデザインセンター「日本のすまい2 畳」光琳社出版
ウッドデッキ専門メーカーである中川木材産業のネットショップの黒猫店長のカブのブログです。黒猫店長の仕事ぶりや日常について不定期更新されています。可愛い黒猫店長カブの写真や動画が沢山掲載されていてとても癒されます。黒猫店長カブのデータ。黒猫の女の子で、目はくりくりでとっても大きいです。赤い首輪に大きな鈴をつけてちりんちりんと鳴らして歩きます。今も可愛いですが、昔の小さな手のひらサイズの頃の写真も必見です。現在ブログのランキングに参加しているそうです。可愛いと思ったら、ぽっちと押して欲しいとのことです。このwebへのリンクは カブログ 黒猫店長の話 です。
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