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内装にこそ木材を

木材が育てる癒しの世界

健康を自然と自然の素材で育てる
消極的な引き算から、積極的な足し算へ
対症療法から健康はつくれない
「健康を守る」ということ が盛んに言われるようになっ たのは、いつ頃からのことで しょう。
少し年輩の人ならば、かつ ては「健康」ということが論 じられることがなかったこと を知っているはずです。
高度 成長期には、各地で起きた亜 硫酸ガス、媒煙、水銀、チッ ソなどによる企業公害との関 係で、健康や生命が脅かされ 問題になりましたが、それは 限られた地域で、しかも原因 と対象が明確なものでした。
これまで本誌では、健康破 壊の原因が地球環境の破壊と 汚染、農業や化学物質、社会 の至るところでのストレス、 住宅の洋風化と化学製品の使 用などにあることを繰り返し 、指摘してきました。
健康が人々の要求として表 面化してきたのは90年代で あり、とりわけこの数年に圧 倒的多数の国民の共通要求と さえなってきました。
裏を返 せば20世紀という時代は、 科学を発展させて西洋文明支 配下で文化の花を咲かせてき ました。
花を咲かせたのは化 学と地中から掘り出した石油 などの化石燃料によるもので した。
文化の発展は、否応なく自 然環境の破壊を伴わずにはお れません。
こうして見ると、今日の環 境破壊と汚染、健康破壊が2 0世紀的発展の必然的な結果 であることを読むことができ ます。
ところがこの矛盾を20世 紀的尺度と価値観で何とかし ようというのですから、自ず とそこには限界があり、根本 矛盾を解決することは不可能 なことです。
化学の成果の結果として生 れた矛盾は、化学では解決す ることはできませんし、化石 燃料の多用から生まれた矛盾 を、化石燃料を使用し続ける 下で解決することはできませ ん。
それに、科学万能の西洋文 明の対処方法は、すべてにお いて対症療法です。
医療に代 表されるように、問題のある ところを応急措置する。
患部 を薬でやっつけるか、切り取 ってしまうという発想ですか ら、それが生まれた原因を究 明し、その根本を治すという 考え方ではありません。
ですから、健康の問題を取 り上げて見ても、直接、健康 を破壊する原因となったもの を取り出して対処するという 方法がとられますが、最大の 原因である地球環境の破壊と 汚染を止める手立ても持たな ければ、その意思も持ってい ません。
健康破壊住宅が問題になる と、その原因をホルマリン問 題に歪少化したVOC(揮発 性有機溶剤)にすり変え、化 石燃料資材の問題や高気密化 に代表される洋風住宅の根本 問題には触れようとしません 。
そして、接着剤をホルマリ ンを含まないものに変えた( この被害の方が数年後はもっ と恐いかもしれないのですが )とか、合板の使用を減らし たとか、木質材を取り入れた からと言って、堂々と「健康 住宅」を謳っているのです。
こういう論調で建築関係者 が、健康や「健康住宅」を語 っても、決して健康問題は解 決しないのです。
本誌は第7号で「本物の健 康住宅とは何かを問う」で、 健康と「健康住宅」について 特集していますが、その中で は、健康破壊から健康を守る という対症療法的な考え方で はなく、健康を育てる視点に 立って、健康を考え、住まい を考えるべきであることを示 し、鈴木有先生の「地球環境 と木造の住まい」と併せて本 物の健康住宅(呼称が問題で すが)について考えています。
科学を超えた新しい視点で考える
不定愁訴と呼ばれる現代病 は、不眠、イライラ、頭痛、 めまい、吐き気、耳鳴りそし て各種のアレルギー症状など 数多くありますが、これらの うちの多くが生活環境、住ま いと関係していることは言う までもありません。
ところが建設省、厚生省な どの行政も、元凶のハウスメ ーカーも、建築家の多くも、 この根本原因と解決について 語ろうとしていません。
なぜ かと言えば、それはこれまで の路線、在り方を否定するこ とにつながるからです。
付け加えるならば、これま での科学一辺倒の価値基準や 評価基準では、健康問題を論 じきることはできないのです。
科学的と言われるものは、 実験で証明できるもの(再現 性があるということ)か、数 値的に示せるもの(認知でき るということ)が基本前提で した。
それ以外は例外もしく は研究の対象外とされてきた ことは、多くの知るところで す。
この基準で考えれば、不定 愁訴やアレルギー症状、スト レス症という現代病の多くは 、その原因や症状を科学的に解 明することは困難だというこ とを示しています。
挑戦はし ているかもしれませんが、現 代科学はこの問題に答を出せ ていないのです。
求められているのは、現代 科学の粋を超えた新しい科学 です。
つまり、現代科学の限 界を認めて科学が新しい分野 、新しい領域、これまでタブ ーとされていたり、例外とさ れて排除されていたり、奇跡 としていた問題に踏み込むし かなくなっているのです。
「木のこころ」編集室は科 学者でも物理学者の集りでも ありませんが、少くとも、い ますでにすすんでいる科学を 科学する科学、見えないもの の科学、あの世の科学、宇宙 のエネルギーについての科学 などは、これまでの常識を超 えたものであり、概念を根底 から引っ繰り返えすもので、 21世紀をつくる根幹となる ものと考えています。
本誌ではこれまで、健康破 壊がすすむ根底にあるものは 、免疫力、抵抗力の低下、自 律神経の低下(衰えもしくは 硬直化)とそれによる自己治 療力の低下にあることを指摘 してきました。
この原因となっているのが 化学物質の多用、地球破壊と 社会環境の悪化、気象異変な どにあることはかなり知られ るようになってきましたが、 住まいにおける健康破壊の原 因については、建築関係者の 間ではまだ新しい認識は広が っていません。
しかし、これにしっかり目 を向けて家づくりを考えなけ れば、決して健康を育てる家 づくりは出来ないところへ来 ているのです。
これまであまり語られるこ とのなかった住まいにおける 健康破壊の原因は何なのかで すが、それは①自然界に存在 しない化学物質と化石燃料資 材の多用、②家電製品、コン セントなどから放出される電 磁波、③化学物質や化石燃料 資材、ゴミ、塵埃腐蝕物など から発せられるプラスイオン 、④モーター音などから発せ られる低周波音の問題があり 、このほかにも磁場の問題や 水の問題(別の機会に考察の 予定)があげられます。
これらが語られなかった理 由は、研究の対象から排除さ れていたか、研究がすすんで 周知されれば、産業構造が否 定されたりするからですが、 これらの研究もいよいよ表に 出てくるようになっています。
健康を育てるための新しい課題
では、これらの原因を除去 するにはどうすればよいかが 問題になってきます。
それは 、①化学の力で作り出された 自然界に本来存在しないもの は、なるべく使わない。
②電 磁波を発するものを減らせな い現代社会では、室内で電磁 波を飛び交わさず吸収するか 、悪性の電磁波(現在の電磁 波のほとんどは悪性だと言わ れています)を良性の電磁波 に変える。
また、室内に外部 からの電磁波の侵入を防止す る。
③プラスイオンを吸収、 消去、または、外部へ排出し て、マイナスイオンを増やし 、プラスとマイナスのバラン スを保つ(現在の住空間は、 圧倒的にプラスイオンが多く なっています)。
④低周波音 を発するものを減らす工夫と 低周波音の震動を吸収もしく は外部へ放出する。
逆に自然 界の超高音波を多く取り入れ ることにあります。
マイナスイオンや宇宙エネ ルギー、それに良性の電磁波 こそが、細胞を活性化します し、自律神経を整えてくれま す。
(これらについては本誌 連載中の菅原明子著「マイナ スイオンの秘密」、本誌第4 号「癒しを育てる住まいづく りと住まい方」の特集参照)  そして何よりも重視したい のが〝自然界のゆらぎ〟です 。
(本誌第4号同特集参照)  〝ゆらぎ〟の研究の歴史は 浅く、本格的な研究が始まっ たのは1977年に横浜で開催 された国際会議からですから 、まだ社会的認知度は低いか もしれません。
しかし、自然界のすべては 〝ゆらぎ〟から成り立ち、存 在していることが明かにされ ています。
〝ゆらぎ〟こそ が存在の証しであり、活力の 源であることを、〝ゆらぎ〟 研究の第1人者の武者利光さ んは語っています。
(注・〝 ゆらぎ〟には雑音も含めてい くつかの種類がありますが、 ここでは〝1/fゆらぎ〟を 指しています)  人間をはじめとする生き物 の存在のカギを握っているの は、脳の中枢・脳幹ですが、 これもまた〝ゆらぎ〟によっ て存在します。
この脳幹が作 り出すのが自然治療力をはじ めとする人間が持つ自然の生 命力です。
この人間の生命力 の鍵となるものがイン・ネイ チャー(内なる自然)で、イ ネイトとも称されていますが 、脳幹の働きが鈍るとこの自 然の力が弱まり、頸椎などに 歪みやズレがあればこの流れ が阻害され、自己治療力が低 下し、健康を損ね、病気に負 けやすくなって、いろいろの 症状がでることになります。
現状のように文化が発達し たことでもたらされている環 境汚染や化学物質の乱用、電 磁波やストレスなどの弊害が 多くなればなるほど脳幹の働 きが鈍り、自己治療力が低下 することになり、自律神経が 正常に働かなくなるのです。
そこで、働きが鈍くなり、 硬直してきている脳幹の働き を活性化するためには〝ゆら ぎ〟の刺激を多く与えること が最も近道なのです。
5官で感知した〝ゆらぎ〟 が脳幹を刺激し、働きの弱ま った脳幹の〝ゆらぎ〟と共振 共鳴し、脳幹の働きを高める ことができるのです。
ところが、近代建築は脳幹 の働きを鈍らせる材料で人間 を取り囲んでいるだけでなく 、4角と直線を組み合わせた 幾何学模様が主で、室内も外 観も〝ゆらぎ〟を排除する西 洋文明に支配されています。
つまり、自然と自然の素材を 排除することで〝ゆらぎ〟を 奪っているのです。
健康を育てる家と室内づくりを
このように、近代建築とそ の中での住まい方によって、 マイナスイオンや超高音波〝 ゆらぎ〟を排除・遮断し、電 磁波やプラスイオン、低周波 音に囲まれた暮らしをしてい るのですから、健康が損なわ れるのは住まいの面から見て も当り前だと言わざるを得な いのです。
言い換えれば、人工的に作 られたものや化学の作用で作 られたものは、健康を阻害す る要素をいっぱい持っている ということになります。
逆に、自然や、自然の素材 は、健康を育てる癒しのエネ ルギーを持ち、自己治療力を 発揮させ、自律神経と細胞の 活力を育ててくれるのです。
私たちが考えている以上に 、自然界には測り知れないエ ネルギーがあり、そのエネル ギーで地球上のすべての生物 が生かされており、自然とと もに在ってこそ健康を保持し 、育てることができるのです。
野性の動物たちが元気そのも のなのは、大自然の中で生き ているからであり、自然の産 んだものは、自然の中が一番 良いのだということを示して います。
人間もまた自然によって創 り出され、自然に生かされて いる存在なのですから、自然 とともにというのが最も本来 的な在り方だと言えるでしょ う。
ところが文化生活を営む人 間は、動物たちと同じように は生きられないのも自明であ り、家をつくり、様々な社会 環境の中で生きています。
そ して文化の発達、快適さ(本 当の意味での快適とは違うの ですが)の追求の中でだんだ ん自然との断絶を広げ、有害 なものを取り込んでいるので す。
だからこそ「木のこころ」 は、本当の健康は自然ととも にあり、健康を育てる家は、 自然の風や光、自然のエネル ギーを通わす造りで、自然の 素材を使うことにあることを 強調してきました。
でも現実問題として、現在 の家を建て変えることはそれ ほど容易なことではありませ んし、集合住宅を作り変える こともできないことです。
そこで考えたいことは、室 内に自然の癒しのエネルギー を取り入れ、有害なものを除 去することです。
方法はいろいろありますが 、基本的には自然の素材で室 内を装うことであり、和風の つくりが最もこれに応えるも のになります。
土壁、珪藻土、畳、紙(障 子・襖)などは、温湿度の調 整や電磁波、低周波音を吸収 してくれます。
土壁、珪藻土 、畳からはマイナスイオンを 期待することもできます。
ま た畳や手書きの書画、手造り の工芸品などからは〝ゆらぎ 〟を得ることができます。
植 物を置けば、そこからマイナ スイオンや〝ゆらぎ〟を得る ことができますし、高温で焼 いた木炭・竹炭からはマイナ スイオンや遠赤外線の効果が 得られ、調湿効果もあります。
このように室内環境を良く するためには、有害なものを 減らす「引き算方式」の消極 的な方法で良しとするのでは なく、健康を育てる要素を持 ったものを取り入れる「足し 算方式」での積極的な考え方 がはるかに大切になっている のです。
それは、マイナス要素を減 らしてもプラス要素は産まれ ませんし、一歩屋外へ出れば マイナス要素が充満している からです。
このような考えを追求する と、結局一番有効なことは、 木材を使うことになってきま す。
木材は癒しの効果のそれぞ れについて必ずしも最上級の 働きはしていませんが、すべ てにおいて及第点を上回る優 れた特質とエネルギーを持っ ています。
そこで、次稿では、癒し、 健康という側面からの木材と 、内装におけるムク板とツキ 板のそれぞれの特徴と役割に ついて考えてみます。
中川木材産業の商品であるキットデッキシリーズを組み立てたお客様の実例写真と感想を紹介しています。ウッドデッキに少しでも興味を持った方は、まずは手始めに、施工例を見てみるといいかもしれません。お客様の実際の生の声やいろいろな形のデッキの写真を見ることで、イメージがつかみやすくなります。キットデッキシリーズは、Hard(ハード)、Web(ウェブ)、Raccoona(ラクーナ)(旧デラックス)、Rough(ラフ)、Mini(ミニ)の5種類あります。それぞれDIY未経験者から中級者まで誰でも作ることができます。失敗知らず。耐久性、コスト、簡単さなどお客様の重要視したいものに合わせてキットデッキが選べて嬉しいです。このwebへのリンクは DIYウッドデッキの感想実例集 です。
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