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木の家づくり 工務店ここにあり

1000本柱のプレローグ工法

百年住宅を目指して 子に孫にひ孫に受け継ぐ建築物を〝百年住宅〟に挑戦  
現在、地球環境は深刻な状況にある。
私たちが営む大量消費生活、使い捨て生活は地球に多大な影響を与えている。
住宅ですら、日本ではハウスメーカーによって三十年住宅が普通とされてきた。
世界の住宅建て替え年数のサイクルを見てみると、イギリス141年、アメリカ103年、フランス85年、ドイツ79年、 日本30年となっているという。
長い年月ローンを払い、やっと手に入れたマイホームも30年後には立て替えの心配、こんな不条理な住宅は本当に おかしい。
なぜ日本だけがこんあに住宅寿命が短いのか。
〝建てては壊し〟を繰り返し続けることは地球規模で考え ても良いはずがない。
そんな思いが建築業界の中でも聞かれるようになり、ユーザーにとって本当の本物の住宅づく りをしようと立ち上がった人がいる。
福岡県玄海町のアサヒ工務店、立野孝代表である。
立野さんは、もともとは電気技術者だったが、そこから24歳の時に住宅設計へと転身した。
ハウスメーカーに就 職して設計に携ったら「設計じゃなくて、単なる組み合わせにすぎず、独創的な工夫が邪魔になる仕事」と3日で嫌 になり、営業への配置転換を願い出たという。
初めての住宅営業にもかかわらず、持ち前の研究熱心と負けず嫌いの頑張りで、一躍トップセールスマンになった が、それは熱心さだけではなく、相手の立場に立って客のメリットとなる提案を持っていくことと、立野さんの人間 力によるものだった。
そんな立野さんが、家を売るごとに「自分は木材を知らない」という思いが募り、仕事の合間を見ては材木店に通 って自分なりに勉強をしたが、どうしても納得できず、とうとう3年でハウスメーカーを退職し、福岡の木材店に転職 した。
ところが、その材木店も建築に乗り出してが営業を担当することになってしまった。
年間50棟もの家を売ったが 、それは立野さんがめざしていたものでもなく、営業上の問題も生まれ、5年間で退職して独立を決意した。
昭和57年のことで33歳だった。
この頃はすでに普通の木造住宅なら十分やっていける自信はついていたが、自 分の会社は、お客から注文をとってくるだけで、大工さんが家を建てる斡旋業のような役割で、直接家を建てない会 社の存在意義に疑問が生まれた。
時あたかもバブルにさしかかり、地価も材料も日毎に高くなっている。
「本当にお客が望む家を造ろう。
自分がそんな家を開発して造ろう」と考えたのが平成3年、まだバブル崩壊の直 後だった。
ここから立野さんの家づくりの開発が始まった。
基本にしのが、日本の古来からの木造技術に近代技術をプラスし た安くて頑丈な〝百年住宅〟で、建て替える際も、解体しても70%の部材がリサイクルできる住宅をめざした。
「世界に誇れる日本のトップ技術といえば、電気製品や機械部品、自動車などが頭に浮かびますが、実は木造住宅 技術だと思うのです。
何しろ、金物やコンクリート、防腐剤などを一切使わず、木材で1000年もの耐久建築物を 残したんですから。
私がお手本にするのも古来からの木造技術です。
ただ、現代のコンクリートや金物も木材にない 長所があります。
そこで、古来技術70%、近代技術30%で、互いの長所を生かした混在工法が私の開発したプレロ ーグ工法です」と立野さんは語っている。
プレローグとは、プレキャストコンクリートとログ(木材)を組み合わせた造語で、プレログからきている。

●注目されるプレローグ工法
  一般の木造住宅は構造材として100本内外の角材を使うのに対して、立野さんの建てる住宅には柱材が1000本 以上に達するという。
それもそのはず、壁面を見るとムク板が並んでいるように見えるが、実は百5㎝角のムク柱が びっしりと並んでいる。
柱を隙間なく並べてボルトで固定、パネル化したものを壁に使用する工法で、木造在来工法に 比べ、約10倍の木材を使用するため、驚異の耐久性と強度を実現させたものである。
1階床には40㎜、2階床に は90㎜の厚さの無垢材を使用し、家の中央には極太のスギ(ヒノキ)の一本物の大黒柱がすえられる。
つまり、プ レローグ工法の家は千本柱に支えられた家となる。
またこの工法は30坪で約50平方mの材木を利用するので、一棟あた り11666㎏もの二酸化炭素を固定化していることになる。
また大気中のCO2の吸収固定量を増やす事にもつながっている。
立野さんは、このプレローグ工法の家を坪当り20万~100万円まで望み通で建てるという。
木材の価格は、普通の人が思っているほど単価は高くない。
山元近くから仕入れれば安いには安いが、使用量が多 いだけに総額としては高くならざるを得ない。
しかし、それに見合う以上の経費を徹底して削っている。
木造パネルなどは、立野さんの指示する仕様で製材所、プレカット工場で一棟分を加工して、パネル化できるとこ ろはパネル化して現場に直送し、積み木細工的な仕事は一人の大工さんの下で家族や友人たちが総出でやるようにし ている。
この工法で建てると、1棟が従来の3分の1の1ヶ月ででき、お客にとっても喜ばれるし、建設業者も従来の3~ 4倍の物件管理などの仕事ができることになる。
立野さんは、この家づくりを通して「健康住宅」論を批判し、安易に活字化される「健康住宅」など決してあり得 ないという。
健康をなるだけ害さない建物は」つくれても、防ダニ、防カビ、抗菌が施されたり、殺虫剤が使われたり では、逆に害になる、と警告し「伝統構法で、適度な断熱、適度な気密建築が必要で、〝家の健康がすべてを解決〟」 を基本にプレローグ工法を開発したと語る。
こうした立野さんの家づくりに共鳴する建築業者が1社2社とあつまってできたのが「日本プレローグ工業会」で ある。
この活動には各地の森林組合も関心を寄せてきた。
国産材を大量に使う建築物であるプレローグ工法の住宅。
国産材の消費低迷に長い間、悩んできた林業家たちがそこに希望を見いだしたのである。
立野さんの家づくりの考え方の柱になっているひとつが、林業の活性化であり、過疎の山村に雇用を広げることにあ る。
家づくりと日本の林業復興を同時にすすめたいという立野さんの挑戦に林野庁も関心を寄せ、森林組合も動き出 している。
平成7年度の林業白書によると、間伐材は年間3850000立方m生産されているが、残りは有効利用されたのはわず か1750000立方m。
山から運び出すのに経費がかかるので、残りは現地に放置されたままである。
これを生かそう とするのが立野さんの挑戦であるが、このような活動が全国に広がることを期待したいものだ。
また木材産地にはもうひとつ、未利用資源が眠っている。
林業の振興のために林野庁の予算で、各地に建設されたも のの、十分な稼働していない多くの製材施設やプレカット工場等である。
立野さんの構想に、こうした施設の利用も入っている。
木材産地の工場で部材を生産し、直接現場に運べば中間的 な経費が省け、コスト削減にもつながる。
今、着々とその構想は実現されつつある。
立野さんのプレローグ工法は建 築業界に新しい風をはこびつつある。
2011年7月1日にリニューアルしたばかりの株式会社中2011年7月1日にリニューアルしたばかりの株式会社中喜のホームページです。株式会社中喜は、「見直されるべき日本の素材、銘木」、「伝統美の再発見」、「銘木を感じてください」、以上のことをコンセプトにして、天然銘木を取り扱っている会社です。倉庫を10個ほど所有しており、銘木の在庫は西日本一を誇るそうです。前の事務所は現在、展示場として利用されています。ホームページでは、社内の様子や製材の流れ、事細かに写真や動画を用いて紹介されています。その他にも、取り扱っている商品やその使われ方などがたくさん掲載されています。担当者のブログもあります。 このwebへのリンクは 銘木の中喜 です。
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