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本物の健康とは何かを問うその2 いま求められる健康住宅とは何か

◆「健康住宅」の呼称が持つ疑問
「健康住宅」の呼び方についての検討と論議が 必要と考えるのは、先に述べた健康を意識するこ となく健康を増進する住まいを、ことさらのよう に「健康住宅」と言わなければならないような不 自然さがひとつの大きな理由です。
「健康住宅」 は、本来当たり前のことにすぎないのですから。
 もうひとつは、ハウスメーカー等によって盛ん に宣伝されている『健康住宅』が、生活者の意識 に定着している感があるからです。
 最も大切な意味は、先に鈴木有先生が述べてい るように、ハウスメーカー等がいう健康住宅は人 間が地球の主人公であるとの考え方が基本にあり、 人間も自然の産物、自然こそが主人公との考えを 否定した西洋文明観が根底にあるからです。
 『健康』を冠している住宅が全て同じだとは言 えませんが、一般的にいま言われている『健康住 宅』を概観すると、その多くに共通しているのは、 ①高気密・高断熱で、24時間喚起エネルギーを使 いながら省エネ型であると言っていること、②な るべくホルムアルデヒドを含まない建材や合板を 使用していると言っていること、③なるべく木質 材や木質調(木のように見えて木でないもの)を 使っていること、が基本となっているものが主で す。
バリアフリーも健康住宅の条件としているも のもありますが、バリアフリーは健康問題とは違 う次元の問題です。
 その他、いろいろ工夫を凝らしているものもあ りますが、考え方の根本と作り方の根本に立ち返 っての「健康」を考えているものではないのが大 部分です。
 それらは、多くの建築家と「木のこころ」が 「健康住宅」と呼ぶ概念とでは大きな距離があり、 とても自然と共生した住宅、自然素材での住宅と はなっていませんし、なれない決定的違いを持っ ています。
 それは第1に、戦後の住宅産業の主流をなして きた洋風住宅観を出発点にしていることで、プレ ハブ住宅の延長線上の高気密・高断熱住宅の下で の健康を考えざるを得ないところにあります。
 第2に、それらの多くは、モデルハウスに見え るような大量生産型にならざるを得ないため、部 材と資材の多くが無機質材による工場生産品です から、自然素材に手間をかけてということにはな っていません。
 第3に、ここからの結果として当然のことなが ら電磁波や低周波音の問題には殆ど手がつけられ ていませんし、マイナスイオンや〝ゆらぎ〟によ る健康促進には口を閉ざしたままです。
 細部についてはまだ多くの問題点を残していま すが、最大の問題は企業本位で、利益重視ですか ら、住まい手の立場に立って、条件に応じた住ま いづくりとはなっていないことです。
  形も仕様も材料も日本中どこに行っても同じ家 で、風土も考えずに『健康住宅』と言えるはずが ないのではないでしょうか。
 ですからこの『健康住宅』は、これまでの「健 康破壊住宅」の供給への反省も語らず、「なるべ く健康を阻害しない」とか「これまでよりも健康 破壊を押さえた」というものにしかなり得ないの です。
 その端的な例のひとつがホルムアルデヒド問題 です。
ホルマリン合板を使わないとか、低ホルマ リン化の材料を使っているとか、クロス貼りの糊 をノンホルマリンにしたとか、別の新たな健康被 害や環境ホルモンともなり得る抗菌や抗カビ、防 蟻処理をしたとかで『健康』を語ります。
 ホルマリンで濃度の高さは確かに問題で、これ までがひどすぎはしましたが、建材等のホルマリ ンが減少したことだけで、この問題は解決しない のです。
ホルマリンの含有量が極めて高いシイタ ケやお酒を飲んで吐く息をはじめ、食材や調味料、 化学混合物の中には驚くほどのホルマリンが存在 しているのですから、ホルマリン問題が健康問題 の解決にはなり得ないことをゴマかして、これま で無頓着だったホルマリン問題に配慮をしたこと で、健康問題をクリアしたように見せているだけ と言わざるを得ないのです。
 ですから『健康住宅』を謳っているものについ ては、本当に何がどう健康住宅なのかをしっかり 見極め、時にはそれを質したり、公開質問状を発 するくらいの姿勢が必要になっていますし、この ことを生活者、住宅購入希望者に理解してもらう ことも、建築に携わる人たちの役割になってきて いるのです。
 『健康住宅』だけではなく、メーカー住宅や輸 入住宅の中には、すでに『自然』『エコロジー』 『エヴァ』住宅などを付けいるものがありますが、 同様にその内実を検証することが必要でしょう。

◆健康を育てる視点を見直す

  「木のこころ」が、これまで一貫して考えてき たのは、これからの住まいづくりは、日本民族の 叡智と文化の結実として造り継がれてきた和の家 づくり、地場に根づいた木の家づくりでした。
 昔ながらの木の家こそが、本当の心と身体の健 康を育てる住宅であることに異議をはさむ余地は なくなっています。
 しかしながら、今は昔のような自然につつまれ た環境とは大きく変わっています。
特にこの50年 余の社会の発展は、人類史上信じ難いほどの変化 をもたらしました。
 車社会化による石油の膨大な使用と日本中に広 がる道路網と排気ガスによる森林破壊、電気製品 化時代による電力エネルギーの大量使用、重化学 工業の発達と化学物質の開発、食生活の洋風化 等々、数えあげればきりのない大変化は、環境破 壊、健康破壊を比例させてすすめました。
 その下での住宅の洋風化ですから矛盾が増大し ないはずがありませんでした。
 この20世紀の資本主義的発展による矛盾が社 会の至るところで破綻を拡大し、正常な社会生活 への営みの必要性が見直され、家づくりでの「健 康」や「木造」が輪を広げてきています。
 とは言え、環境や資材、工法が一挙に変わると いうものではありませんし、不可能な面を多々残 しています。
また木造住宅を建てたにしても健康 被害の問題の全てを解決したことにはならないこ とも明らかです。
 在来工法による木造住宅づくりのうねりを巻き おこしながら、諸条件の下での「健康住宅」づく りと「健康」の増進を考えて行かねばなりません。
 そのためのキーワードこそが〝自己治癒力〟を 高めることです。
 自己治癒力を高めるためには、自ら健康を育て ようという意欲と決意で、癒しを受け入れ、癒し を与えようとする資性が必要ですが、同時に、癒 しをすすめる条件づくりも必要です。
 癒しについては以前にも触れていますが、その ポイントは磁場の改善による「イヤシロ地」化と 〝マイナスイオン〟〝ゆらぎ〟〝超音波〟、そし て〝水〟にあります。
 「イヤシロ地」化については故楢崎皐月氏が 「静電三法」の中で、炭素(備長炭)埋設によっ て地面のマイナスイオンを増やすことによる方法 をはじめ、果樹のてっぺんに30㎝くらいの金属針 を取りつけることで周囲のマイナスイオンを増や す方法、細かいメッシュの金網を使ってマイナス イオンを増やす方法などを提案しています(菅原 明子著「マイナスイオンの秘密」PHP研究所刊 参照)。
 マイナスイオンを生活空間に満たすためには、 マイナスイオンを放散する材料を多く使うことや、 良質のイオン発生器を使うことも方法です。
その 際、本誌連載中の菅原明子さんの「マイナスイオ ンの秘密」に示されているように、食事や生活に も十分注意することです。
 マイナスイオンを放散する材料の代表はやはり 木材です。
木や草などの植物素材は、マイナスイ オンを放散するとともに〝ゆらぎ〟による癒しと 活性化の最良の素材です。
(本誌第四号「自然界 の〝ゆらぎ〟が生命を育てる」参照)  〝超音波〟は、自然界に無限に存在し、その音 波と共振することで私たちは活力を得ているので すが、近代化された住宅ではそれが遮断されてし まいます。
開放的にして外からの超音波を取り入 れられない所では、超音波を発する備長炭、竹炭 や遠赤外線を発するものを置いたり、壁面に使う方法もあります。
これらは超音波とともにマイナ スイオンを発してくれますので想像以上に効果的 です。
 〝水〟は人体の70%を占め、生活のあらゆる 場面で欠くことのできないものですが、自然破壊 でミネラルなどが減少した上、様々な有害物質で 汚染され、水道水は更に塩素物質が加えられてい ますから、生活の根っ子から健康が破壊されてい ます。
「健康住宅」と「健康生活」に〝水〟は不可欠 の条件です。
最近は蘇生型で還元力のある水を取 り入れる方法がいくつも開発されています。
 先の楢崎氏による電子水や、水道の蛇口に取り つける器機、家全体を水で還元する装置などが今 後ますます脚光を浴びるものと思われます(水の 問題も近く考察の予定です)。
 このように木の家づくりと併せて、宇宙エネル ギーを取り込むことで健康を育てることも「健康 住宅」づくりの大きなテーマとなっています。
 差し当たりの対策として、塗布するだけでホル マリンを消去するものの開発もされています。
 対策はいろいろあるのですが、住まいの最も大 切なテーマは、住み心地が良く、安心して住んで 愛着の持てる家です。
 建築の材料はなるべく自然素材を使うが、絶対 とは考えていないという建築家も多いようですし、 どんな家が一番かとの問いに、昔ながらの木造で あること以外には「なんとなく良い家としか言い ようがない」と答える人も多くいます。
 やはり住まい手の立場に立って造り、住まい手 が良いと思い、住み心地が良いものがベストと言 えるようです。
現実に100%有害性を駆逐すること は不可能ですし、健康破壊はこれまでも見たよう に、住まいだけではないのですから、神経質にな ることなく、前向きに明るく生きることですし、 自己治癒力を高めることが何よりも大切だという ことを改めて考えたいものです。
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