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巻頭言

日本の家づくりの明日を語る  

 みなさんのお陰で創刊3周年を迎え、4年目のスタートを切ることができました。
 時代の厳しさ、思いがけないアクシデント。
予想し得ないことの連続でしたが、本 当に多くのご支援、ご声援に励まされての3年でした。
心から感謝しています。
有り 難うございました。
 ところで、つい先日、21世紀の新年を語ったようですが、もう10月を迎えます。
 どんどん世の中が厳しくなり、経済は下がりっぱなしで、小泉首相が「改革」を叫ぶ たびに株価が下がる毎日が続いています。
間違いなく大改革が必要な日本ですが、問題 は誰のための改革か、どう改革するのか、その先はどうなるのかであり、そういうこと がまず明確にされない限り前へはすすまないでしょう。
 家の主人公が住む人であるように、国の主人公は国民です。
 ところが20世紀は、家の主人公は、家という商品をつくって売る人でした。
国の主 人公は、政治・行政であり金融機関と大資本でした。
つまり支配者たち、支配者層(そ の奥の真実は別にしてのことですが)でした。
 小泉改革は、国民に痛みを求めていますが、その先は何もないようです。
それは、あ くまでも今の支配体制の維持を前提にした、支配者層のための改革にすり替えられ、永 田町を軸にしたものにすぎないからです。
 変革への「初めの始まり」に幻想を持っていても未来は開けてきません。
むしろ、現 実はもっと厳しくなることを予測させています。
 それぞれが、自分の役割と本分をしっかり見定め、より良い世の中をつくるために真 剣に努力することが大切になっています。
タナボタ式の甘い期待は期待倒れで終わりま す。
我利我欲での20世紀的生き方では社会から近い日に見放されてしまいます。
エゴ イズムのジコチューは周りから人を失ってしまいます。
 そういう視点から住まいづくりを考えると、住む人を主人公とした家づくり、日本の 気候・風土に最適で、木の文化の歴史を培ってきた木の家づくりこそがいよいよ大切に なってきます。
 木の家づくりの広がりは、住む人に住みがいをもたらし、木の職人たちを蘇らせ、日 本の山を守り育てることにつながるものです。
 世のため人のために役立ち、みずからの喜びでもある木の家づくりこそは、21世紀 をつくる素晴らしい仕事です。
 創刊3周年記念の今号は、木の家づくりを大きく広げる「形の場」をつくることをめ ざし、木の家づくりに携わる人たちの想いを込めた寄稿特集と、洋風住宅讃美の時代か ら木の家づくりの時代の転換を考える特集を中心に編集しました。
 折しもこの間、アメリカで衝撃的な事件が世界を駆けめぐっています。
このことを通し ていくつかのことを考え、知りました。
 ひとつは、真珠湾攻撃の再現であり、3年前のケニアとタンザニア大使館爆破事件に続 くものであることです。
いずれも戦争開始の引き金づくりと戦争賛成への世論づくり、対 戦相手の特定化の策謀と考えざるを得ないようです。
テロを認めるものではありませんが、 テロを誘発(演出?)して、死の商人のための戦争での人殺しを合法化することは、もっと 認めることのできないことです。
 もうひとつは、2棟のセンタービルの崩壊が、崩壊寸前のアメリカ経済を象徴すると同時 に救うことになるのではないかということです。
 それ以上に、教えていることは、近代建築の最先端を行くかのような鉄筋コンクリートの 高層ビルの脆さと危険さについてです。
直撃を受けたセンタービルは、横揺れには強いが、 荷重には弱いという現実をまざまざと見せました。
そもそも高層ビルを生み出した近代の科 学と価値観にこそ問題があると言わざるを得ません。
 もっと強烈に教えてくれたことは、センタービルの崩壊の振動(震度6程度)で、いくつ もの高層ビルが倒壊したことです。
コンクリートの建物は実に弱く、救いがたい被害を呼び、 被害を拡大することを世界の人々に知らせました。
 この近代建築の崩壊は、近代そのものの崩壊を示唆すると同時に、自然の理に適い、自然 の素材で自然と共生する木の家と木の文化の素晴らしさへの認識を確かなものにしてくれま した。
 なお、今号では、若い建築家の木の家づくりへの情熱に触れて頂きたいと思います。
新し い連載、古川郁夫さんの「日本人と木」も始まりました。
 これから4年目です。
1人ひとりが発言し、交流し合い、木の家づくりの共鳴地場を一気 に育てられるようにと期しています。
 みなさんの一段のご支援とご協力をお願い致します。
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