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地場産業として復興する 木の住まいづくり

 新緑が一番鮮やかに目に映える季節になりました。
目に青葉や色とりどり の草花、耳に若葉のざわめきや鳥の音、体を撫で行く春の風、五感いっぱい に自然の心地良さを受け入れ、心と身体が癒され、生命力の涌き出る季節で す。
あまり意識することのない毎日ですが、私達の日本は雪解け水と芽吹き の春に始まる豊かな変化の四季に包まれています。
そしてその変化に富んだ 四季に旬の恵みさえも得ることができるのです。
 それは温帯で、北東から南西へのびる起伏に富んだ島国なればこそと言え るものです。
そこには、豊かな森林があり、水があります。
 日本の文化はこの素晴らしい自然の懐でこそ生まれたもので、農耕民族の 誠実さ、勤勉さ、助け合いの精神を持ち、自然と共生する文化、和の心を育 ててきました。
そこに育ったのが地場産業で、地場産業の発展がまた文化の 発展をつくっていました。
 日本の産業は、農耕民族としてその地に定住し、豊かな自然の恵みを得た 生活の中で育ったもので、そもそも産業は地場に根づき、地場とともにあり ました。
とりわけ家づくりは、その地の木や土や草を材料に、みんなが力を 合わせてつくるところから始まり、長く昭和の時代まで地場産業の根幹をな すものでした。
生活の基本である衣食住を支える繊維産業も農水産業も、み な地場に根づいたものでした。
 交易範囲の広がりは、地場産業の形態を少しづつ変えてはきますが、その 基本が崩されるというものではありませんでした。
しかし、いまは地場産業 は、どこを見てもその面影がないほど衰退しています。
 その根本は、特に戦後50余年間の歩みの中にあります。
日本の文化があら ゆるところでアメリカナイズされた洋風文化にとって替わられ、産業はアメ リカ等からの輸出品の増大化と大企業育成などによって押し潰されてきまし た。
 産業と文化は相和して成り立つもので、アメリカが戦後日本の産業・経済・ 政治を支配するためには文化支配は不可欠な条件だったのです。
 異文化によって支配された民族に、未来への展望がないのは当然で、文化 とは、人間が自然との関わりの中で作り上げてきた物心両面の成果であるこ とを考えるならば、地域性を持つ民族には特有の文化があるのは当然です。
 そして、その文化こそが、その民族の心と暮らしを豊かにする基礎である ことは、語るべくもないことです。
 ところが、その文化が踏みにじられ、地場産業が衰退させられての50余年 が今の日本です。
その日本はいま、どうしようもない矛盾につつまれていま す。
脱しきれない不況を国民の犠牲で切り抜けようとする政治、行政、経済 界の「あがき」があり、健康破壊はますます深刻になっています。
資本主義 の限界を見ると同時に、多民族支配の結果としての解決し得ない矛盾の高ま りが見せつけられています。
 21世紀を前にした今は、決して20世紀の延長線で考えることのできない時 です。
覇権国が多民族を支配する時代ではないことは、危機的なアメリカ自 身の矛盾や資源・環境・人口問題をはじめとする矛盾の高まりが教えてくれ ています。
近代が生んだ双生児は片方だけが残るという結論を持っておらず、 資本主義もまた、共産主義と同様に膨張し切った矛盾を自力で解決しえず、 崩壊の先送りに必死になっているのです。
 21世紀は、間違いなく自給自足の方向に向うでしょうし、民族の存在の仕 方が問われてくるものと思われます。
 この下で、日本の未来を考えるならば、それは日本らしさの見直し、アイ ディンティティの確立が求められてきます。
複雑極まりない状況で、未来の 姿が見えない時ほど大切なのは、足許をしっかり固め、大地に根を張った産 業や文化を興すことです。
 それには、地場産業を再興し、日本の文化を復活させることですし、その 気運は月日とともに高まってきています。
 この視点で家づくりを考えるならば、地場産業としての家づくりであり、 建築設計と施工と材料供給の三者が一体となり、生活者のための家づくり、 日本らしい木造の家づくりを推進することが求められてきます。
 そこで今号は、地場産業をテーマに、伝統的な日本建築の真髄を取り上げ、 さらに、各地で盛り上がってきている木の家づくりのためのネットワーク活 動の紹介を正面に据えた編集をと考えました。
酒井哲夫
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