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木の家づくり集団・日本の家をつくる郷土仕様住宅「杣の家」の提案と実践

            

埼玉住まいの会


■ 森と住まいのネットワークを構想
  「埼玉住まいの会」は埼玉住まいの会 設計協同組合(埼玉県大宮市・松澤静男 代表理事)を中心に、住まい手、造り手、 素材生産者の3者がしっかり手を組み、 低廉で質の高い住宅づくりをめざしてき たが、このほど地元西川産のスギ材を中 心とした地域の素材を使った埼玉郷土仕 様住宅「杣の家」の仕様をまとめて発表 会を行ない、飯能市に体験ハウスを着工 することになった。
 住まいの会は昭和57年に設立され、 地域材を生かした木造の家づくりの普及 と研究を続けてきたが、今回の「杣の家」 の仕様を定めたことで、本格的な地域型 住宅づくりを推進しようとしている。
 11月末には浦和市の埼玉県健康セン ターで「杣の家」モデル住宅発表会を開 き、約80名の参加者に「森と住まいの ネットワーク」構想や仕様等の説明が行 なわれた。
 発表会では、開会に続いて、埼玉住ま いの会設計協同組合の工藤孝元代表理事 が経過報告を兼ねて挨拶した。
 「住まいの会」がすすめる「森と住ま いのネットワーク」の事業内容について は、埼玉県の林務課担当と組合員の高柳 講一さん、松澤静男さんがそれぞれの立 場から説明を行った。
 また「杣の家」のモデル住宅について は、組合員の細川末廣さんと山下光男さ んが県産材を使用した住宅の仕様などに ついて説明し、スライドによる実例紹介 と質疑応答を行った。

  「住まいの会」では、室内環境汚染や 欠陥住宅、大地震などの問題に対し、建 築基準法の改正による住宅品質確保促進 法の施行などによる低い次元の検査強化 などで、本当に良い住宅を提供できるこ とになるかとの疑問を投げかけている。
 さらに、工場で生産された製品を現場 で組み立てて住宅の精度を上げるのでは なく、「杣の家」は、「森と住まいのネッ トワーク」の事業構想として、建て主自 身が家づくりに関わり、地域に根ざした 身の回りの資材や資源、人材を有効に活 用し、豊かさや楽しみを得ながらの住ま いづくりを提案している。
建て主も自ら 住まいづくりに率先して参加し、汗を流 すことで住まいへの理解を深め、住まい づくりを体験してもらうことが大切との 考えが基本となっている。
 工事中は見学会を開き、構造の大切さ を見聞きし、職人がどのように工事する かも見てもらい、自分の家づくりの前に、 一通り擬似体験として、基礎工事、建て 方、木工事、屋根工事、設備工事、仕上 げ工事など全てを体感でき、安心して次 の行動に移れる仕組みを作っている。
 さらに、完成後も「木を知る山で知る」 「家を知る職人を知る」「豊かさを知る 楽しみを知る」などのテーマで、山に入 って木を見たり、林業を体験したり、家 づくりのプロセスを学んだり、職人との ふれあいの場を設けたりするなど、様々 なイベントを企画、挑戦し、豊かさや楽 しさを実際に体験してもらうことで、家 づくりや住まいへの気持ちを育てたいと の想いが描かれている。
 流通に乗っていない建築材料を利用す ることは大変なことで、一般には多くの エネルギーを要するが、この仕組みを活 用することにより、負担を軽減し、多く の人に豊かで楽しい住まいづくりをして もらいたいという。
 「住まいの会」では、建主支援の仕組 みにより「自分で材料を探し、作る楽し み、そして得られる豊かさ」を実感して ほしいと呼びかけている。
■ 地域に根づいた家づくり
「杣の家」は、住まいの会を中心に地 域の木材・煉瓦・瓦・和紙などの素材生 産者と加工者、工務店・職人などの造り 手とのネットワークを構築しており、新 築を考えている人からの相談や依頼を受 けて、住まいの会に所属する建築・設計 者が設計と施工に責任を持つことになる。
 「杣の家」では、①地域の自然と風土 にかない、②歴史を継承し、③簡素・シ ンプルかつ豊かであり、④安全で安心と 信頼ができ、⑤自然なサイクルで循環型 という5本を家づくりの柱とし、それを 基本に、快適で豊かな、環境負荷の少な い住まいを作り上げて行きたいと考えて いる。
そのための大切なポイントとなる のが県産材と位置づけ、行政の支援もと りつけている。
 県産材を利用することについての意義 を①木は環境に一番優しい資材である、 ②気候・風土にあった丈夫で長持ちする 住まいづくりができる、③生産者の顔が 見える安心の住まいづくりができる、④ 低廉で質の高い住まいづくりが容易にな る、⑤森林を良好に保つには、県産木材 の利用が不可欠である、をあげている。
 現在、「杣の家」実現に向けての様々な 活動の中でも、(協)フォレスト西川との 共同ですすめている仮称「体験ハウス」 は、興味を探った人たちに、実物を見て、 そこでの生活や森林での活動を擬似体験 してもらうことにしている。
体験ハウス は2000年新春の完成をめざしている。
 「杣の家」の名称は、材木を切り出す 山を「杣山」と言い、木を育て切り出す 林業に従事する人を「杣人」と言うとこ ろから「杣の家」と名付けたとのこと。
 「杣」とは古くは万葉集にも登場する 歴史ある言葉で、「住まいの会では、かつ ての日本の家づくりは、周辺地域の山の 木を切って材木とし、建て主と地域に暮 らす職人たちとの共同作業で行われてい ました」。
 「現在では、多くの建て主が住宅展示 場を巡って、メーカーの勧めるままに、 世界中から集めた木材や化学工業製品を 使って建てた当世風の家を買っていま す」と言って、建て主が置き去りにされ た家づくりで、時には手抜き工事につな がったり、欠陥住宅を生む要因ともなっ ていると指摘。
 「そこで、私たち組合がコーディネィ ターとなり、県内の森林で伐採した木材 などの地域主体で、環境に負荷の少ない 資材を使い、気心の知れた地域の工務店 や職人とともに建てていく仕組みの〝杣 の家〟を提案します」と言っている。
 地域にしっかり根を張って動き出した 「埼玉住まいの会」の活動に注目し、学 びたいものだ。
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