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平井信二先生の樹木、木材研究

テレンタン属の樹木(その2)
5.テレンタンの概要
 テレンタンCampnosperma auriculata HOOKER FIL.はタイ半島部、マレー半島、バンカ諸島、スマトラ、ボルネオ、セレベスに分布する。タイでnangpron、yaang re、huasum、マレーでterentang daun besar、terentang、serentang、napan、サバ、サラワク、ブルネイでterentang、インドネシアでantumbus、madang rimueng、hamtongen、terentang、talantang、talantang putihという。
 高さ40m、直径1.35mまでになる中高木ないしかなりの大高木である。板根はないかまたは低いものが出る。樹皮は淡灰色、灰黄色で、平滑であるが年を経ると紙質の裂片になって剥げる。葉は倒卵形から倒皮針形で長さ40cmまで、幅6~20cmになって大 きい。鈍頭でしばしば先端に凹入があり、基部は楔形に次第に狭くなって葉柄に狭翼状に流れ、その底部の両側に耳形の小片をつける。革質で、上面は濃緑色で光沢があり、両面無毛、側脉は9~26対ある。葉柄の耳形小片から下の無翼部の長さは0.2~0. 5cmである。
 円錐花序は長さ25~50cmで大きく、分枝が多い。花序軸にはふけ状物をつける。果実は楕円形で径は5~7.5mm、白斑をもつ緑色から熟して暗紫紅色などを呈する。
 同地域に同じくterentangの名でCampnosperma wallichii KINGが生ずることが報ぜられ、Campnosperma auriculata HOOKER FIL.とくらべて葉は大きく果実が小さいとされるが、同一種とするか、またはその変種Campnosperma auriculata HOOKER FIL.var.wallichii RIDLEYとする程度のものと思われる。  
6.テレンタンの材の組織、性質と材その他の利用
 散孔材。辺・心材の区別は不明瞭で、淡灰褐色、淡紅褐色などを呈し、辺材と思われる部分は淡色である。木理は通直またはやや交走し、肌目はやや精である。
 道管は単独およびおもに放射方向に2ときに3個が接続、また少数の小径道管を伴なってやや団塊状になることがある。分布数は、13~30/mm2である。単独道管の断面形は楕円形などでやや角ばり、道管の径は小径のものは0.03mmまであるが、ふつう0.06 ~0.20mmである。せん孔板は傾斜し、単せん孔と階段せん孔を併わせもつ。チロースがほとんど見られないものと、僅かにあるものがある。材の基礎組織を形成するのは真正木繊維または繊維状仮道管で、1~3個の隔壁をもつものがやや疎らに見られる。
 径は0.01~0.03mm、壁厚は0.002~0.003mmである。
 軸方向柔組織はきわめて少く、おもに道管の周辺に1~数個、まれに基礎組織中に単独で散在する柔細胞がある。放射組織は1~2ときに3細胞幅、2~35細胞高、水平細胞間道を中に含むものはその部分が5~10細胞幅となり高さも大きくなる。構成は異性 で、単列放射組織および多列放射組織の軸方向端部の単列部分1~3層の大部分は直立細胞、方形細胞またはこれと同じ高さの大型の平伏細胞の層、他は高さの低い通常の小型の平伏細胞の層からなる。細胞内には着色した樹脂様物質を含む。水平細胞間道 は放射組織中に包まれ、その出現は比較的疎らである。
 材の気乾比重は0.32~0.49、生材から気乾までの収縮率は接線方向2.4~3.9%、放射方向1.0~2.2%の記載があり、強度的数値では、縦圧縮強さ224~265kg/cm2、横圧縮強さ20~26kg/cm2、曲げ強さ428~520kg/cm2、曲げヤング係数6.6~7.1×10(4)・kg/c m2、せん断強さ77~92kg/cm2、ヤンカ硬さは縦断面148~157kgの例がある。
 材の加工的性質と利用はテレンタンCampnospermaの項で記したことと同様である。スマトラで種子油が料理用および灯火用に使われる。
7. Campnosperma squamata RIDLEY
Campnosperma squamata RIDLEY(異名Campnosperma minor CORNER)はマレー半島、シンガポール、ボルネオに産し、マレーでterentang daun kechil、terentang jantan、terentang、サラワクでterentang putih、kayu mansanという。
 高さ30m、直径60cmまでになる高木で、まれにたこ足状の支柱根をもつ。葉は楕円形、倒卵形、倒皮針形などで、長さ10~30cm、幅4~10cm、先端は短く鈍く尖がる。基部は狭くなり葉柄に狭い翼になって流れるが耳状小片はつけない。通常両面無毛であ る。
 雄花序は疎らに分枝した円錐花序で長さ10~25cmあるが、雌花序は分枝しない総状花序で長さ5~13cmに過ぎない。果実は球形で、径13~20mm、緑斑ある白色から暗緑色を呈し、中空の隔室がある。
 材の気乾比重に0.33~0.55の記載がある。  
8.Campnosperma zeylanica THWAITES
 Campnosperma zeylanica THWAITESはスリランカ産で、現地名をariddaという。中高木で樹皮は灰黄色を呈して粗い。小枝に葉痕が著しい。葉は倒卵形などで、革質である。果実は紅紫色を呈し、外果皮は肉質となる。材は白色で軽軟である。茶箱などに用いられる。  
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