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平井信二先生の樹木、木材研究

キバナヨウラク属の樹木
9.アジアヨウラク
 アジアヨウラクGmelina asiatica LINNAEUSはインド南部、スリランカ、バングラデシュ、ビルマ、タイ、支那南部、インドシナに生じ、また植栽されることもある。英名はivy-leaved bulang、インドでgumudu、adivi gumadi、スリランカでdemata、タミール名をkumul、neelacomul、中国名を亜洲石梓、蛇頭花、マレーでbulang、bulanganという。
 高さlm以上、ときに10mになる常緑の蔓性大低木で、樹皮は灰褐色を呈し、小枝にはほぼ稜があり、若枝に通常刺と黄掲色の軟毛がある。葉は卵形、倒卵形で長さ3~9cm、幅2.2~8.5cm、鋭尖頭、基部は楔形から広楔形を示す。紙質で、全縁ときに3~5 浅裂し、側脉は3~4対あり、上面は無毛に近く、下面は褐色の軟毛があるか、または脉上のみ有毛である。葉柄の長さは0.5~4.5cmで、褐色の軟毛がある。
 集散小花序が複成して頂生の円錐花序をなし、通常下垂して、少数または多数の花をつける。各花に大または小さい苞をつけるが、有毛で早落性である。花序の総柄の長さは2~7cmで褐色の軟毛がある。花は短梗をもち、がくは鍾状で長さ3~6mm、 頂端は全縁または4個の小さい牙歯があり、外面に細軟毛を密布し、2~数個の黒色盤状の腺体をもち、内面は無毛である。花冠は黄色を呈し、長さ2~5cmで、喉部以上で急に拡大し、2唇形をなし、上唇は全縁、下唇は大きくてさらに3裂する。外面に伏毛 を散生し内面に密毛がある。雄ずいは4個の2強雄ずいで、花糸に腺毛を密布する。子房は無毛で4室があり、花柱は繊細、柱頭は不同長に2裂する。石果は卵形、倒卵形で、黄色を呈し無毛である。
 樹が小さいので、材の利用は小器物などの雑用材と燃材程度である。根は民間薬となり、葉は水に粘性を与えるのに用いられることがある。樹は東南アジア各地でときに植栽され、しばしば生垣に利用されている。  
10.ビロードヨウラク
 ビロードヨウラク(マレーキバナヨウラク)Gmelina elliptica J.E.SMITH(異名Gmelina villosa ROXBURGH)はインドのニコバル諸島、ビルマ、マレーシア地域、フィリピン、モルッカ諸島、ミクロネシアのパラオ島に生ずる。英名はcommon bulang、マレーでbulang、bulangan、bulang gajah、bulang kechil、パラオでkalangabardという。
 高さ8mまでの蔓性の常緑低木ないし小高木で、樹皮は淡灰色を呈し僅かに割れ目が入る。腋生の短い枝には長さ1.3cmまでの刺をもち軟毛がある。葉は楕円形、卵形で長さ2~10cm、幅1.3~6.3cm、鈍頭またはやや鋭頭、基部は円形から楔形を呈する。膜 質で、全縁、側脉は2~3対、下面は灰白色を呈して細軟毛があり、また基部に微小な腺体をもつ。葉柄の長さは0.6~5cmで細軟毛を被る。
 頂生する総状花序は長さ7.5cmまでで、軸に細軟毛を生じ、早落性の葉状の苞をつける。花は明るい黄色を呈する。がくは鐘状で長さ約10mm、4~5浅裂し細軟毛を布き、片側に5~6個の平たい緑色の腺体をつける。花冠は鐘形で、下方の筒部は長さ約1.3 cmで細く、その上でまくれて長さ2.5~5cmの開張部になり、4裂し、外面に褐色毛を布く。果実はほとんど球形で径は2cmほど、熟して黄色を呈し漿質である。蟻が住みつく。
 材の気乾比重に0.54~0.57の記載がある。果実をシロップにして結核の内服薬に、またリウマチの外用薬にする。  
11.Gmelina oblongifolia ROXBURGH
 Gmelina oblongifolia ROXBURGHはインドのベンガル東部産の高木である。葉は卵形ないし長楕円形、花は淡紅色で、石果は熱して鮮紅色を呈する。  
12.Gmelina palawensis H.J.LAM
 Gmelina palawensis H.J.LAMはミクロネシアのパラオ島に固有で、現地名をbrachiosという。
 中高木で、小枝は平滑である。葉は卵型、倒卵型または楕円形で長さ10~15cm、幅5~8cm、鈍頭、基部は広い楔形を示す。全縁、側脉は4~5対あり、葉柄の長さは5~8cmである。
 集散小花序が複成した円鍾花序を頂生する。がくは鐘状で頂端は全縁、花冠は淡紫色を呈し、鐘形で径は約lcm、5個の裂片は長さが不同である。雄ずいは花筒の基部につき、5個と記載されている。子房は4室である。果実は漿質の石果で、倒卵形、長さ は2.5cmほどである。
 材は白色を呈し、木理は通直、緻密で割れにくい。現地で建築に用いる。  
13.Gmelina lignum-vitreum GUILLAUMIN
 Gmelina lignum-vitreum GUILLAUMINはニューカレドニア産の高木である。J.ILIC:『CSIRO Atlas of Hardwoods』に材の顕微鏡写.真があるので、それより二、三摘記する。
 散孔材。道管は単独および放射方向に小道管を介在してちょうちん状に10個までが接続する。分布数は15~23/mm2である。単独道管の断面形は広楕円形などで、道管の径は0.05~0.23mmを示す。せん孔板は水平ないしやや傾斜し、単せん孔をもつ。チロ ースを含む。
 材の基礎組織をなす繊維は繊維状仮道管と考えられ、少数の隔壁をもち、その径は0.01~0.02mm、壁厚は0.003~0.005mmである。
 軸方向柔組織では、周囲柔組織は0~1ときに2細胞層であり、ターミナル柔組織と思われるものは放射方向に2~4細胞層、また少数の単独散在の柔細胞がある。柔細胞の径は0.015~0.03mmである。
 放射組織は1~3まれに4細胞幅で、単列のものは少なく、2~20細胞高である。その構成はほぼ同性で、軸方向の両端1層の単列部はおもに丈が高く長さが短い大型の平伏細胞、他の大部分は通常の小型の平伏細胞からなる。  
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