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ヤナギ

解説
写真

ヤナギ科。日本に分布する。ヤナギとは、ヤナギ属に属する樹木の総称である。楊柳と表されるように、 ヤナギには楊の字もあてられるが、 中国では、シダレヤナギに代表されるヤナギ科ヤナギ属のものを柳、 ヤナギ科ハコヤナギ属ものを楊と、区別して使われことが多い。
ハコヤナギ属のヤナギとは、ドロノキヤマナラシなど、いわゆるポプラの仲間をさす。楊柳ともに湿地を好 む落葉性の高木あるいは低木である。
ネコヤナギは川べりに生える落葉低木で、雌花の白い綿毛がネコを思わせることから、この名がつけられた。
コリヤナギの名は、その枝が今は 懐かしい「柳行李」の材料であったためである。

奈良の大仏殿がある東大寺の参道にはアカメヤナギ(フリソデヤナギ)の巨樹があり、奈良市の保存樹木となっています。

ヤナギ類は、世界で300種 以上、わが国でも30種以上にも及ぶ。しかしおおかたの人がまず 連想するのはシダレヤナギであるだろう。文学小説などではほとんどの場合シダレヤナギを指している。

文学

ヤナギを取り上げた小説とその数

作家 小説名 箇所計
宮沢賢治 鳥をとるやなぎ 40
幸田文 37
夏目漱石 吾輩は猫である 16
泉鏡花 婦系図 15
新田次郎 アラスカ物語 11
宮沢賢治 十月の末 9
森鴎外 ヰタ・セクスアリス 8
泉鏡花 国貞えがく 8
島崎藤村 藤村詩集 8
島崎藤村 破戒 8
壺井栄 二十四の瞳 7
夏目漱石 草枕 7
高田宏 木に会う 7
宮尾登美子 7
島崎藤村 千曲川のスケッチ 7

ヤナギを取り上げた小説の素敵な文章

森鴎外の「雁」
微かに揺れている柳の糸、その向うの池一面に茂っている蓮の葉とが見える。(46頁)
夏目漱石の「吾輩は猫である 」
「むっとして弁じましたるかな、かね」と迷亭はあいかわらず飄然たる事を云う。(86頁)
尾崎紅葉の「金色夜叉 」
弱りし心は雨の柳の、漸く風に揺れたる勇を作して、(515頁)
島崎藤村の「桜の実の熟する時 」
青い柳の葉を心ゆくばかり嗅いだ。(68頁)
泉鏡花の「国貞えがく」
門の目印のと共に、枝垂れたようになって、折から森閑と風もない。(116頁)
永井荷風の「ふらんす物語 橡の落葉」
水の中(うち)見よりはの大樹生じて、道の上にまで、その長き枝を曳きたり。(280頁)
岡本かの子の「食魔」
堤の芽出しの煙れる梢に春なかばの空は晴れみ曇りみしている。(231頁)
宮沢賢治の「楊の木」
けれどもいまでもまだ私には、楊の木に鳥を吸い込む力があると思えて仕方ないのです。(411頁)
川端康成の「古都」
ほんとうにしだれ柳である。みどりの枝が、地につきそうに垂れて、いかにもやさしい。(52頁)
林芙美子の「放浪記」
所詮、私と云う女はあまのじゃくかも知れないのだ。柳は柳。風は風。(242頁)
井上靖の「天平の甍」
早春の陽を浴びて伊水(いすい) の水は温(ぬる)み、河畔のは生暖かい風にゆったりと揺れ動いていた。(53頁)
三島由紀夫の「金閣寺」
大そう聡明な一本の大きなが、濡れそぼった葉を重たげに垂らし、みずからに霧に揺られながら、現れたりした。(232頁)
宮尾登美子の「寒椿」
年も二十一の盛りとあって匂い立つわほどのあでやかさ、が歩めば花がもの云う、などと譬える人もあって、(291頁)
藤沢周平の「闇の穴」
柳の新葉が一せいに風にひるがえり、まぶしいほど目を弾(はじい)た。(112頁)
樹形
富田林市内
ヤナギの巨樹
奈良公園(東大寺のアカメヤナギ)のアカメヤナギ
ウィーン植物園 2015年9月26日
ドロノキ旭川 永山開拓年保護樹 1998年8月8日
・この木に関する俳句やなぎ

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