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  5. 小説: 抗夫
小説と木
  1. マツ 7箇所
  2. エンジュ 1箇所
  3. スギ 1箇所
  4. ヒノキ 1箇所

夏目漱石の小説「抗夫」に出てくる樹木や木製品

この小説の初出は1908年、文庫本におけるページ数は263ページ
ページ 元樹種 掲載樹種 掲載言葉
5 マツ 松の方で 此方(こっち)がいくら歩行(あるい)たって松の方で発展してくれなければ駄目な事だ。
5 マツ 松と睨めっこ いっそ始めから突っ立ったまま松と睨(にら)めっこをしている方が増しだ。
5 マツ こうやたらに松ばかり並んでいては歩く精がない。
5 マツ こう松ばかりじゃ所詮敵わない
5 松原 松原 さっきから松原を通ってるんだが、松原と云うものは絵で見たよりもよっぽど長いもんだ。
5 松原 松原 さっきから松原を通ってるんだが、松原と云うものは絵で見たよりもよっぽど長いもんだ。
7 下駄 俎下駄 とうとう親指の痕(あと)が黒くついた俎下駄(まないたげた)の台まで降(くだ)って行った。
7 下駄 俎下駄 自分が親指にまむしを拵(こしら)えて、俎下駄を捩(ねじ)る間際には
8 マツ 松が厭(あき)るほど行列している然(しか)し足よりも松よりも腹の中が一番苦しい。
8 マツ 松が厭(あき)るほど行列している然(しか)し足よりも松よりも腹の中が一番苦しい。
20 床几 床几 と木皿を、自分の腰を掛けていた床几の上へ持って行った。
20 床几 床几 木皿が床几の上に乗るや否や、自分の方で先ず一つ頬張った。
20 木皿 木皿 神さんは忽ち棚の上から木皿を一枚おろして、
20 木皿 木皿 と木皿を、自分の腰を掛けていた床几の上へ持って行った。
20 木皿 木皿 木皿の隣へ腰を掛けた。見ると、もう蠅が飛んで来ている。
20 木皿 木皿 自分は蠅と饅頭と木皿を眺めながら、どてらに向って
20 木皿 木皿 自然と手がまた木皿の方へ出たから不思議なものだ
20 木皿 木皿 木皿が床几の上に乗るや否や、自分の方で先ず一つ頬張った。
26 マツ 大きな黒松の根方 大きな黒松の根方のところへ行って、立小便をし始めたから、
33 床几 床几 すると長蔵さんは、勢いよくどてらの尻を床几から立てて、
42 松原 松原 その所有者は長蔵さんであって、松原以来の声であると云う事を悟った。
45 天秤棒 天秤棒 中には長蔵さんのような袢天(はんてん)兼けんどてらを着た上に、天秤棒さえ荷(かつ)いだのがある。
49 松原 松原 さっき松原の掛茶屋を出てから、今先方までの長蔵さんは
62 スギ 杉檜 尤もこれは日の加減と云うよりも杉檜の多いためかも知れない。
62 ヒノキ 杉檜 尤もこれは日の加減と云うよりも杉檜の多いためかも知れない。
62 一本立 一本立 あの山は一本立だろうか、または続きが奥の方にあるんだろうかと考えた
62 松原 松原 松原へかかっても、茶店へ腰を掛けても、汽車へ乗っても、
76 橋板 橋板 実際自分はこう突然人家が尽きてしまおうとは、自分が自分の足で橋板を踏むまでも思いも寄らなかったのである。
77 木下闇 木下闇 木下闇(こしたやみ)の一本路が一二丁先で、ぐるりと廻り込んで、先が見えないから、
77 薄暗い林の中 顔は始めのうちはよく分らなかったが、何しろ薄暗い林の中を、少し明るく通り抜けてる石ころ路を
85 木下闇 木下闇 よくも見えない木下闇を、すたすた調子よくあるいて行く。
89 黒い木 右も左も黒い木が空を見事に突っ切って、頭の上は細く上まで開ているなと、
91 立ち木 立ち木 おおいと右左りに当ったが、立ち木に遮られて、細い道を向うの方へ遠く逃げのびて、
92 木も山も その反動か、有らん限りの木も山も谷もしんと静まった時、
94 敷居 敷居の溝 ことによると、敷居の溝に食い込んだなり動かないのかも知れない。
94 敷居 敷居 敷居の上へ足を乗せて、こっちを向いて立った股倉から、
94 この男はたとい地震がゆって、梁が落ちて来ても、親の死目に逢うか、
98 敷居 敷居 長蔵さんが敷居の上に立って、往来を向きながら、ここへ泊って行こうと云い出した時、
108 黒ずんで、凄いほど木を被かぶっている上に、雲がかかって見る間に、
108 木の色 木の色が明かになる頃は先刻の雲がもう隣りの峰へ流れている。
109 木も山も 立ちながら眺めると、木も山も谷もめちゃめちゃになって浮き出して来る。
110 いつの間にか木が抜けて、空坊主になったり、ところ斑の禿頭と化けちまったんで、
112 木造 木造 そうして、所々に家が見える。やっぱり木造の色が新しい。
130 大工 大工 シチュウは早く云うとシキの内なかの大工みたようなものかね。
133 階子 階子段 その勢いで広い階子段を、案内に応じて、すとんすとんと景気よく登って行った。
136 藪から棒に 藪から棒に だから、この悪口(あくたい)が藪から棒に飛んで来た時には、こいつはと退避む前に、
137 板挟 板挟 自分は普通の社会と坑夫の社会の間に立って、立派に板挟みとなった。
144 小さい飯櫃も乗っている。箸は赤と黄に塗り分けてあるが、
144 剥箸 例の剥箸(はげばし)を取り上げて、茶碗から飯をすくい出そうとする段になって―
144 指の股に力を入れて箸をうんと底まで突っ込んで、
144 この仕損(しくじり)を二三度繰り返して見た上で、はてなと箸を休めて考えた。
144 飯櫃 飯櫃 小さい飯櫃も乗っている。箸は赤と黄に塗り分けてあるが、
144 棒に振って 棒に振って 見栄も糸瓜(へちま)も棒に振って、いきなり、お櫃からしゃくって茶碗へ一杯盛り上げた。
144 木地 木地 色い方の漆が半分ほど落ちて木地が全く出ている。
144 お櫃(はち) 見栄も糸瓜(へちま)も棒に振って、いきなり、お櫃からしゃくって茶碗へ一杯盛り上げた。
146 木唄 木唄 すると今度は木唄(きやり)の声が聞え出した。純粋の木唄では無論ないが、自分の知ってる限りでは、まあ木唄と云うのが一番近いように思われる。
146 木唄 木唄 すると今度は木唄(きやり)の声が聞え出した。純粋の木唄では無論ないが、自分の知ってる限りでは、まあ木唄と云うのが一番近いように思われる。
147 木唄 木唄 その代り木唄――さっきは木唄と云った。
147 木唄 木唄 その代り木唄――さっきは木唄と云った。
148 木唄 木唄 しかしこの時、彼らの揚げた声は、木唄と云わんよりはむしろ浪花節で咄喊(とっかん)するような稀代(きたい)な調子であった。
149 杉丸太 杉丸太 細い杉丸太を通した両端を、水でも一荷(いっか)頼まれたように、
149 早桶 早桶 金盥と金盥の間に、四角な早桶(はやおけ)が挟まって、山道を宙に釣られて行く。上
150 棺桶 棺桶 一荷の水と同じように棺桶をぶらつかせて
157 階下段 階下段 口々に罵りながら、立って、階下段を下りて行った。
157 そうして、森(しん)としている。
157 生きてるのか、死んでるのか、ただ森としている。
161 二本の棒 まるで感覚のある二本の棒である。
163 敷居 窓の敷居 窓の敷居へかけて、帆木綿のようなものを白く渡して、その幅のなかに包まっていたから、
164 この柱 するとそこに柱があった。自分は立ちながら、この柱に倚(よ)っ掛った。
164 するとそこに柱があった。自分は立ちながら、この柱に倚(よ)っ掛った。
166 階下段 階下段 下から五六人一度にどやどやと階下段を上あがって来る。
166 草も木も と云っても見えるものは山ばかりである。しかも草も木も至って乏しい、潤いのない山である。
167 四斗樽 四斗樽 真中に四斗樽(しとだる)を輪切にしたようなお櫃(はち)が据えてある。
167 来たなと思ったが仕方がないから懐手をして、柱にもたれていた。
167 真中に四斗樽(しとだる)を輪切にしたようなお櫃(はち)が据えてある。
168 と、箸も置かない先から急せき立てる。
178 松原 松原 岩へぶつかって眉間から血が出るに違ないと思うと、松原をあるく様に、
184 足を棒 足を棒のように前へ寝かして、そうして後へ手を突いた。
188 丸太 丸太 見ると丸太の上に腰をかけている。数は三人だった。
188 丸太 丸太 丸太は四つや丸太まるたで、軌道の枕木くらいなものだから、随分の重さである。
188 丸太 丸太 丸太は四つや丸太まるたで、軌道の枕木くらいなものだから、随分の重さである。
188 丸太 丸太 その上に二人ふたあり腰を掛けて、残る一人が屈(しゃがん)で丸太へ向いている。
188 突っかい棒 突っかい棒 これは天井の陥落を防ぐため、少し広い所になると突っかい棒に張るために、
188 枕木 枕木 丸太は四つや丸太まるたで、軌道の枕木くらいなものだから、随分の重さである。
188 木の壺 木の壺 そうして三人の間には小さな木の壺がある。
190 丸太 丸太 やがて、四つや丸太の上へうんとこしょと腰をおろして、
197 箕は足掛りの板の上に落ちた。カカン、カラカランと云う音が遠くへ落ちて行く。一
198 踏板 踏板 これでさえ踏板が外れれば、どこまで落ちて行くか分らない。
198 穴の手前が三尺ばかり板で張り詰めてある。自分は板の三分の一ほどまで踏み出した。
198 穴の手前が三尺ばかり板で張り詰めてある。自分は板の三分の一ほどまで踏み出した。
199 板が折れても差支なく地面へ飛び退けるほどの距離まで退いた。
202 段木 段木 そうして握り直すたんびに、段木(だんぎ)がぬらぬらする。
202 梯子 梯子 猿の仕事である。梯子が懸ってる。
202 こちらの壁にぴったり食っついて、棒を空にぶら下げたように、
204 段木 段木 初さんの影は網膜に映じたなり忘れちまったのが、段木に噛りついて眼を閉るや否や生き返ったんだろう。
204 段木 段木 そこでぬるぬるする段木を握り更かえ、握り更えてようやく三間ばかり下がると、
205 梯子 梯子 仕方がないから、自分はまたこの梯子へ移った。
205 梯子 梯子 するとまた逆の方向に、依然として梯子が懸けてある
205 梯子 梯子 新しい梯子はもとのごとく向側に懸っている。
205 梯子 梯子 自分が六つめの梯子まで来た時は、手が怠くなって、
213 桟道 桟道 自分は蜀の桟道と云う事を人から聞いて覚えていた。
213 桟道 桟道 この梯子は、桟道を逆に釣るして、未練なく傾斜の角度を抜きにしたものである。
213 桟道 逆桟道 もっともこれは逆桟道の祟だと一概に断言する気でもない、
218 段木 段木 と云うから、礼を云って立っていると、初さんは景気よく段木を捕えて片足踏掛けながら、
218 梯子 梯子 幾分か背の重みを梯子に託する事ができる。
219 梯子 梯子 自分は七番目の梯子の途中で火焔のような息を吹きながら、
219 梯子 梯子 できるだけ前の方にのめらして、梯子に倚(もた)れるだけ倚れて考えた。
220 段木 段木 両手で握った段木を二三度揺り動かした。
220 段木 段木 自分は歯を食い締って、両手で握った段木を二三度揺り動かした。
220 梯子 梯子 梯子を一つ片づけるのは容易の事ではない。
220 梯子 梯子 ――梯子の下では、死んじゃ大変だと飛び起きたものが、梯子の途中へ来ると、
220 梯子 梯子 ――梯子の下では、死んじゃ大変だと飛び起きたものが、梯子の途中へ来ると、
220 梯子 梯子 自分が梯子の下で経験したのはこの第二に当る。
220 梯子 梯子 ところが梯子の中途では、全くこれと反対の現象に逢った。自
222 梯子 梯子 梯子の途中で、ええ忌々しい、死んじまえと思った時は、
222 梯子 梯子段 しかしこのくらい断乎として、現に梯子段から手を離しかけた、
223 段木 段木 ぬらつく段木を指の痕のつくほど強く握った。
223 梯子 梯子 仰向と、泥で濡れた梯子段が、
223 梯子 梯子 カンテラは燃えている。梯子は続いている。梯子の先には坑が続いている。
223 梯子 梯子 カンテラは燃えている。梯子は続いている。梯子の先には坑が続いている。
224 梯子 梯子 すると鼻の奥が鳴った。梯子はまだ尽きない。
224 梯子 梯子 梯子の通る一尺幅を外れて、がんがらがんの壁が眼に映る。
224 梯子 梯子 それでも――梯子はまだある。
224 梯子 梯子 ただ登り切って、もう一段も握る梯子がないと云う事を覚った時に、
225 梯子 梯子 何でも梯子の上でよっぽど心配していたらしい。
225 梯子 梯子 「気分が悪い? そいつあ困ったろう。途中って、梯子の途中か」
226 大きな黒松の根方 大きな黒松の根方のところへ行って、立小便をし始めたから、
234 藪から棒 藪から棒の質問 自分は藪から棒の質問に、用意の返事を持ち合せなかったから、はっと思った。
246 木も庭も 家はさほど見苦しくもないが、家のほかには木も庭もない。
248 エンジュ 大きな槐 右へ上と斜に頭の上に被さっている大きな槐の奥にある。
254 ごろ寝は寒い、柱へ倚(よ)り懸(かか)るのは苦しい。
254 通り柱 通り柱 又は昨夕(ゆうべ)の通り柱へ倚(もた)れて夜を明そうか。
255 柱の所 そうして昨夜の柱の所へ行った。柱に倚りかかった。
255 そうして昨夜の柱の所へ行った。柱に倚りかかった。
256 桟を卸す 手を洗って、桟を卸すのを忘れて、
257 木造 木造 木造ではあるがなかなか立派な建築で、広さもかなりだけに、獰猛組とはまるで不釣合である。
265 囲炉裏へ炭を継ものがないので、火の気けがだんだん弱くなって、
265 一枚の板 彼らは自分と共に一枚の板に彫りつけられた一団の像のように思われた。
1460 木唄 木唄 すると今度は木唄(きやり)の声が聞え出した。純粋の木唄では無論ないが、自分の知ってる限りでは、まあ木唄と云うのが一番近いように思われる。
  1. こころ
  2. それから
  3. 吾輩は猫である
  4. 硝子戸の中
  5. 草枕
  6. 文鳥
  7. 夢十夜
  8. 永日小品
  9. 思い出す事など
  10. ケーベル先生
  11. 変な音
  12. 手紙
  13. 坊ちゃん
  14. 三四郎
  15. 二百十日
  16.  
  17. 野分
  18. 抗夫
  19. 倫敦塔
  20. カーライル博物館
  21. 幻影の盾
  22. 琴のそら音
  23. 一夜
  24. 琴のそら音
  25. 薤露行
  26. 趣味の遺伝

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