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小説と木
  1. バラ 10箇所
  2. ヤナギ 10箇所
  3. フヨウ 1箇所

夏目漱石の小説 「薤露行(かいろこう)」に出てくる樹木や木製品

この小説の初出は1905年、文庫本におけるページ数は37ページ
ページ 元樹種 掲載樹種 掲載言葉
153 バラ 薔薇が暗きを洩れて 濃やかに斑を流したる大理石の上は、ここかしこに白き薔薇が暗きを洩れて和やわらかき香りを放つ。
154 バラ 薔薇の香 「贈りまつれる薔薇の香に酔いて」とのみにて男は高き窓より表の方(かた)を見やる。
154 ヤナギ 千本の柳 館を繞(めぐ)りて緩(ゆる)く逝く江に千本の柳が明かに影をひたして、空に崩るる雲の峰さえ水の底に流れ込む。
154 木の間隠れ 河を隔てて木の間隠れに白くひく筋の、
155 バラ 薔薇の香 薔薇の香に酔える病を、病と許せるは我ら二人のみ。
157 バラ 薔薇咲く日 「薔薇咲く日なり。白き薔薇と、赤き薔薇と、黄なる薔薇の間に臥したるは君とわれのみ
157 バラ 白き薔薇 「薔薇咲く日なり。白き薔薇と、赤き薔薇と、黄なる薔薇の間に臥したるは君とわれのみ
157 バラ 赤き薔薇 「薔薇咲く日なり。白き薔薇と、赤き薔薇と、黄なる薔薇の間に臥したるは君とわれのみ
157 バラ 黄なる薔薇 「薔薇咲く日なり。白き薔薇と、赤き薔薇と、黄なる薔薇の間に臥したるは君とわれのみ
157 バラ 薔薇の花 薔薇の花の紅なるが、めらめらと燃え出だして、繋げる蛇を焼かんとす。
159 ヤナギ 河のあなたに烟る柳 河のあなたに烟(けぶ)る柳の、果ては空とも野とも覚束(おぼつか)なき間より洩れ出づる悲しき調と思えばなるべし。
159 木の葉 木の葉隠れ 耳側てて木の葉隠れの翼の色を見んと思えば、
161 フヨウ 芙蓉に滴たる音 曇る鑑の霧を含みて、芙蓉に滴たる音を聴くとき、対(むか)える人の身の上に危うき事あり。
162 森羅 森羅の影 瑩朗(えいろう)たる面を過ぐる森羅の影の、
162 梭の音 シャロットの女の投ぐる梭(ひ)の音を聴く者は、
162 梭の音 蔦鎖(つたとざ)す古き窓より洩るる梭の音の、
162 梭の音のみ 只この梭の音のみにそそのかされて、幽かにも震うか。
163 木枯 木枯の夜 霰(あられ)ふる木枯の夜を織り明せば、荒野の中に白き髯飛ぶリアの面影が出る。
163 梭くぐらせ  恋の糸と誠の糸を横縦に梭くぐらせば、手を肩に組み合せて天を仰げるマリヤの姿となる
163 げたる梭 右手(めて)より投げたる梭を左手(ゆんで)に受けて、女はふと鏡の裡(うち)を見る。
164 ヤナギ 柳も隠れる 今まで見えたシャロットの岸に連なる柳も隠れる。
164 ヤナギ 柳の中を流る 柳の中を流るるシャロットの河も消える。
164 ヤナギ 河も柳も 曇は一刷(いっさつ)に晴れて、河も柳も人影も元の如くに見(あら)われる。
164 梭の音 梭の音ははたとやんで、女の瞼は黒き睫と共に微かに顫(ふる)えた。
164 梭は再び動き出す。
165 ヤナギ 遠柳の枝 鏡の中なる遠柳の枝が風に靡(なび)いて動く間に
165 ヤナギ 柳の木立 十丁にして尽きた柳の木立を風の如くに駈け抜けたものを見ると、
165 松が枝 松が枝 偃蹇(えんけん)として澗底(かんてい)に嘯(うそぶく)松が枝には舞い寄る路のとてもなければ、白き胡蝶は薄き翼を収めて身動きもせぬ。
165 朽ちたる木 朽ちたる木の野分を受けたる如く、五色の糸と氷を欺く砕片の乱るる中にどうと仆(たお)れる。
165 木立 柳の木立 十丁にして尽きた柳の木立を風の如くに駈け抜けたものを見ると、
168 根なし 幹吹く嵐に、根なしかずらと倒れもやせん。
168 木に倚る 木に倚(よ)るは蔦、まつわりて幾世を離れず、
169 戸帳 部屋の戸帳 やがてわが部屋の戸帳(とばり)を開きて、エレーンは壁に釣る長き衣を取り出す。
169 高き櫓を 廂深き兜の奥より、高き櫓を見上げたるランスロットである。
169 廂深き 廂深き兜の奥より、高き櫓を見上げたるランスロットである。
171 杭に焼かるる ギニヴィアの捕われて杭に焼かるる時
172 バラ 白き薔薇 頭には白き薔薇を輪に貫ぬきて三輪挿したり。
180 木枯 木枯の如く 窈然(ようぜん)と遠く鳴る木枯の如く伝わる。
183 バラ 白き薔薇 山に野に白き薔薇、白き百合を採り尽して舟に投げ入れ給え。
183 ヤナギ 柳の裏に 橋の袂の柳の裏に、人住むとしも見えぬ庵室あるを、試みに敲けば、世を逃れたる隠士の居なり
187 櫂操る 櫂操るはただ一人、白き髪の白き髯の翁と見ゆ。
188 ヤナギ 柳は青い。 両岸の柳は青い。
188 ヤナギ 左右の柳 流を挟む左右の柳は、一本ごとに緑りをこめて濛々と烟る。
188 木に彫る 木に彫る人を鞭って起たたしめたるか、櫂を動かす腕の外には活きたる所なきが如くに見ゆる。
188 櫂を動かす 木に彫る人を鞭って起たたしめたるか、櫂を動かす腕の外には活きたる所なきが如くに見ゆる。
189 櫂の手 櫂の手を休めたる老人は唖の如く口を開かぬ。
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  15. 二百十日
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  18. 抗夫
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  21. 幻影の盾
  22. 琴のそら音
  23. 一夜
  24. 琴のそら音
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