1.南方熊楠とエコロジー 和歌山といえば吉宗、熊楠
和歌山を代表する人物というば徳川吉宗、そして南方熊楠と言われますが、
熊楠さんとちょつとだけかかわりがあります。
15年前父が亡くなった時、整理をしていますと、南方熊楠さんの書籍や祖母家族と熊楠さんの
写真等がでてまいりました。
父の母、私の祖母は旧姓羽山季(スエ)と言って、熊楠の親友の
繁太郎兄弟の妹です。
晩年は熊楠さんと親しくさせていただいたとの事です。
私自身も今は亡き文枝様を訪ね、熊楠さんの晩年のお宅を拝見させていただきました。
この資料の中で私は始めてエコロジーという言葉と出会ったのです。
当時はエコロジーというと
パソコンのソフトが有名で、したので、最初は戸惑いました。
写真
南方熊楠
この言葉が明治時代からあったとは驚きでした。
写真:
熊楠さんと羽山家の人々、私の父も子供で写されています。
そして、この思想を広げた人であったのです。
書籍の中にこんな記載がありました。
南方熊楠は、「(用材用のための森と異なり)千百年来斧斤を入れざりし神林は、諸草木相互の関係はなはだ密接錯雑し、 近ごろはエコロギーと申し、この相互の関係を研究する特種専門の学問さえ出で来たりおることに御座候」 (川村竹治宛て書簡)
いろいろ調べたが、日本で最初のエコロジーという言葉を使用した人と思われる。
私の環境について考えるきっかけとなったのは1970年の大阪万国博覧会でした。
当時スタンジナビア館のテーマが公害だったのです。
学生だった私は、正直に言って、おもしろくないパピリオンだと思いました。
たまたまスゥエーデン人の友人ができたものですから、何度が通ううちに、公害の問題が頭に入ったのです。
その後15年前に父の突然の死で、急に社長になりましたが、会社は大変な騒動になりました。
このときに会社の理念を考えなおしたのです。
当然私たちの仕事に使う木材についても考えました。
調べると調べるほど、産業資材として木材は最高のものであることに気がついたのです。
その後セミナーの講師などで木材のすばらしさを伝えていましたが、もっと多くの人に伝えたいと思う気持ちが強くなりました。
そんなときにインターネットの存在を知ったのです。
以来ホームページによる木材のPR をすすめております。
現在平日800人累計54万人の方がサイトを覗いてくださいました。
2.中川家の祖先たちはなぜ林業から遠ざかったのか
私たちの祖先は江戸時代に千葉県から和歌山に来たのですが、
なぜ国内移民をしたのかわかりません。
当時は千葉と和歌山とはいろいろ行き来があったようです。
とにかく、和歌山で蝋燭の製造をしていたそうです。
蝋燭が商売としてダメになるということで、
林業に転換しました。
祖父の時に林業で多少儲けたようです。
写真:
中川計三郎商店として、伊勢大杉谷御料林、奈良高見山、紀州栃谷山等、近畿、中国、四国地区に於て素材の生産業を営む。
これからの時代はもっと消費地に近いとダメということで大阪に店を出し、父が
大阪の店で杭丸太の仕事を定着させました。
写真:
大阪市港湾局に松杭40尺8寸500本納材し、業界を驚かせる。
どうして林業から逃げたのかわかりませんが、
今の林業苦難時代のことを予想していたのでしょうか(笑い)
3.間伐材に勢力をかけた、藤一前社長 なぜ失敗したのか
父は合板先物取引、ログハウス、大阪木材工場団地などに力を注いでいました。
その中でも間伐材については業界と会社のビジネスとして大変な勢力をかけていました。
20年数年前の頃です。
当時としては私たちの会社で大変な負担になる、月々50万円の
デザインコンサルタント費用を払い家電メーカー系の有名な先生にデザインを頼み2年ほど
プロジェクトがしました。
社内でも、森林組合にも試作品をお願いしたりとかさまざまな苦労をしながら、
間伐材の商品を開発しました。
おそらく日本で一番最初だったと思います。
昭和54年ごろからイベントに出展をしだしました。
写真:
大阪国際見本市
しかし、これらの間伐材の商品郡はことごとく失敗しました。
理由は
人材、コスト高、開発費の増大、販売先、基本性能などがありますが、
最も大きな原因は間伐材が持つ性質がまだ当時の日本人に受け入れてもらえなかったという事と
思います。
早すぎたのです。
現在では、技術開発も進みましたし、政府、林野庁のさまざまな
補助があります。
人の環境に対する考えも変わってきています。
4.新素材発見さる 真のエコロジー素材は
毎朝新聞の記事を紹介させていただきます。
木を見直していただけましたか?
5.木のイメージ調査の発表 いつでも普遍、人の感性
木のイメージ調査(有効回答1005名)を20年前におこなった。
同じものを本年に行い1046名の回答を得た
資料
「木のイメージ」アンケート集計結果
基本的に一般の人の木に対するイメージは20年経ても変わらないが、
一般の人と業界人との逆転現象がある。
6.ウッドデッキ、ウッドフェンス 当社の仕事です
当社はおそらく日本で最初のウッドデッキを開発販売したと思います。
当初は大工などから笑われました。
木の使い方、
デッキの木の使い方
濡れ縁の木の使い方 写真:
最初の商品
現在の販売商品グループは
1.当社プランド、
キットデッキ、
2.エクステリア、造園、リフェーム業者様、
3.大手建材メーカー様にOEM販売して
4.当社の下請けし施工
現在の家庭用デッキ
5.大型工事、公共工事
USJの大型デッキ
開発力、技術力は日本の中で最もあると自負しております。
6.USJの仕事大量受注 獲得には和歌山リゾート博覧会での成功が
USJの仕事は、
熾烈な競争でしたが、結果的に屋外の木造施設
工事は私たちの会社でほとんどをさせていただきました。
大変大きなプロシジェクトでしたが、この仕事には和歌山のリゾート
博覧会の
工事受注の経験がありました。
7.USJとディズニーシー どちらがエコ?
いろいろな木で
いろいろな仕事をさせていただきました。
USJとディズニーシー どちらがエコロジーでしょうか 資料
写真ディズニーシーとの比較
このような木の使われ方は日本にとって
あらたな使い方であり、今までよりエコロジーです。
8.木材は環境破壊商品かそれとも環境によい商品か 木材にも環境破壊している木材とそうでないものがある
一般的に言って 先進国の木材は計画的に造林、伐採しているので、環境破壊をしている
ような乱伐はないと考えられます。
しかし
世界一高い木で有名な
レッドウッドなどは、米国の
西海岸の特殊な地域にしか生育しないものが、米国のゴールドラッシュの時期に乱伐されて、
すでにその95%がなくなっています。
現在もわずかながら日本にも輸入されていますが、環境を考えた場合利用を控えるのがよいと、
私たちは判断しています。
南米、アフリカ、東南アジアの木材(特に原木で輸入されるもの)については、エコロジストの
目から見ると、多くは環境破壊をしていると見てまちがいないでしょう。
しかし、この種の問題は複雑なところがあり、それだけをとらえて輸出国を批判することは避け
ねばなりません。
その国の経済、産業、貧困、移民政策などの国内問題などがからみあって
いるからです。
そのような状況で輸入され利用される木材は、安易な使い捨ての家具などに
利用せず、大切に長く利用することが、Co2の固体化にもなり、せめてもの慰めとなります。
木材業者であれば、産地国名や木の種類で、どのような影響のある木かは大体判断する事
ができます。
日本の杉、檜などの間伐材については、利用しなければ、環境破壊に間違いなくなります。
しかし、この問題はちょっとやそっとでは解決されることではありませんが、「緑の雇用政策」の
ように少しづつでも進めないといけません。
参考 米国・レッドウッド国立公園
BIG TREE Chimney treeとレッドウッドの葉
9.これからの環境配慮商品 特に緑の雇用事業に合う商品
緑の雇用事業などが増えてくると思われます。
それににあわせた商品開発を しています。
今までより、製造にかけるエネルギー消費を少なく、 地元の木材を利用して、施工のエネ
ルギー消費も少なく、簡単に施工ができ、 メンテがしやすいものが そのような商品と考え
ています。
当社のエコ商品USJでも数多く利用されました。
USJはスギの間伐材を利用しています。
キーワード
地元の木を利用
加工度合いが少なく、工場設備も費用がかからない
施工が簡単
メンテがしやすい
10.これからの会社のありかた、経営戦略は 会社の内容はその環境負荷指数によってきまる
会社は小さくても、環境負荷係数の少ない会社経営をして、
木材業の見本になるよう頑張ります。
資料
イメージ図
1.企業活動 公共エネルギー ガス、電気、水道、購入物品、動力源、ガソリン、福利厚生
2.扱い商品のエコ貢献度
3.ボランティア
4.利用木材 環境悪化木材と環境良化木材
会社は小さくても、環境負荷係数が年々小さくなるような、会社をめざします。
ご清聴ありがとうございました。