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土止め工
地下構造物を施工する場合、根堀り工事において周囲の土砂崩壊を防ぎ、地盤を安定させた状態で土砂を取り除くために必要な抗土圧構造物である。土止め工は土止め壁と支保工からなり、背面からの土圧と水圧に抵抗できる構造でなければならない。また通常は仮設の構造物であるが、本体構造物の一部を利用する場合もある。
根堀りには3つの方法があり、細長く溝状に掘る布堀り・柱基礎等を孔状に掘るつぼ堀り・全面を一度に掘る総堀りがある。
土止め工法の種類と特徴
土止め壁を分類すると、矢板工法(鋼矢板・木矢板・コンクリート矢板)、親ぐい横矢板工法(H形鋼・I形鋼)、連続地中壁工法(壁式・柱列式)等がある。
鋼矢板工法
連続壁状に鋼矢板を打ち込み、腹越し・切りばりによって土止めする工法。剛性が大きく止水性が良い。しかし一般的な工法では騒音、振動等の建設公害を生ずる。
親ぐい横矢板工法
土止め工法では最も一般的な方法で親ぐい(I形鋼・H形鋼)はめ込み土止めする工法。
連続地中壁工法
地中に鉄筋コンクリートぐいを柱列式又は、壁式に連続打設し連続した地下壁を設ける工法。掘削方式・施工継手の形状により各社の様式がある。
支保工を分類すると、自立式・切りばり式・タイロッドやアースアンカーを利用する特殊式等がある。 親ぐい横矢板工法は、地下水の少ない地盤に適し、土質が軟弱な地下水の多い所では鋼矢板工法が用いられる。但し掘削深さが15m以上になると鋼矢板では施工不可能になる。 ヒービング、ボイリングの対策として十分な根入れを行う。深い掘削(50m位)に対しては、連続地中壁工法が適している。 山止め壁と腹越しの隙間は、コンクリート・くさび(キャンバー)等で充てんし、山止め壁の傾斜や崩壊を防ぐとともに、湧水による山止め背面の土砂の流出が生じることのないようにする。
ヒービングとボイリング
ヒービングとは、軟弱な粘性土質地盤で土留め工を行う場合に生じやすく、掘削背面の土砂の重量が掘削底面の地盤支持力より大きくなると掘削底面が持ち上がる現象をいう。対策として土留め壁の根入れを長くするか、地盤改良を図る。 ボイリングとは、地下水位の高い砂質地盤で土留め工を行う場合に生じやすく、掘削面と水位差によって地下水と共に、湯が沸騰しているかのように土砂が掘削面に流出してくる現象をいう。対策として土留め壁の根入れを長くするか、ウエルポイント工法等で地下水位を下げる。ヒービングやボイリングの現象が起こるおそれのある場合は、根入れの深さが大きくとれる鋼矢板工法が適している。
ヒービング/
ボイリング
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