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新・木偏百樹

くわ

カラヤマグワとも呼ばれる。
中国北部から朝鮮半島が原産。日本へはカイコと共に朝鮮半島を経て奈良朝以前に既に入っていた。温帯、暖帯に広く分布し、本州、四国、九州に生育す る。まれに街路樹としても植えられる。栽培されるものは、たえず刈り取るので低木状になって、クワ畑となつている。
名曲「赤とんぼ」にもクワの実が登場する。中国では、古くからクワを聖なる木とみる信仰があった。四川省の古名は蜀の国。蜀とはカイコを意味する。
日本でも、霊力をもち、また薬効もある尊い樹とみられた。
「桑」の字は、又は手を表し、?で三人の手、すなわち多人数で摘み採られることからクワの葉を表し、木がついてクワの木になった会意(かいい)文字。
名前の由来はいつくかの説があるが、カイコの食う葉という内容の意味。カイコの幼虫が脱皮時を除いてただひたすらに桑の葉を食べて成長する。日夜を とわず食べに食べつづけその噛む音は、凄まじいものでクハ(桑)が「クハ(食)れるもの」の意味するは実感。
江戸時代の中期以降、絹の輸入を抑えるため、国内生産の政策がとられ、以後昭和の時代まで、海外への重要な輸出品は絹であつた。近代日本の経済 発展をもたらせた最大の稼ぎ頭であった。絹はカイコが生み出すが、その餌となるのがクワの葉である。国の養蚕が奨励される、畑にクワが栽培されるよう になった。
そのため50年くらい前までは、日本中の農家でクワが植えられた。葉はハートの形のものと、切れ込みがはいったものとが混ざっている。
木材としての蓄積はきわめて少なく、貴重である。始めは黄色をしているが、年月とともにアメ色に変わる。この色調と木理は重厚な感じがあり、材質は良 好である。江戸指物のうちクワを得意とする人たちを桑物師と呼んでした。御蔵島のクワは、最高とされ、その周辺の三宅島、八丈島のものも良材とされて、 島桑と呼ばれている。産出量は九州が多く、日向産が人気ある。家具、建築装飾材、器具、寄木材に用いられる。樹皮からは光沢のある強い繊維がとれ、 和紙やロープの原料ともなる。黄色染料にもする。 春には、淡黄緑色の単性花を穂条に綴り、夏ごろに赤色から紫黒色の桑椹とよばれる果実が熟し、生のまま食べられる。甘みがあり、ジャムやアイスクリ ームにも加工される。一粒の中に小さなタネが包まれているので、口に入れるとツブツブが残る。
山本周五郎の小説に主従間の友情を取り上げた「桑の木物語」というのがある。内緒で遊んだり、長いだけの人生よりも短くても充実した人生の方が長命 と主君を諭したりする。二人の共通の思い出の木が桑の木だった。庭師には反対されるが、美味しい実が食べられると毎年2本づつ植えるのである。ラスト シーンでは、二人で桑酒を飲みながら実を口に入れるだけ入れ子供のように口の中をいっぱいにしている。
幹は直立して分岐し、萠芽力大、繁殖は実性、接木、取り木、さし木等種々可能である。土壌を余り選ばない。
桑はことわざや伝承も多い。中国の桑畑は愛の巣であり、わが国の桑畑は雷からの避難場所である。現在でも一番つかわれるのは「くわばら、くわばら」だ ろう。似たような話は日本各地にあるが、江戸時代の『和泉名所図会』に、大阪泉北郡の桑原村の話がある。村の井戸に雷が落ち、村人が蓋をして閉じ込 めた。雷を逃がすときに、この地へはもう落ちないと誓約させた。それからは、雷が鳴ると「桑原、桑原」といい、この地に落ちなくさせたという。
学名
Morus bombycis
クワ科
クワ属
英名
Mulberry

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