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新・木偏百樹

くり

日本特産の落葉高木。

暖帯と温帯の中間帯をクリ帯と称するほど普通に生えている。低地から標高1200m辺りまでの落葉広葉樹林に自生。また「栗」の文字がつく地名が全国に あることから、昔から各地に自生していたことがわかる。
クリの語源は、果皮の色からとか、クルクルと実が転がる様子から、朝鮮語のKulからの説などがある。方言名が少ないのは、古くから食料として、日本中 で知れわたっていたからであろう。 時には高さ30m、直径1.5mになるものもある。花は6月頃枝の上方に淡黄白色の長い穂を沢山つけて咲く。雨の日には花穂をつたわる水が花粉をともな って雌花に運ぶので虫媒花(ちゅうばいか)ばかりでなく、雨媒花ともいえるのではないか。花には虫を誘う独得の匂いがあり、むんむんと漂ってくる。甘いと表現されるが、生ぐさい男の 性の匂いに似ている。
奈良時代より神社では鎮守の森があり、さまざまな効果があった。木を建材としてストックするという意味もあり、杉、桧、欅等が多く植えられていたが、クリ も多く植えられていた。クリは建物の修理等に利用する他、飢饉などのには、実が非常食になり大変重宝であった。救慌食物といえば、江戸時代に伐採を 禁じた所が多い。区作が多かった東北地方では、各藩主がこぞって農民にクリの木を植えさせた。自由伐採を禁じた留木に指定した藩もあった
。 青森市の近くの三内丸山遺跡で栗の実や建築の丸太が発見されている。縄文時代の竪穴住居集落の遺跡でクリの実も発見され、直径1メートルのクリの 木は高さが20メートルくらいあったらしい。興味深いのは腐らないように周囲を焼いて焦がしてあった。木材の防腐効果で一番エコロジーなのが、表面を焼 くことである。しかしクリは防腐剤を注入せずに無処理のまま使用する日本で随一のものとされており、その耐用年限は7~9年ある。
明治になってから鉄道敷設の枕木のために多くのクリの木が切られた。職人は数人まとまって1- 2ヵ月単位で山中に小屋を組み、クリの木を伐り枕木をつくった。木がなくなればまた移動する。昭和の初めごろでも行われていたという。
材は耐水性が強いため、家屋の土台、鉄道枕木、湯殿板、船の舵などに最適である。軽い割には強い木なので三角歯の雪下駄にも利用した。椀、盆、また 表面に刀で削っり取ったようにする「なぐり」加工で濡れ縁用等に使用する。イガは、昔天井裏に置いてネズミ除けに用いた。最近は板葺のものはほとんど 見ることがなくなったが、昔はみんな板屋根で、その板は栗だった。板山というのも栗の木の山ということだろう。
早川謙之輔さんの「木工のはなし」(新潮文庫)には、「栗は主流の木にはなり得ない。絶対量が少なく、間に合わない、流通の中でも脇をほそぼそ流れて いる。しかし栗にしかない木味があり、木目があり、年を経るごとの変化があり、好きな木であると書いてある。なるほどよく言い当てておられる。
学名
Castanea crenata
ブナ科
クリ属
英名
Japanese Chestnut

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