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新・木偏百樹

梧 あおぎり

別名は、梧桐(ゴトウ)、蒼梧(ソウゴ)、碧梧(ヘキゴ)、青如浪狸(アオニョロリ)、アオノキ、アオベラ、イッサキ、イサキ、イッサの呼び名があるが、今では青桐を使うのが普通である。
中国原産で寒さに弱いため、日本では仙台市以南に分布する。成長が早く高さ20m、幹の直径60cmにもなる。昔から庭園樹として知られ、近年は公園樹、街路樹としてもなじみ深い木である。
和名のアオギリは、樹皮が青緑色で葉が桐に似ているからとの説が多いが葉は似ず、カエデ、クワ、イチジク、ヤッデなどに似ている。樹皮は老木になると灰白色の横じまが多くなる。 6~7月に枝の先にクリーム色の星状毛を密生した円錐花序を頂生する。桐の美しいうす紫の花に比べると、見劣りがする。果実は袋果状になり5個の各心皮は成熟前に裂開して舟状になり、その緑にナンテンの実より少し大きい実つける。 庭園樹では、早く成長するため、もてあまされることもある。枝はあまり下枝を出さず、上部で数回枝わかれして、多少ほうき状になり、階段状に出て小枝は太く、ポッキリ折れることもなく、幹はまっすぐで、樹皮は平滑なので子供の木登りに最適である。私の子供の頃、大阪西区の自宅にこの木があり、弟たちとよく遊んだ。ひとりが登ったところで、水をかけると、大変すべりやすくなり、いつまで我慢ができるのかを競っていた。
また、中国では文人の庭には欠くことのできないほど重要な庭園材料で、めでたい木であり、鳳凰はアオギリの林に棲み、竹の実を食べていると 信じられていたという。「梧下[アオギリ造りの机の下の意]」、「梧右[ごゆう]」など手紙の宛名の脇付に書く言葉があるのもここからだろう。 英名のフェニックスツリーはアオギリと鳳凰の関係から霊鳥フェニックスに表現したものだろう。 一般に誤解されているのが、吉祥[きちじょう]のしるしや花札の「桐と鳳凰」は桐ではなく、あおぎりのことである。
「一葉落ちて天下の秋を知る」 中国の古典の淮南子[えなんじ]、のことわざがあるが、意味は青桐の葉が落ちるのを見て、すでに秋の気配を知ることから、小さなできごと、わずかな前兆 を見て、やがてやって来る大事や全体の動き、大勢を察知することのたとえ、転じて、権力者の衰亡のきざしのたとえをいう。これはあおぎりが他の木よりも早く落葉するからである。
さまざまな用途に利用され、緑色の樹皮は強くなめらかなことから、縄、布、馬具、ムシロに、またその粘性物質は和紙製造の添加物にもされた。成長がよいのでパルプ材にも利用されている。木工としては軽く柔かいので加工しやすいが、狂いやすく、耐久性が低いので、良材とはいえない。また、 戦時中はコーヒー豆の代用としてアオギリの実を用いたが、昔から食用に供せられている。タンパク質や脂肪が多く、ナッツの味で、ビールや酒のつまみによく合う。 葉や樹皮には利尿作用があり、リュウマチや高血圧に特効があるといわれている。
学名
Firmiana Plataniholia
アオギリ科
アオギリ属
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英名
Phoenix Tree、Chinese Bottle tree、Chinese Parasol Tree、Japanese Varnish Tree

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