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新・木偏百樹

あかめがしわ

別名は、赤芽柏(アカメガシワ)、五菜葉(ゴザイバ)、菜盛葉(サイモリバ)、味噌盛葉(ミソモリバ)、 アカガシワ、アカベ、アカメ、アカメギリ、ワカラカシワ、ショウグンボク、カシワノキ、アカメノキなどと呼ばれる。万葉集に数首うたわれているヒサギは、この木の古名である。
中国東北部から日本列島、台湾、朝鮮に分布する。山の崩壊地や荒地、山地の伐採された跡にヌルデなどと共に真っ先に出芽する先駆樹種である。しか し後にシイ、カシなどの常緑樹が生長して高くなると、陽樹のこの木は枯れていく運命にある。 植物の生まれ方にもさまざまなものがあるが、この種子は、生命力が強く、種子の寿命は 100年にも及び、樹の下に落ちた種子は、発芽条件が整うまで、長い年月、土の中で耐え続けている。そして、30度超える温度が数時間つづくと、発芽するようDNAにインプットされている。そして成長は早いかわりに寿命は短いのも宿命となっている。 若葉が鮮紅色になることと昔から食物を盛るのにこの葉を使用したので、かしわに似た若芽の赤い木というので、“あかめがしわ”の名がある。 葉は互生し7-20cmで卵型やいろいろあるが、三裂の形は若木に多い。 実は染料に使用し、あせも、湿疹に、乾燥葉200~300gを布袋につめ、それを風呂に入れて入浴するとよい。
樹皮には苦味質のベルゲニン、フラボン配糖体、タンニンなどが含まれ、樹皮を乾燥させたものは生薬名「将軍木皮[ショウグンボクヒ]」と呼ばれ、胃潰瘍 、十二指腸潰瘍に利用される。新鮮な葉汁は腫れ物の痛み止めなどの民間薬に使われる。 アカメガシワは方言名を最も多く持つ樹木のうちのひとつである。若葉の紅色から、「アカメ~」タイプで、どちらかといえば東の方に多い。「~カシワ」タイプは西日本が多い、これは食物を盛る葉の意味がある。
同様に五菜葉[ごさいば]、菜盛葉[サイモリバ]などのように「~葉」のタイプ、その他「~シバ」、「~カシ」「~ガラ」「~ダ」などがあり、その由来さえもわから ないものもある。 以前住んでいた豊中の実家にも父はこの木を十本ばかり植えていた。5月頃になると色あせて薄緑色の大型なべっとりした葉になってくるので、父は切ってしまおうかどうか何度も迷っていたが、そのままにしていた。そして、翌春には、また新しくきれいな葉をたくさんつけてくれていた。
明治に出版された「大日本有用樹木効用編」には材は箱、盆、その他器具類を作るには最も上質と書かれていた。
しかし、現在では良材ではないということになっている。 それでも建築材として、樹皮を剥き、磨いて床柱に利用したり、杵[きね]、下駄、そして木耳[きくらげ]の榾木[ほたぎ]に利用される。
この材は墨が滲まないので塔婆に使う地方もある。

学名
Mallotus japonicus
とうだいぐさ科
アカメガシワ属
英名
Japanese Mallotus

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