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新・木偏百樹

やまぐわ

山桑、クワ系以外の方言名がないのは古代から養蚕が行われ、日本書記にも見ることができるぐらいである。また五木の一つでもあったほど生活にかかわってお り、全国にひろがっていて、方言の生まれる余地がなかったのだろう。
高さ10~15mだが、通常見かけるものは3-4m程度のものが多い。日本に野生し、北は北海道から日本全土、朝鮮、中国、ベトナム、ビルマ、ヒマラヤ、イ ンドまで分布する。 ヤマグワの名前は山に生えるクワの意味で、クワは蚕が食う葉から、食葉(くわ]、また 蚕葉(コハ]の意味のある胡葉(コハ]から転じてクワになったという。どちらも蚕(カイコ]が食べる葉の意味で、蚕とこの木とが切っても切れない縁だったのだろう。
古名はツミで、葉を摘むところからきていると言われている。当時の文化人にもっぱら利用されていたが、一般にはクハが使われていた。万葉集には柘(ツミ]で4首の歌に詠まれているが、そのうち3首は柘枝(つみのえ]伝説と呼ばれる仙女物語についてである。
古(いにしえの]打つ人の無かりせば此処もあらまし柘(つみ]はも 若宮年魚麻麿(わかみやのあゆまろ] 吉野川に梁(やな]をしかけて鮎をとり生活をしていた若者が、あるとき、流れてきたヤマグワの枝を持ち帰ると、それは若い美女となった。夫婦となり、老い ず、死なずの生活をしていたが、ある時突然その美女は常世(とこよ]の国に飛び去ってしまったという話。
ヤマグワの葉は卵形や切れ込みがあるものなど、まったく別種のようなものがまざっている。花は4、5月頃に咲く。実はクワイチゴと呼ばれ、緑から赤にそ して、熟する8月頃に紫黒色になる。赤い時には渋くて食することはできないが、熟したものは甘くて水分も多くて美味しい。
材の心材は黄褐色、辺材は淡黄白色、黄褐色と淡黄白色のコントラストが見事である。 床柱や床板、額縁、三味線の胴、彫刻に用いる。鏡台はよく使われ、碁石を入れる碁笥(ごけ]にはヤマグワが一番よいと言われている。如鱗杢(にょりんもく]、玉杢(たまもく]、などの美しい杢をと味わいのある色と組み合わせて化粧的な用途に高級品として人気がある。
畑に植えている中国原産のクワを日本原産のヤマグワと区別するため唐桑[カラグワ]、真桑[マグワ]と呼んでいる。「ヤマグワ」は「カラグワ」と比べ葉の鋸 歯が尖っていること、子房に長さ約2.5mmの花柱が浅く分れていることである。1027
学名
Morus bombycis
クワ科
クワ属
英名
Japanese Mulberry

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