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新・木偏百樹

やまならし

箱柳(ハコヤナギ)、シロヤナギ、シロキ、ホトケギ、
高さは25mにもなる。本州、四国、朝鮮半島などのやや乾燥した陽地に生える。浅根性なので風害をうけやすい。
ポプラはヤマナラシ属
の樹木の通称であるが、明治以後にアメリカから渡来し北海道などに定着したセイヨウハコヤナギを指す場合もある。ヤマナラシはわが国の固有種だが 、同属にはドロノキ、アスペンで有名なヨーロッパヤマナラシ、ギンドロと呼ばれるウラジロハコヤナギなどがある。
ポプラ類の材は白く軟らで、昔は小箱ぐらいしか用途がなかったのが、マッチ産業が始まると、最適の軸木となり、一躍世界中で重視された。そのため、各国 で乱伐にあい、蓄積が激減してしまった。第2次大戦中の木材不足に悩まされたイタリアでは、品種改良が行われ、イタリアポプラがつくり出された。 さらに戦後は世界各国で改良ポプラの品種がつくられた。今日、ポプラ材はマッチ軸木のほか、包装材、彫刻、経木、パルプ材などに利用されている。珍し い用途としては、炭が絵画用に適していることや火薬の原料にも使われる。
ポプラの語源はラテン語Populus(人民]で、ローマ市民がこの木陰で集会を開いたといわれ、ギリシア神話ではウラジロハコヤナギを「ヘラクレスの木」とよび、勇気を象徴する 。 「山鳴し」の和名は、葉柄が5cm内外と長く、葉の面と直角に扁平であるため、葉は左右に揺れやすい。風が少し吹くと葉がすれ合ってサラサラと音を立て、 山全体が鳴っているように思えるところからという。しかし実際はそんなにびっくりするほどの音ではない。
宮沢賢治の童話には、樹木が巧みに擬人化されたものが多くある。「まなづるとダアリヤ」の主人公は傲慢で美貌を鼻にかけた赤いダリヤで、引き立て役は おとなしい2本のダリヤ、そしてまなづるだが、ここではヤマナラシが物語の背景として効果的にでてくる。葉のこすれ合う音が効果的に描かれているが、最 後の梢のさやぎは切ないものがある。
先年、民間テレビの放送で、世界遺産・ロシア・キジ島の木造教会というのがあった。ヨーロッパでニ番目に大きいオネゴ湖。その中の小さなキジ島には、古 い木造建築群がある。中でも1714年に竣工されたプレオプラジェンスカヤ聖堂は、釘を1木も使わずに建てられたことで知られる建築物である。髙さ 37メートル、アカマツの丸太組みで、ドームの屋根板はヤマナラシで、40年に一度貼り替えられると放送されていたが、正確には屋根板はウラジロハコヤナ ギだろう。老朽化が進んでいて、観光客は内部に入ることはできない。テレビ取材のためか、特別に聖堂内を見ることができた。
聖書にはポプラが3箇所でてくるが、訳によって変わっている。新改訳では3箇所、新共同訳ではその3箇所がポプラ、はこやなぎ、レバノン杉とそれぞれ変 わっている。創世紀30章37節のはこやなぎはウラジロハコヤナギのことだろう。
最近読んだ小説で湯本香樹実の「ポプラの秋」というのがある。少女と老女を優しく見つめているポプラが描かれている。幸田文の「木」は幸田さんらしいす なおでわかりやすい文章で、最後はポプラで締めくくってある。1321
学名
Populus tremula
ヤナギ科
ヤナラシ属

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