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新・木偏百樹

いたじい

板椎、椎(シイ)、長椎(ナガジイ)、柯樹、スダシイとも呼ばれる。 高さ25m、直径1.5mにもなる。福島県以南の本州、四国、九州、沖縄、済州島に分布するが、標高500~600mを超えると急に少なくなる。暖地の照葉樹林 を代表するで、日本列島に人が住みつく以前は、一面、照葉樹林に覆われていたといわれるように、人家の背後の里山から山までに普通に生え、いわゆる 「しいのき林」をつくっていた。日本は照葉樹林文化というように言われることもあるが、現在、シイの原生林は南西諸島などにわずかに残っているに過ぎな い。
イタジイは柯樹(かじゅ)といわれ、柯が使われていた時代もあった。
イタジイのイタの意味は不明で、スダジイのスダも不明、ナガジイは実がコジイなどから比べ長いためといわれている。幹はよく分岐し多くの葉をつけるので 防火、防風、防潮や生垣などの目的で植えられ、また公園に風致樹として植えられる。
関東では江戸時代から屋敷の外周植え防火用にした、関西ではカシが代用されていた。
樹皮は黒灰色で初め平滑だが、しだいに縦に深い割れ目が入る。
ツブラジイは平滑のまま。
開花時期は4月~5月で、葉の伸びるのと同時に花を咲かせ、雄花の穂は長さ5センチで上を向く、虫媒花なので、同じぶな科のクリやクヌギの花と同様 に特有のにおいを強烈に放つ。
イタジイとその仲間のコジイ(ツブラジイ、マルジイ)のあわせてシイと呼ぶこともある。
この二つの樹木の違いははっきりとあるが、中間的なものもあり、わかりにくい場合があるので、総称としてシイと呼ばれてきたようだ。
古くはマテバシイ等も入れていた。
イタジイの群落は普通沿岸地に見られるが、イタジイはコジイより暖い所を好むが面白いことに、その北限はコジイより北によっている。
「シイ」の実は日本では農耕文化以前には重要な食糧源であった。実は、他のドングリと異なり渋味がなく、やや透明な白色で、薄い甘味があり、食べられ る。市場や縁日で売られていることもある。実は生でも食べられるが、たくさん食べると便秘になりやすいのでたいていは炒って食べる。どんぐりの中で一番 おいしい。森の実の味だ。パンの中にいれてもおいしい。味はイタジイはコジイより劣る。
木材としては乾燥がうまくできないと、表面、内部の割れ、狂いの出やすい木で人気のあるものではないが、船を漕ぎ進める櫓に古くから利用されている。 炭材としてはイタジイは上質でカシ級であるが、コジイは劣る。枕木はイタジイ、コジイとも使われるが、コジイはイタジイに比べると劣るといわれている。樹皮 にはタンニンが多く、魚網を染めるのに使用する。
千葉県袖ケ浦市では昭和46年にイタジイを市の木として制定している。
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学名
Castanopsis sieboldii)
ぶな科
シイ属

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