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新・木偏百樹

あずさ

別名は、梓峰榛(アズザミネバリ)、水目(ミズメ)、水芽(ミズメ)、 夜糞峰榛(ヨグソミネバリ)、アズサカンバ、キササゲ、ミズメ、ミズメザクラなどと呼ばれる。 漢名の梓は中国産のトウキササゲのことで本来は別の木である。本州の岩手県以西、四国、九州の山地に広く分布しているが、まとまって生えていることはなく、比較的散らばり、蓄積量は多くない。東北の日本 海側、房総半島と伊豆半島にはあまり見ることができない。

別名のミズメは 折ったり、傷をつけると、透明な水がしみ出ることからからよばれている。この樹液には香りがあり、子供の頃の運動会前に足に塗ったサロメチールの匂いがする。そしてこの匂いは決して臭いとは思ったことがなかったが、昔の日本人にはこの種の臭いは悪臭であり、夜糞峰榛(ヨグソミネバリ)という名がついたという。
また、中国では古くから印刷の版木に梓を利用していた。それで梓には「版木に彫って印刷する」という意味があり、出版するという意味の上梓(じょうし)という言葉がここからでた。 梓弓で知られるように、弓材として使われ、現存する正倉院宝物の梓弓の木材を削って調査した結果、アズサであることが確かめられている。 万葉集に33首も詠まれているが、樹木のアズサではなく、梓弓として読んだものである。弓は弦を張って引いて使うので、引く、射る、寄るなどの枕詞として用いられている。梓弓は実用の弓ではなく、儀礼用の弓である。大相撲の弓取り式にその伝統が残る。
梓は皇太子さまのお印となっている。お印とは天皇や皇族方が食器や調度品などの持ち物に名前代わりに付ける印章のことで、天皇陛下の お印は「榮」の文字だが、皇后さまは「シラカバ」、雅子さまは「ハマナス」になっている。最近は植物が多く用いられている。
良質の用材で仕上がりがよく弾力性に富み強靭な材。現在の用途は家具、器具、フローリングや敷居などの内装建築材、楽器材。以前よく利用されたもの は盆、漆器、木地・ガラスの木型・柄類・三味線の棹・琵琶の胴・算盤の枠、櫛、傘の柄、写真機の暗箱などに使われていた。木材の保存性は低く、辺材は ヒラタキクイムシの害を受けることがある。 カバノキの類は、店などではサクラと呼ばれていて、誤解を招くことがあるが、アズサも木材業界ではミズメザクラと呼ばれ、サクラ材の家具と販売されているものもミズメザクラが多い。 靴の木型は30年くらい前からプラスチックに変わってきているが、まだ木にこだわる靴職人も多い。靴は木型のフォルムがコピーされるので、デザイ ンのすべてとなり、靴の命である。木型は靴の美しさを作るのと同時に足の健康を左右する重要な役割がある。職人が靴を作るとき、木型にアッパーをかぶせてつつみ込み底着けをするので、その時、木型は作業台にもなり、この作業台は梓でつくられている。

学名
Betula grossa
カバノキ科 
カバノキ属
英名
Japanese cherry birch

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