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新・木偏百樹

きはだ

黄蘗、・黄柏・蘗木・黄肌・黄木・木膚、黄皮所(キハト)、キワダ、苦木(にがき)、木蘗(わうばく)ヒロハノキハダ、シコロは北海道・東北の方言だが木材関係者でもこういう。
幹は直立し高さ25m、直径1mに達する。
日本全土、朝鮮半島、中国北東部、ソ連アムール地方に分布する。
国内各地の水湿の多い湿気のあるところを好むので、谷間や川辺の肥沃な土地に分布している。
もともと造園木ではなく薬用樹木であるので庭園、公園にはまれだが、アメリカでは街路樹、公園樹などに利用されている。
一般にキハダとして市場に出ているものは、北海道産。江戸時代には薬木として保護され禁伐の命令を出した旧藩もあったので明治維新当時は相当の 大木が各地にあったが薬用として次第に乱伐され今では山奥でなければ大木は見つからない。それほど蓄積の多い樹種ではにない。
材はやや軽軟で、切削などの加工は容易であるが肌目は粗いので仕上げ面はあまり良くない。乾燥の際に狂いが出ることがある。材はあまり強くないが 水湿に対する抵抗力は栗についで強い。水に強いので枕木や、建築では土台、流し場の板などに使われることがある。幹の外皮はコルク質で、水をはじく 性質があり、古くは束ねて漁網の浮きとして使った。
材は独特の色であるがくすんだ暗い色であまりきれいとはいえない。家具材、建築内装材にも用いられるが上級ではない。ただ色と木理がややクワに似て いるので鏡台、針箱、茶箪笥などにクワの代用材として使われる。そのほか各種器具材、経木、寄木、薪材としての用途がある。銘木としては古くからクワの 代用として、床柱・床框・落とし掛け、床板、棚板などに使われていた。また、樹皮の独特の美しさから皮付の床柱として賞美されている。
アイヌ民族はこの樹皮をはいで木皮舟を作った。木の皮の舟で、樹皮に熱を加えて曲げ、つるでしばって作ったという。さらに染料としての利用も古く、普通 染めるのが難しい木綿でも、わりと簡単に鮮やかな黄色に染まるが、紫外線には弱いようだ。
昔からの和薬は明治以降西洋の薬におきかわってしまったが、現代もなお需要のある薬の1つがキハダ。
内皮は鮮黄色で熊の胃(本当は肝臓)に例えられるくらい苦い。
それが胃薬に使われる。
民間薬としては打身の際に、内皮の粉末を小麦粉と酢を合わせて練って湿布するとなおりが早いとされ、同様の方法は神経痛にも効くといわれる。
奈良県吉野、高野山地方の陀羅尼助(だらにすけ)はキハダの樹皮、黄柏を水で浸出し、その水を蒸発してつくった乾燥エキスである。時にはつやをつけるために煮出すときにアオキの葉を加 えることもある。
古来健胃整腸薬として庶民の健康に役だってきた。「陀羅尼助」のダラニとは、梵語の経文のひとつであり、難解で長文なので、これを唱える僧の睡気を おさえるため これを口に含みながらお経を唱えたという。
それで陀羅尼を助けるという意味でこの名前をつけられたのが由来だという。
6月には枝先に黄色の細かい花を円錐花序につけるが、高い枝につくので、あまり目につかない。
雌株の方では、10月頃に青黒いぶどうの粒のような丸い実がなる。香りが強く食べると苦いがこの実をシコノヘイと言い、駆虫薬として使う。
学名
Phellodendron
ミカン科
キハダ属
英名
A mur cork tree

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