154.カヤ(榧)

解説 イチイ科。 常緑針葉高木。日本、朝鮮に分布する。木理は精。 比重は0.53。直径2m。
心材は褐黄色、辺材は黄白色。
心辺材の区別はやや不明瞭。年輪の幅は狭く、波状を呈する ことがある。独特の匂いがある。やや重硬で、弾力に富む。 耐朽・保存性は高く、水湿に耐える。加工は容易。樹脂分が 多いので経年変化が美しく、独特なしぶい黄金色になる。
カヤでつくった碁盤・将棋盤は最優秀とされ、ことに日向 と奈良県春日山産が名高い。
旧来の製法でゆっくり乾燥 させると、伐採から製品になるまで10年かかるといわれる 関東以西の山地に自生し、寺社の境内にも植えられ、しばしば 大木となるイチイ科のカヤに似たイヌガヤはイヌガヤ科に 属するまったく別の樹木である。
2列にならんだ葉は、カヤは 触るととげのように痛いが、イヌガヤは痛くないので区別がつく。
カヤは秋に、楕円形の2-3㎝ほどの緑色の実を結び、紫赤色に変化する。 種子は食用にもなり、良質の食用油や整髪油がとれる。 かやの木にはかならずしも実がなるわけではない。
いちょうと同じでかやのきは雌雄異株なので、雌株にしか実がつかない。
食べれるのはこの実の中にある15-20ミリぐらいのナッツのような核果で、 この実のまわりにある仮種皮は厚く、昔はこれを絞って油とし、食用や 明かりに利用していたらしい。本山荻舟著の「飲食辞典」では、カヤの油は 「芳香軽談で、てんぷらに好適するとして賞美される」とある。
また、炒って食することができるが、少し難しいところもある。 かやの実のまわりがすじ状にくびれていて、いくら丁寧にむいても、渋皮が 少し残り、そのため渋味がするのである。アーモンドの焦げすぎたものといった 感じと食べた人の話。このような渋味を取るのは、実を土に埋め、皮を腐らせ、 そのあと蒸し器で蒸す、あるいはあく汁に数日つけておく必要があるという。
淡黄色の材は堅く美しく、加工も容易なため、建築材・木具材・工芸用などに 広く用いられる。
とりわけ、柾目が通った大材のカヤの碁盤・将棋は最高級品と して賞用されるが、これは榧材で作った碁盤は、石を打っても肩がこらず、 盤 面もしばらく置けばへこみが再び元へ戻る不思議な特性があるからである。

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カヤの葉
裏から撮影
榧(カヤノキ)葉
樹形
榧(カヤノキ) カヤの原生林  韓国済州島 カヤの原生林
上2枚 カヤの原生林 韓国済州島 2004年9月26 日
表皮
榧(カヤノキ)葉樹皮
大阪市立大学附属植物園 2012年4月7日
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