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新・木偏百樹

ゆずりは

譲葉、交譲木、楪、杠、槐
高さ4~12m、直径60cmくらいになる。本州[福島以西]、四国、九州におよび朝鮮半島南部から中国暖帯に分布 海岸線から離れた内陸の山地に自生する。近年は公害防止、工場緑化、環境緑化木としての需要も多く苗木生産も行われている。萌芽と落葉を入学と卒 業にかけて学校で記念樹にもされる。
葉は長さ10~25cmの長楕円形で、全縁で枝の先端部に束状になってつく。葉表は光沢のある深緑色、裏は白緑色。冬になると太くて長い葉柄がことのほ か赤く美しくなる。葉身と枝とは緑色なので、色のコントラストがあり目立ち、ユズリハは全く冬の植物であること思わせる。特に葉を上から見たときには車輪 のスポークの赤と車輪の葉みたいでハッとさせられる。
「和漢三才図会」に「譲葉木」とあり、「重修本草綱目啓蒙」には「交譲木」とある。
ユズリハは、5月ごろから新葉が開きはじめ、そして8~9月に新葉がすっかりそろってから、これを見届けるかのように、古葉が落ち、新旧の交替が極めて 明確に行われる。そこでユズリハ[譲り葉]の名が生まれた。葉の形状から弧を描く葉の形を弓の弦にたとえたユズルハ[弓弦葉]という説もある。
ユズリハの葉を正月飾りに用いる風習があり、別名ショウガツノキとも呼ばれる。
古くは、「延喜式」に、新年や大嘗祭の折にこの葉をもちいたという記録も残っている。これは新旧の葉の鮮やかな交替にちなんで、旧年から新年への移り 変わりも、鮮やかでありたいという願いをこめたものであろう。季語も新年。
譲る性質はユズリハに限ったことではなく、マツ、スギ、のような常緑樹の大部分がそうである。おそらくユズリハは常緑のはっきりした青々とした葉を持ち、 葉柄との色のハデさからこの木に名づけられたのと思う。 新葉と旧葉の交代を、子が成長し親が譲る世代交代にたとえてめでたい木として、この木の葉が正月の縁起物としてダイダイやマツ、ウラジロとともに飾ら れることになったのであろう。父はよく会う人ごとに、ユズリハの代替わりの話をしていた。息子の私に早く事業を譲りたいと思っていたのだろう。今私は後を 継いでいるが、その姿は父は知らない。
各地の新年にまつわるわらべ歌では「お正月さま」と呼び、遠くからやってくる神さまということになっている。この時、正月の神さまが利用する乗り物がユズ リハの葉であったり、ユズリハを笠にしてやってくる。「お正月さんがござった ユズリハに乗って ユズリユズリござった」と似たような歌が歌われている。
4-5月ころ、新葉とともに枝の先の葉えきから花柄を出し、緑黄色の小花を総状花序につける。雌花には、10- 11月ごろ、球形で黒味のある藍色の球形の実がなる。黒紫色の実は、小鳥が好んで食べるから、その種子が遠くまで運ばれるだろう。
学名
Daphniphyllum macropodum
トウダイグサ科またはスイカズラ科
ユズリハ属

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