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新・木偏百樹

むくげ

木槿、ハチス、キハチス、古くは蕣(きはちす]、木蓮(きはちす]といっていた。
学名は シリアの ハイビスカスという意味があるが、シリアが産地ではない。中国原産で、広く世界の温暖帯に植栽される。風通しと日当たりのよい所を好む。ムクゲは生長 が早、少々切花に使っても木が傷まない萌芽力のある木である。
平安中期の和名抄に記録があるから日本へは奈良時代頃には伝わっていたようで、平安時代には垣根としてよく植えられていた。江戸時代には多くの園 芸品種が育成されている、最近ではアメリカで品種改良が進み、新しい品種が日本にも導入されている。
ムクゲは漢名の「木槿(モクキン]」。槿は片木へんに菫と書く、古代の中国では舜(しゅん]と呼ばれていたように花の短さ、瞬時の花としてとらえられていた。同様に菫は少ないという意味で、ムクゲの花の命の短さを表している 。
ムクゲの名は漢名の木槿(モクキン]から転訛といわれてきた。しかし最近では、韓国語の「無窮花( mugunghwa、ムグンファ]」からムキュウゲへの転化説が有力である。
花は夏から秋に葉腋(ようえき]に単生する。毎日、朝に開き夕方には枯れるが、木としての花期は長く、夏から秋の三ヶ月間に次々と咲き続ける。
白い花はサラダや酢の物、てんぷらにして食べられる。美味いというわけでもない、赤い花は苦いそうだ。樹皮はつよく幹や枝はしなやかで折れにくい、江戸 時代には紙に漉いてコウゾの紙に勝ったという。 ムクゲには南国情緒を感じる、ハイビスカスの仲間だろうか。また、ムクゲはその花から両極端のイメージを受ける。花の性質から、「槿花一日の栄」など の諺がある。人の世の栄華のはかないことのたとえを言っている。そのため花展などでは、あまり好んで使われない。そのためか、太宰治の最初の創作集 「晩年」の「めくら草紙」の中で「ネムノキ、サルスベリ、キョゥチクトウ、--省略--みんな好きです。ただ木槿だけはきらいです。」と主人公に言わせている。
サルスベリ、キョウチクトウ、とともに夏を代表する三花木のひとつだが、今ではこの木のことを知らない人も多い。
しかし茶人は逆にこのひとときの命を茶花の真髄とし、愛好している。花の少ない夏場、茶道の世界では欠かせない花である。特に、白花底紅の宗旦ムクゲ は利休の孫の宗旦が好んだ品種で、茶花として好まれる。
日本と異なり韓国での扱いは大きい。国花(白花]になっているし、国の異称を「槿域」ともいう。また国歌も、愛国歌(エーグッカ]で、4番まで歌詞があり、各一番ごとに「ムクゲの花、3000里、美しい山河」のフレーズが出てくる。
埼玉県秩父郡皆野町には「ムクゲ自然公園」があり、色とりどりの10万本のムクゲの樹がある。
学名
Hibiscus syriacus
アオイ科
フヨウ属
英名
Rose of Sharon

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