+--------そのことを「大樹深根」という言葉で表現してみますと、中川藤一様、それは正にあなたにふさわしい形容ではないでしょうか。
同じ木材業界にあって、いろいろとご指導を賜りました私は、今、あなたのご遺徳を偲びつつ、その偉大なご功績の数々を申し述べるべきでありますが、それは多くの同業者の皆様が述べられることと存じまして、私は、敢えて、ビジネスとは無縁のロータリアンとしてのご活躍に想いを馳せてみたいと思います。
大阪東R・Cに所属している私にとって、あなたは、ロータリアンとしても大先輩でございましたし、あなたの所属された大阪西R・Cとは、いろいろな行事でも特にご昵懇にして頂きました。
ロータリアンの神髄は、何よりも自らの職業を通して社会に奉仕することにありますし、特に陰徳を積む地味な仕事であります。
中川藤一様、あなたは永年にわたり、天性の指導力と不屈の実践力で素晴しい奉仕活動を続けられながら、常に控え目の謙虚な態度で終始してこられました。
あなたは卓抜せる指導力を認められ、名門の大阪西R・Cにあって、一九七八~七九年度に幹事の要職を務められた後、一九八四~八五年度には会長として、その重責を立派に果されたのであります。
さらに、一九八七~八九年の両年度には地区米山奨学委員長に推挙され、卆先垂範、黙々として、海外からの留学生達のお世話をされてこられたのであります。
自らの高邁な人格を、恰かも、地中深くにしっかりとした根を張って、天高く聳える大樹の幹を支えるかの如く、私利私欲にとらわれずに超然として、彼等の滞在留学生活の開花結実に精魂を傾けられたことに対して、私はここに深甚なる敬意を表したいと思います。
中川藤一様、あなたには、米山功労者およびポール・ハリス・フェローという永久尊称が与えられておりますが、これは、あなたが積極的な民間外交を孜々として推進してこられた尊い陰徳に対して授けられた栄誉であります。
中川藤一様、私たちは、先に竹田平八様という偉大な指導者を失い、今また、あなたのような巨星墜つ悲嘆に暮れておりますが、あなたの遺業は、未来永劫に後世へ語り継がれていくことと確信しています。
中川藤一様、どうぞ安らかにお眠り下さい。
そして、私たちが新しい大樹の育成をなしとげることができますように、あなたの御霊によってお守り下さい。
合掌