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リグナムバイタ

リグナムbg-stampbg-stampbg-stampbg-stamp描いた切手
リグナムバイタ
バハマ
1993
リグナムバイタ アルバの切手
アルバ諸島
1997
リグナムバイタ 切手
ドミニカ国
1979
バルバドス リグナムバイタ
バルバドス
2005
リグナムバイタ
英領バージン諸島
1978
リグナムバイタ セントビンセント
セントビンセント
1984

切手、写真ともクリックで拡大します。

解説
ハマビシ科(zygophyllaceae)学名はGuaiacum officinale、現在では主にGuaiacum sanctumが利用されている。
和名は癒瘡木、ユソウボク、ユウソウボク、緑檀、グアヤク、グアヤック、アイアンウット、ウッドオブライフ 英語市場名はLignam-Vitae、各地の名前はIronwood(アメリカ)、Porkholz, Pokhout(ドイツ)、Bois de Gaiac(フランス)、Lignum Sanctum(フェルトリコ)、Guayacan(スペイン)、Guayacan negro、Palo santo(キューバ)、Lignum Vitae(セントビンセント)、Palosanto(中・南米)Guiacumwood、 Guaiacwood、Guajacun、Guayacan blanco、Guayacan cillo。Gaiac femelle、Holywood、Holywood Lignum-vitae、Roughbark Lignum-vitae、 世界一重たい木として有名なリグナムバイタですが、驚くべき性質を持っていて、近年まで代用品のない木材でした。
木材業界人であれば日本のイスノキやオノオレカンバなどより重たい事は理解しています。しかし、世界一重たい木とは言い切れないところがあります。それは個体差によるバラつきがあるからです。例えばウバメガシの比重は0.85 ~1.23ですが、リグナムバイタは1.12~1.37です。だから「世界一重たい」ではなく「最も重い木のひとつ」との表現をさせて頂きます。
樹木 
リグナム・バイタとは「生命の木」という意味で、その名の由来は、16世紀に初めて発見された頃、その樹脂が万病に効くと信じられていたからです。バハマの国木。
常緑でかわいい5弁の紫色の美しい花を咲かす木です。葉は対生につき、長さ2.5~3センチ、幅2センチ。樹高3~-4メートル、高いものでも15メートル、胸高直は30~35センチ程度と熱帯では比較的小さい樹木です。そして生長も遅い。用材として直径が75-300mm、長さがせいぜい3mまでの、短い丸太で取引されている。一般には木材は体積当たりの価格取引ですが、産地でのこの木の取引はこの木の重さで取引されています。 量的に算出されないので、日本では銘木の類になってしまっており、後に述べる環境問題もあり木材資源としては期待出来ません。
分布
フロリダ南部、西インド諸島など、メキシコ、グァテマラ、ホンジュラス、ニカラクア、コロンビア、ヘネズエラなどの海岸地域に産します。しかしフロリダ南部、西インド諸島では枯渇し、中南米でも少なくなってきています。現在では市場材を供給出来るところは少なくなっています。
事実IUCN(国際自然保護連合)のレッドリスト(1994年版)では絶滅危機「Endangered(EN)」とされ、絶滅寸前ではないものの、近い将来、野生絶滅のリスクが高い。成熟木が少なく、連続的減少が観察、予期、推論されるとしている。
また、ワシントン条約の附属書Ⅱ(国同士の取り引きを制限しないと、将来、絶滅の危険性が高くなるおそれがある生き物)に掲げられていて、輸出入には、輸出国の政府が発行する許可書が必要となります。
木材
特徴のある性質のため明治時代に出た文献のなかに、すでに解説が出ています。一番の特徴である重さについては「世界で最も重い木材のひとつ」ということでよく話題にされます。気乾比重は1.12~1.37でナラと比べて約70~80%重い。また極度に堅く、英国の林産物研究所では、英国のオークの3~4倍堅いとされています。
リグナムバイタは単に最も堅く重いので知られているばかりでなく、自己給油するほとんどただ一つの性質を持っている特殊で貴重な木です。材は十分に油または樹脂を含み、ベアリング用途などに長らく使われてきました、また摩擦から発火したりするもともなく、給油の必要はありません。金属などと摩擦すると100℃以上の熱で木材中から“ガヤック”と呼ばれる樹脂が滲み出て来て、それが潤滑剤の働きをして、金属との間でベアリングの役割をはたします。この性質を利用して、船舶のスクリューのシャフトのベアリング材として、昔から利用されています。板に桶のように丸い形にくりぬいてシャフトをぴったり包むようにしてはめ込みました。
腐朽や虫害にはきわめて抵抗力ありますが、丸太についてはしばしば長角甲虫(longhorn beetles)による損傷を受けることがあります。木材は耐酸性があります。
材面は手で触れると油の感触(蝋状の感触)があります。肌目は非常に細かく均一で、木理は著しく交錯しています。
わづかに香りがあります、これは材を暖めるか、摩擦した時にのみ感じられるものです。 心材と辺材の色の差は明らかで、心材は木材としては珍しく濃緑褐色で、ときにはほとんど真黒色です。
辺材は一般に狭く淡黄・黄白色である。しばしば多少の縞があり、外気にさらせば暗色になる。丸太は長い間森林中に放置すると、辺材はほとんどなくなってしまいます。バハマ産のバハマリグナム(Bahama Lignum、 G. sanctum)は辺材は非常に広く、25センチの丸太で時々22センチもある。 リグナムバイタ
リグナムバイタ 板目  実際の大きさ32mm× 130mm
リグナムバイタ 柾目と白太(辺材)
柾目と上部は白太(辺材)部分  mm32mm ×130mm
加工 
乾燥は困難で干割れを防ぐように、十分に注意が必要。加工も難しいが、旋作性は優れている。磨耗には極めて抵抗力があるが、衝撃にはもろい。切断は放射状には非常に割り難いが、接線面には比較的容易です。
手用道具では加工は困難、また鋸きや通常の木工機械では、刃を砕く傾向があり、荷重を増して圧力をかける金属用加工機械が必要です。刃の角度が15度を越えないこと。旋盤細工にはすぐれており、磨きは高級感がでます。
用途
先に述べた木造船のスクリューの軸受(bushing block)けやギアなどに用いる。 耐用年数としては3~7年と発表されていた。この用途では他に代用できる木材はなかった。しかし、最近では代替品であるフェノール系樹脂の性能がよくなり、ほとんど使われなくなりました。
滑車の滑車輪として50年間、良好に使えた記録もあります。三孔滑車(航海用)、家具の脚輪などには、理想的なものでした。またビリヤードのボールなどには17世紀初頭から作られていました。またボウリングのボールも古くから使われてしました。かつてはほとんどのボールがリグナムバイタ製でした。今日では、十分な大きさのリグナム・バイタが求めにくいので、他の材料に変わりました。
パナマでは鉄道枕木やドック工事に使用されてきました。
樹脂をグアヤク脂と呼んで薬用、ハーブその他に用いられてきました。昔は梅毒の薬としても有名。グアヤク脂のエチルアルコール溶液のグアヤクチンキはキノコの鑑別に用いられています。
ヤマハ発動機株式会社が公開した情報の中にもリグナムバイタの記載があった。
ヤマハが漁船を始めた頃もリグナムバイターが主流だったが、次第に良質の材料が減り、入手が困難になってきた。良質でない材では温度変化や木材の含有率の減少により、収縮変化が起きて軸に固定されてしまう事があった。これらは素材として保管されている間は含有率が減少しても変形やひび割れを起こすことはないが、いったん加工されると、含有率の水分保護が無くなってしまい、材料の寸法が狂ってしい困ったとのこと。また製品として利用すると異常摩耗が発生し、短時間で交換しなければならないこともあった。そして良質材料の入手が困難になるら従って原価も次第に上昇したとのことで、何かと苦労されたようだ。実験研究の結果 
代替え素材として注目したのがプラスチック系の素材ですが、現在は超高分子ポリエチレンが定着しています。
化学物質が開発されるつい最近まではリグナムバイタに頼っていたようすがよくわかります。
樹形
リグナムバイタの樹形
タイ チェンマイ 植物園近くのホテルBotanic Resortにて 2008年10月16日
リグナムバイタの樹形 ハワイ フォスター植物園 
ハワイ フォスター植物園 Foster Botanical Garden 2014年7月5日
リグナムバイタの花 リグナムバイタの花 リグナムバイタのつぼみ
上3枚 ハワイ フォスター植物園 Foster Botanical Garden 2014年7月5日
リグナムバイタの葉
タイ チェンマイ 国立シリキット王妃植物園 Queen Sirikit Botanic Garden 2008年10月16日
リグナムバイタの葉 リグナムバイタの葉
▲▲ ハワイ フォスター植物園 Foster Botanical Garden 2014年7月5日

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