ちょっとおかしな木のおはなし

絶対にやってはいけない「家庭でできる木の実験」

実験その1木材の中にはどれぐらいの水が含まれているのだろう

私の長男が小学生の頃、夏休みも終わりになった日、「夏休みの宿題(自由研究)ができていない」と騒ぎ出しました。

家内は「自分のことは自分で悩みなさい」と言う態度でありましたが、父親としては、自分の過去を思い出しているようで不憫のあまり、早速協力してやることにしました。

しかし、いかにも親がやったと言うのがミエミエと言うのもまずいし、おまけに与えられた時間は今日一日と言うか、もうすでに夕方、数時間でできる夏休みの自由研究のテーマなんぞそう簡単に出てくるものではありません。

しかしここで私の頭の中に木材の人工乾燥工場を見学した時に見た高周波乾燥機の説明で「まあこれは電子レンジの親玉みたいなものですな・・・」と言うフレーズがよぎりました。私の家の台所にあるのはそれの子玉の方ですが、まごうことなき電子レンジ。

「フーンこれを使って自由研究と言うのができないか?」テーマは決まりました。
木材を持ってくる、それの最初の重さをはかり、紙の上に木を置いて、その廻りを鉛筆でなぞり、木の外形を控えておく、そして電子レンジに入れて乾燥して5分後、10分後の経過を記録していく。
私は会社からセコイア(レッドウッドと呼ばれている公園等に使われる耐久性のある木です。

この木を選んだことが後でとんでもないことになった理由の一つだったのですが・・・)の150mm立方体を持って来て、それを電子レンジに入れてみました。
5分経過、木材が暖かくなって中から湯気が出てきます。
んー、なかなか良い感じです。

さらに5分、もう5分、えーぃめんどくさい、10分単位じゃと、次第に乾燥していく木材を電子レンジに入れるのは未知への挑戦、もう半ば快感と言う境地です。
すでにその頃、息子は眠気のため意識朦朧としておりましたが、ともかくこれで木材の中の水はすべて追い出したというところで木材の重量を測り(当初の半分の重量になっていました)、木の外形を鉛筆で画用紙になぞり(1cmぐらい収縮していました)、自由研究をまとめると息子は足を引きずるように2階の自分の部屋へ寝に上がっていきました。
しかし継続は勇気なり、私はさらにもう10分のチャレンジに木材を送り出したのです。

私もちょっと休憩とばかりにトイレに行きまして、トイレから出たその瞬間「シュッバー」と言う音ととも電子レンジの中からすさまじい勢いで黒い煙がジェット噴流のごとく噴出し、あっと言う間に台所は暗黒の世界に変わってしまいました・・・・・。


分かったこと:
1.木材の中に水は半分ぐらい入っていた
2.木材の中の水が全部出た後さらに電子レンジでチンすると中からこげてしまう
3.その煙の排出スピードは恐ろしいものであった
4.レッドウッドの木から出た水と煙は樹液と混合して電子レンジの中を真黒にする
5.それは拭いても取れない

結果:
電子レンジを買い換えることになった

追伸:
ちなみに息子は学校の先生から「研究内容がすばらしい」と皆の前で絶賛されたそうです

実験その2:木の楽器の音色はなぜ良いのだろう

情報1.ものの本より:ストラジバリウスのバイオリンの音色が良いのは製作者が良いとか、使われている木の性質が良いとか、塗装しているニスが良いとかの理由よりも、長い年月のおかげで木が均一に完全に乾燥したからである。

情報2.NHKの放送より:ストラジバリウスのバイオリンを弾いた女性バイオリニストが曰く「It's powerful!」
情報3.学生時代にクラシックギターの先生が私のギターを見立ててくれた時に曰く:「このギターだったら年月経てば、木が枯れて、良い音を出すようになりますよ」

状況1.私は木製のリコーダーを持っています(中学の時に音楽の時間で使う、たて笛と言う奴ですがプラスチック製ではなく木製です)。
心斎橋のヤマハで買ったのですがドイツ製でこれが又きれいな音を出すのです。

状況2.ところがこの木製のリコーダーはしばらく吹いていると、音がきれいに出なくなるのです。
しかし、しばらく置いておくと又、元の音に戻ります

考察1.プラスチックのリコーダーは音が途中から音が悪くなることはないので、木製のリコーダーの場合は唾液が木材の中に吸収され、それでリコーダーの音に対する共鳴がしにくくなるのではないか
考察2.一旦乾燥されている木材の中に後から入った水は結合水としてではなく、自由水として簡単に外に出ることができるので比較的短時間に音が回復するのではないか
推論1.もしここで電子レンジで高周波乾燥処理すれば、含水率が高くなったリコーダーは短時間に木材の内部から乾燥し元の状態に戻るのではないか
推論2.電子レンジによって木材の結合水までを木の中から抽出することにより、名器と呼ばれるまでに、百年、二百年と時間をかかった楽器をごく短時間に作れるのではないか

かくて・・・・・この世紀の大発見の前に私は悩みました。
もしこれが実証されたら、オーケストラの楽屋では電子レンジのチン、チンと言う音がこだまするようになり、良い楽器と言うもの、いや良いオーケストラというものが家電メーカーの影響下に置かれてしまうのではないか、もしそうであるとすると私のしていることは音楽に対する侮辱ではないのか。
この段階の私の悩みは神の領域に手をそめた遺伝子学者のそれと同一でした。
しかし今回もやはり「知りたい」と言う欲求を止めることは出来ませんでした。
私は台所に家族のいないことを確かめると、しばらく吹いて音の悪くなったリコーダーを電子レンジの中へ、5秒だけだから・・・・「チン。
」少し暖かくなったリコーダーはすばらしい音になっていました。
あともう5秒だけ・・・・「チン。
」それはそれはすばらしい、音に張りがある、一口で言うと「パワフル」なのです。
私は見つけた!!!!!・・・・・・と、急に音が悪くなった、少し心配になりながらもう一度「チン。
」少し音は戻りましたが何となくおかしい。
すぐに音が悪くなってしまった。
「ええぃ反抗するか。
」、「チン。
」この頃になると、もはや音色の問題でなく完全に音程が狂い出していました・・・・

分かったこと:

1.木の楽器の音色は木材の中の水分が非常に影響している
2.その含水率は電子レンジでも調整は可能である
3.しかしその時は楽器の音程の安定が犠牲になることは覚悟せねばならない

結果:
1.一度でも「チン。
」された楽器は、持ち主に非常な不信感を抱き二度と元の状態には戻ろうとしなくなる

追伸:
知り合いの音楽家曰く「中川さん。
楽器ちゅうもんは、そんな無茶したらあきまへんで!」
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