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月に行ったらいいことあるよ。 2月25日

 テンバーヌ村の小学校の先生と話す機会があった。その先生が言うように(訳すと)
「ここはまだ森ですから・・・」と言うだけあって、大自然、周りはみんな緑色である。
この小学校の一番の悩みは、みんな大きくなるに従って勉強しなくなる。ということだった。入学人数が80人なのに卒業してゆく子供が40人、その後中学・高校へは10人が進学。大学へ行ったのは一人だそうだ。たとえば、「月に行ったらすばらしい地球がみれるよ。だから、一生懸命勉強しなさいね。」と言われたら、なんて言いますか?
「はあ?別に行きたくない。」
「行くのが怖いわ。」
「コーヒーでも飲みながらテレビで十分!」
「そんな勉強するよりも、明日のバーゲンに行きたい。」
まあこんなところだろうか?中には、
「母ちゃん!おれ宇宙が見たい。」と言う子どももいるだろう。でも、
「そんな、アホな話してる暇があったら部屋を片付けなさい!」とやられる。
「月に行ったら・・・・」感覚で「勉強したら・・・」を村で言い続ける。それは先生も子ども出来たらいいのだが、村には出来ないムードがあるらしい。
ある日パタッと子どもが来なくなる。そして、家庭訪問。
「この子が行きたがらないのですよ。」と母。その後息子は、
「お母さんがもう、4年生だから行かなくていいって言ってる。」というあべこべの返答がいつもらしい。子どもは行きたいが、親はもう十分遊ばしたから家を手伝ってほしいのだ。これが本当にかわいそうだと先生は言う。
「子どもはね、学校楽しいから行きたいのですよ。」お金がないのではないらしい。奨学金も4年生までは70人、5~6年生は14人と政府から援助が出ているらしい。危険を冒して、家族と離れて月から美しい地球を見るよりも、地球で家族のそばで暮らし結婚して子どもを抱く方がいい。周りがどっと月に行かないと、だれも行かないだろう。
ここの村人にとって「勉強する」ことはまだまだ自分たちの生活に入ってない。
この村で生活するにはまだまだ必要ないのだ。 でも、町から市へ、そして都会へ行くほど進学率もぐんとあがる。
しばらくの間、「別に月に行かなくっても、十分すごせるよ。」そんな感覚だろう。
子どもに対して、保護者に対して、友達に対して、そしてボランティアなどを通して何かをいっしょにする時に独りよがりにならずに、十分相手の話を聞くのが大事だなあと思う。でないと、とんでもないことをしているかもしれない。ちょっとふり返って「してたかも?」と思ってゾッとした。

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