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木材流通

第3章 流通経路及びポジション

森林組合が製材加工を行う場合に考えるべきこと

以上のことを考えると森林組合が製材所を作って、自分たちで製材加工までをやろうという時には、よほど慎重に考える必要があるということになります。

 自分たちの森林組合がある地域には、他に産業がなくて過疎化が進行するばかりである、自分たちで製材加工までやらなければ材を買ってくれるところがない、そういうところがあることは事実でしょう。そこで、製材所を作り製材加工をする場合にはデメリットとして一ヵ年一、〇〇〇万円ぐらいの欠損を出すことがわかっていてもメリットとしては製材所に四人なり五人の組合員を定着させることができる、あるいは組合員の中にこの寸法の原木は四mに切るよりも三mに切る方がいいということが分かる人ができて材の価値を高めることができるということであればデメリットは承知で製材加工にも着手するというように、キチンとした見きわめの上でやることが不可欠でしょう。

「国の補助金がもらえるからやってみようか」といった安易な発想では駄目で、補助金で製材所を建てるならば、メリットとデメリットをあらかじめ相談して、例えば村会で「幾ら損をしても工場長は首にしない」といった決議をしてから始めるほどの覚悟が要るでしょう。森林組合で製材をしているところを、私はいままでにそう多く見てきたわけではありませんが、それでも一〇ヵ所位は見ました。私の見た範囲では経営的にうまく行っていないという所が少なくなかったので、山元側の代表である森林組合にぜひとも山林側の生産の担い手として確固たる基盤を築いて欲しいという願いをもって、以上のことをあえて申し上げるのです。

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