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当社はDIY未経験者が製作するウッドデッキを生産販売していますが、木材の樹種はハードウッドのウリン、アマゾンジャラ、イタウバで、ソフトウッドはカナダ産のウェスタンレットジータです。
近年の傾向として耐久性が高いハードウッドが増えたのですが、今年は昨年よりもレッドシダー材を利用したデッキがよく出ます。
そこで今日はレットシダー物語を述べさせていただきます。
この木はアラスカからカリフォルニア州北西部に分布し樹高は50m以上、直径は1~1.25mですので、非常にスマートな木ですね。50mというと日本の最樹高級です。
木材業界では昔から米杉(ベイスギ)と呼ばれた高級材でした。高価だった秋田杉の代替材として米国から輸入されましたが、木目がスギに似ていたためベイスギという名前がつきました。
現在はウッドデッキや内装材としてカナダから輸入されています。当社も直接輸入しています。
カナダ・ブリティッシュ州のシンボルツリーで、原住民の心柱と言われ、精神的な意味があります。トーテムポールに用いられるほか、くりぬいてカヌーに利用され、家財、箱、衣類や矢の軸、お面などにも多用されていました。枝は、水に漬けねじってロープとして利用され、鯨狩りではこのロープの大きいのを使ってしとめた鯨をしばりました。繊維の多い樹皮の内側はおろされて屋根葺き、ゆりかごの敷物、タオル、毛布、クローク(外套)、スカート、ドレスなどに使用されていました。
薬用としても使われ、肺が痛いときにつぼみを噛み、飲み込んだという。また歯痛の薬としてつぼみを噛んだり、つぼみを湯がきうがい薬にもしました。宗教的な利用としては、葉と枝は儀式前に体を清めるのに使ったほか、占い、霊払いなどでは欠かせない存在でした。
まさに万能の木・木材だったわけです。
木材としての特徴は木それぞれに色の違いが大きく、日本の伝統建築では欠点とされていましたが、近年になって、かえってそれが自然で良いというように変わってきました。また節があるものも同様の考えで好まれる事も多いです。
欠点は色あせが早いこと、シロアリに対して強いと言われていますが、普通の木材並です。
長所は耐久性がある、香りがいい、触ると優しくあたたかい、軽いので作業性が良い、加工しやすい、ワレ・ソリが少ない、寸法安定性が良いなどです。そのためウッドデッキ材として最適として急速に普及しました。
しかしハードウッドが市場に出回ってからは、耐久性でより優れているハードウッドが好まれるようになりました。しかし現実はハードウッドは耐久性以外は欠点が多く作りにくいので、お客様はレッドシダーを求める人も再び出てきたのでしょう。
レットシダーの耐久性は設置場所とメンテナンスによって異なります。当社では以前に購入された方、当社施工でのリピートのお客様が多くいて、それらの経験から次のように判断しています。
条件が悪いと4~5年、
多くの方や平均として9~10年、
長く実用的に利用されている方で20年以上
というものです。