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スギの新戦略Ⅱ

地域森林管理編 ―― 遠藤日雄 編著 定価2500円 A5判312頁 2000年6月発行 ISBN4-88965-116-0 先に刊行された『スギの新戦略Ⅰ 住宅市場開拓編』を受け、 "立木価格ゼロ"の苦境に追い込まれている日本の杉林を再生させる道筋を示す。 先進、優良林業地をモデルに機械化、産地づくり、森林認証、公的支援など、 から将来ビジョンを検討し21世紀のあるべき森林管理を描き出している! <執筆者>  遠藤 日雄(森林総合研究所林業経営部経営組織研究室長)  興梠 克久(財団法人林政総合調査研究所研究員)  石崎 涼子(森林総合研究所林業経営部経営組織研究室研究員)  駒木 貴彰(森林総合研究所北海道支所経営研究室長)  尾張 敏章(北海道大学農学部助手)  山本 美穂(北海道大学農学部助手)  高橋 俊一(岩手県住田町林政課課長補佐)  土屋 俊幸(岩手大学農学部助教授)  小林 紀之(住友林業株式会社グリーン環境室長)  佐藤  翼(スミリンエンタープライズ(株)社長、前住友林業(株)山林部長)  速水  亨(林業家・速水林業)  野添 憲治(作家・秋田県能代市在住)

目次

プロローグ  ―スギの利活用と地域森林管理―   (『スギの新戦略Ⅰ 住宅市場開拓編』を受けて  遠藤日雄) はじめに――グローバル化とIT革命の中で 柱角市場では国産材時代が到来 北米産地の供給能力の低下と米ツガの品質低下   「突出安」のスギ柱角供給 国際競争力を高める南九州産地 伐採に対する忌避感の増幅と再造林意欲の低下   グローバル化の中での人工林破壊 「協力の領域」と「市場の領域」の設定 分配の公正には条件が必要   「所有」から「利用」への概念転換の必要性 都市住民、消費者ニーズの反映の必要性   バブル経済期に国内外材製材産地の再編が完了 単品量産方式はバブル経済の発想   プロダクトアウトからマーケットイン方式への転換が必要 インターネットビジネスの戦略確立 「  勝つシステム」の構築に向けて 第1章 わが国の森林・林業・木材産業政策と森林管理(遠藤日雄)  森林政策の足跡を辿り、問題点を考える 林業基本法の目論見とつまずき 森林管理は林業生産に埋没 地域林業政策の登場   中小規模森林所有者は政策の埒外 外材との競争を意識した流域管理システム 流域管理システムの弱点   流域管理システムの弱点克服策としての「三法」 公益的機能発揮を重視した森林資源整備   森林管理と林業生産を分離し多様な担い手を並立 花き団地で考える―基本法林政36年への疑問― 本書の問題設定 第2章 林家と森林管理の現状  第1節 伐採と再造林、造林放棄の実態        ―宮崎県椎葉・諸塚村からの報告―(興梠克久)  はじめに――スギ生産量日本一の地で 林業が主要産業である椎葉・諸塚村 1990年代中頃から主伐面積が急増   拡大造林、再造林も増加傾向 諸塚村は小面積皆伐、椎葉村は大面積伐採が主体 全森林組合員を対象に林家アンケートを実施   林家のスギ・ヒノキ皆伐・再造林の特徴 材価の低迷が皆伐を促している 自家労力の有無が再造林を左右する   収入間伐も自家労力に依存している 1 3の林家が皆伐,再造林に意欲 再造林放棄地への対応が緊急課題   再造林を進める4つの対策 椎葉村「国土保全造林事業」の成果と課題 宮崎県「継承の森林緊急整備事業」の狙い   帯状複層林の導入を推進  第2節 林家が伐採をするとき          ―岩手県住田町からの報告―(石崎涼子)  私有林の実態はどうなっているのか 林家の8割は農家林家 主業は農業、年金収入も多い   「財産保持」から「定期的収入の確保」へ 伐採の鍵を握っているのは林齢 林家の素顔をみる   多くの林家が森林組合主導で伐採  第3節 林業離れと森林放棄         ―3つの調査地比較から実情を探る―(石崎涼子)  林業への依存度が森林管理に影響している 都市近郊・郊外・農山村の比較データから   林業のウェイトはソニア流域>群馬県>足柄地域の順 3地域とも間伐主体、主伐は5%未満   都市近郊林は土地資産化、森林からの収入ゼロも 木材販売収入は「将来の夢」と化した   林業離れ、森林放棄はここまで進行している 農林業のウェイトと森林管理には相関関係がある   世代交代で森林放棄が深刻化する恐れ 地域の実情に応じたサポート体制が必要 第3章 素材業の新しい動き        ―コストダウンと連携の可能性を探る―  第1節 なぜ素材業に着目するのか(遠藤日雄)  日本の農業を「動かす」ものは誰か? 林家=農家以上の「単なる業種」 「企業者」に近い素材業者   素材業の本性にチェック機能を  第2節 高性能林業機械化の現状と課題(駒木貴彰)  導入が急速に進む高性能林業機械 全国で1961台に増加、プロセッサが最多 北海道で高性能機械化が先行したのはなぜか   民間業者が主導、素材生産の一部を機械処理 大規模事業体が主体、オペレーターは社員化の傾向 複数の機種で作業システム   コスト低減、労働力対策を期待しているが…… 最大の問題は事業量の確保、機械のレンタルも望む   生産性は向上したがコスト低減には至らず 事業規模の拡大と作業システムの改善が不可欠  第3節 業務提携で高性能林業機械化に活路を拓く         ―北海道十勝地域・芽室町森林組合―(尾張敏章)  業務提携で成功した芽室町森林組合 芽室町の概況―他のスギ産地とは異なる条件   芽室町森林組合の経営状況―事業売上高は道内で最大 間伐作業にハーベスタを活用   ハーベスタ導入の経緯――主伐と間伐の両立が決め手 事業実行を担う鎌田林業   鎌田林業の作業システム――林内班と土場班が独立 近隣森林組合との業務提携で事業量を安定確保   素材生産コストは2~3割削減 業務提携成立の要因――生産余力とアウトソーシング   雇用問題もネックにならずに近隣組合にもメリット 事業の集中化により好循環に、販路も確保   高性能機械の利用効率化に向けたモデルを示すと… 第4章 国産材産地形成の可能性を探る        ―岩手県住田町を事例として―  第1節 なぜ住田町に注目するのか(山本美穂)  「川上・川下連携型」のモデルとなる気仙川流域 なぜ住田町に注目するのか――30年の実験を検証する   ボトムアップの「地域経営計画」を再構築できるか  第2節 住田町の森林・林業政策         ―90年代後半の成果と今後の課題―(高橋俊一)  住田町林業振興計画の具体化を進める 住田町の森林・林業の概要 林業振興計画に基づく発展計画の歩み   黒字経営を実現した第3セクター「住田住宅産業」 堅調な経営のけせんプレカット、けせんホームも設立   第2次住田町林業振興計画を策定、新たな展開を目指す スギ集成材を試作、強度性能試験を実施   住宅市場調査で事業化の展望を得る 生き残りの切り札、三陸木材高次加工協組  第3節 森林組合による共同伐採システム         ―住田町森林組合の「電話1本体制」―(山本美穂)  住田町が目指した共同伐採 団地設定は実効性あがらず、森林組合の位置づけ高まる 流域の出材量を左右する住田町森林組合   きめ細かい「営業」が共同伐採を可能にする ある共同伐採事業区とキーパーソン 山林所有の零細分散性を共同化で克服   分収造林組合の解散で町有林も転機に 森林組合の役割がますます重要になっている 第5章 流域林業の活性化と合意形成        ―利害対立を克服するために―(土屋俊幸)  合意形成はなぜ必要なのか――対立する利害 合意形成の3つのステージ 第1ステージ――難産の行政主導「木加連」製材工場   第2ステージ――「見切り発車」のプレカット工場建設 第3ステージ――有志グループが引っ張った集成材工場   合意形成を可能とする条件 第4のステージに向けて――川上の合意形成と原木の安定供給問題 計画的伐採の鍵を握るのは森林組合 第6章 森林認証制度の現状と課題  第1節 森林認証制度とは何か         ―持続可能な森林経営と森林・木材認証制度―(小林紀之)  世界的に普及してきた森林認証、ラベリング制度 ISO14000とは――製品規格から環境管理規格へ   ISO14001は森林分野にどのように適用されているのか FSCとは――森林認証とラベリングをつなげる   欧米に広がる認証森林、バイヤーズグループも増える 森林認証、ラベリング制度は日本で普及するか  第2節 住友林業㈱のISO14001取得(佐藤 翼)  住宅に続き山林部門も認証を取得、国内初 なぜISO14001の取得に挑戦したのか   どのようにして認証を取得したか――作業の実際 森林経営の特殊性を踏まえた見直しが課題  第3節 森林認証制度の日本への適用について         ― FSC森林認証を取得して ―(速水 亨)  日本の人工林は今 森林認証を現状打開の有効な手段に 日本の人工林とFSC――適用は可能か   FSCの今後――日本独自の認証基準を 速水林業のFSC森林認証取得日誌 第7章 中山間地域問題と森林管理        ―農山村の再生に向けた直接補償制度の導入を―(野添憲治)  はじめに――世界の農山村を歩いてきて かつては日本の農山村も活気にあふれていた   現在の農山村――人がいなくなり活気を失った日常 政策がもたらした過疎   「中山間地域」とは――その存在意義と課題 森林を守り育てる人もいなくなっている   直接支払い制度が抱える問題 バラまきをやめ、森林も直接支払いの対象に   オーストリア・チロル州の中山間地域対策――これからのモデルとして 日本の林業を衰退させたものは何か   民有人工林に公的資金を導入し間伐推進を エピローグ        ―「協力の領域」創出のために―(遠藤日雄)  「協力の領域」の4つの論点 再造林放棄と地域性 「協力の領域」を動かす主体は素材生産業者   ニューフォレスターの萌芽形態 「共(協)同」の連鎖を求めて 地域森林管理の枠組み 残された課題 用語解説 事例紹介企業・団体等一覧 編著者のプロフィール

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