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ウダイカンバ

解説

カバノキ科カバノキ属の落葉高木。学名:Betula maximowicziana 通称では「マカバ」や「マカンバ」と呼ばれます。日本では、中部地方以北、北海道、および南千島の肥えた山地に生育します。この樹種は陽樹であり、常に太陽の陽が必要で、シラカンバがやせ地に育つのに対して、肥沃な地を好みます。また、裸地や森林が破壊された場所にまず生えてくるパイロット植物でもあります。カバは世界的にも広く分布し、ヨーロッパ、北米、東アジアに生息しています。

カバは北海道を含む中部地方以北や南千島に肥沃な山地に自生する代表的な広葉樹ですが、戦後の乱伐により質の良い材が減少しています。成長すると高さ20~25mに達し、直径1mほどになります。特に大きいものでは樹高35m程度にもなることがあります。樹皮は黄褐色または灰白色で、サクラに似た横長の皮目があります。この特性から、油脂分が多く雨の中でも燃えやすいため、鵜飼の松明に利用され、その由来として「ウダイ」と呼ばれるようになりました。

葉は大きく広卵形で、縁には細かい歯があり、基部は心臓形をしています。花は晩春に咲き、花穂は短い枝に3~4個下垂します。

この樹種の木材は有用材として広く利用されており、散孔材として知られています。木材の比重は0.67~0.69で、辺材は白色から帯黄白色、心材は淡紅褐色です。木材は強勒で、切削や加工、乾燥、接着性、塗装性に優れています。カバは家具業界では「カバザクラ」や「サクラ」とも呼ばれますが、サクラとは異なる別種です。

用途としては、羽目板、フローリング、床材、造作材、家具、器具、ミシンテーブル、スキー、ピアノのハンマーや鍵盤、車両、船舶内装、機械部材、合板、パルプなどに幅広く利用されてきました。また、戦争中には航空機や戦艦、車両などの軍需用途の重要な材料としても使用され、その需要により良質な材が伐採されました。戦争中には、マカバの硬化積層材(強化木)が重要な役割を果たしました。薄いマカバのベニヤに樹脂を染み込ませ、積み重ねて高温で加熱することで、強度が2倍から3倍に向上し、高性能のプロペラや翼などに使用されました。また、この材料を基に木製の航空機が試作されることもありました。

1910年 原典Curtis's Botanical Magazine,London.,vol.136 M.S. del., J.N.Fitch lith
ウダイカンバの葉
北海道大学植物園 2014年9月14日
樹形
ウダイカンバ写真 ウダイカンバ写真
▲▲ 北海道大学植物園 1999年8月12日
表皮
ウダイカンバの樹皮 ウダイカンバの樹皮
▲▲ 北海道大学植物園 2014年9月14日
丸太断面と材面
写真
写真
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