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ココヤシ

解説

ヤシ科ココヤシ属の常緑高木で、学名はCocos nucifera(シノニムとしてはPalma cocos、Cocos nana、Cocos indicaなどがあります)。この属にはココヤシ1種しか存在しません。英名はCoconut palm、Coco palmです。ココヤシ(ココ椰子、別名: Coconut(ココナッツ)、Coconut Palm(ココヤシ)、Kelapa(クラパ)、Niyor(ニヨール)、椰子、可可椰子、ココ椰子、古々椰子)とも呼ばれています。

ココヤシは成長が早く、樹高30mにも達する大型のヤシです。原産地はポリネシアから熱帯アジアとする意見が多いですが、明確ではありません。現在では世界の熱帯地域で広く栽培され、生活に欠かせない有用植物となっています。おそらく、ヤシ科植物の中で最も有名で利用価値が高いです。単に「ヤシ」と言えば、一般的にはこれを指します。

幹はまっすぐには直立せず、やや斜めに伸び、途中で曲がります。葉の長さは5メートルにもなる羽状複葉で、基部から先端まで細長い小葉を両側に付けます。花序は円錐花序で、雄花と雌花が同じ株に咲きます。

果実はココナッツ(coconut)として有名で、利用価値が高く、世界中の熱帯地域で栽培されています。サイパン植物園では、園長自らココナッツの胚乳(白い固形の果肉)を取り出し、キッコーマンの醤油をつけて食べさせてくれました。まさにココナッツの刺身で、予想とは異なり美味しかったです。果実は熟すと約30センチメートル程度になり、やや先がとがった楕円形で、緑色です。採れる量は木の状態や地域によって異なりますが、一年間で数十から数百個です。果実の内部の固い殻の周縁部には固形胚乳の層があり、中には液状胚乳(ジュース)が入っています。液状胚乳はそのまま飲むことができます。約1リットルのジュースが入っています。私はこれまで何度も飲んできましたが、時には生臭さを感じたこともありますが、美味しいと感じたこともあります。かつて開発途上国が多かった東南アジアでは、生水が衛生的でなかったため、液状胚乳は飲み物として重要視されていました。

これらの胚乳はココナッツミルクなどに加工され、料理に広く使用されます。東南アジアの料理には、これに由来する甘い独特の香りがあります。また、胚乳を乾燥させてコプラとし、工業原料や食用油、マーガリン、石鹸の原料として利用されます。果実の繊維はロープやマットなどに使用されます。また、ヤシの内側の固い殻は容器として使われるほか、細工物にも利用されます。観光土産の定番です。ココナッツのヤシの葉を編んで食べ物を包む例も多くあります。例えば、マレーシアのお餅であるクトゥパやインドネシアのクトゥパ・サユル(Ketupat Sayur)などです。また、街路樹や公園の木としても多数植栽されています。

藤村詩集(1917)には、「名も知らぬ遠き島より椰子の実の一つ 故郷の岸を離れて 汝はそも波に幾月」とありますが、柳田国男が渥美半島の浜辺に漂着したココヤシの実を見た話を藤村に伝えたことから、詩になったものです。また、それに曲を付けた歌曲が『椰子の実』です。文学でもココヤシと思われるものは多く取り上げでいてます。参照:文学と木・木製品
竹山道雄「ビルマの竪琴」20か所、林芙美子「浮雲」6か所、大岡昇平「野火」6か所などは小説での場所が東南アジアですから当然です。また島崎藤村の「藤村詩集」、有島武郎の「或る女」、菊池寛の「俊寛」、夢野久作の「瓶詰の地獄」、芥川竜之介の「河童」・松本清張の「陰花の飾り」、「或阿呆の一生」、山崎豊子の「沈まぬ太陽」、三島由紀夫の「薔薇と海賊」、城山三郎の「総会屋錦城、北杜夫の「楡家の人びと」内田幹樹の「機体消失」などで出てきます。

ココナッツに関する2つの都市伝説があります。
ココナッツが海側に倒れているのは、実を海に流すためにそうなっていると言われていますが、学術的にも統計的にも証明されていません。
ココナッツが木から落ちて人に当たると、頭や背中、肩に重傷を負うことがあり、時には致命的な傷を負うこともあります。そして毎年150人がココナッツの落下によって死亡という都市伝説が広まりました。しかしこれは完全な嘘であり、実際には2〜3人程度です。ただし、高さ20メートルから1.5キログラムのココナッツが落下すれば怪我をするのは当然のことです。観光地では事前にココナッツを収穫し、落下を防止したり、立ち入り禁止にしたり、極端な場合はヤシの木を撤去するなどの対策が取られています。

切手
ココヤシ切手
モザンピーク共和国
ココヤシ切手
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ココヤシ切手
モンセラト島

モルジブ共和国
精密図
ヤシ精密図
Author:Franz Eugen Köhler, Köhler's Medizinal-Pflanzen
樹形
ココヤシ インドネシア ココヤシ インドネシア ココヤシ インドネシア
ココヤシ インドネシア
ココヤシ インドネシア
▲▲▲ インドネシア スマトラ、カリマンタンなど 1970-1973年

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