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1267.ビロウ

解説
学名Livistona chinensis 「わびろう、 あじまさ、びろうじゅ」とも呼ばれる
小笠原原産のオガサワラビロウ、日本南部原産のワビロウ、中国大陸南部原産のトウビロウ、インドネシアのジャワビロウなどの総称で、北は福岡県の沖島、四国南部、九州、南西諸島に分布し、さらに台湾からアジア、オーストラリアまで分布する。
海岸近くに群落をつくる。シュロに似ているがさらに大きい。高さ10- 20m、直径30cmほどになる。ビロウは同じ科のビンロウとよく混同されることがあるが、両者はまったく別のものである。
古くは味勝(アヂマサ)と言ったが、古事記、日本書紀や《延喜式》などで「檳古」の字をあてられたために、別の樹種である檳榔(ビンロウ)と混同されて、ビンラウビラウビロウと変化した。アヂマサの語源は味勝の意味で新芽が食用にされたからというが、麻が集まっているさま、ア ヂマ(集)サ(麻)との説が有力。現在もアズムサの方言が沖縄の石垣島に残っている。沖縄では硬い葉を意味するクバの名が一般に用いられている。沖縄の 御嶽(うたき。神道における神社に相当)では、古来よりよく植えられていて、神木とされている。 葉は径1m~2m、掌状葉で深裂し、葉の先端は細長くとがりさらに二裂し、先は折れ曲がる。 葉柄は長く、2mに達しするものもあり。3-5月 葉腋(ようえき)から長さ1mくらいの円錐花序を出し、多数の淡黄緑色の小さい花をつける。特有の臭気がある。
果実は楕円形または倒卵形で、長さ1.5cmぐらい、果面は滑らかで、果色は黒、青、赤、黄色がある。 庭木または並木として利用され、材は丸太のまま床柱、ステッキに、臼(うす)や指物(さしもの)、民芸品、弓、矢に用いられる。また与那国島では実をみそにする。新芽を野菜とし食用にもされる。
葉は屋根材、みの、つるべ、柄杓(ひしゃく)など日常生活の全般にわたって広く使われてきた。現在も漂白して笠(かさ)、団扇(うちわ)や酒瓶の包装などに利用される。
女の子用のお雛さまの道具のひとつに牛車(ぎっしゃ)がある。これの実物は平安貴族の牛にひかせる乗用の屋形車で、牛車は乗る人の位階・家柄や公私用の別などによって用いる車の種類が 定まっていた。「檳榔庇車(びろうひさしのくるま)」や「檳榔毛車(びろうげのくるま)」は太上天皇・摂関・大臣などの乗用で特に格の高い車。 この車全体を葉を裂いて白くさらしたもので葺(ふ]き覆っていた。室町時代以降、牛車はしだいに用いられなくなった。?
葉と実
名古屋 東山植物園 2008年4月12日
沖縄 東南植物園 2003年11月7日
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