出材について

③山集め(山落としとも呼ぶ)


 この作業は、山のあちらこちらに点在する丸太の棚積みを取り崩し、直接山の斜面を滑らせて伐採地の中ほどと山裾の2箇所ぐらいへ丸太を集める作業が半ばを越えるころから「修羅」架けを始める。



④修羅架け(木修羅架け)


 修羅架けは、図面も設計書もないままに、長老たちとリーダーの長年の経験と「カン」によって作業が始まる。修羅は丸太を集めている伐採地の中ほどから、さらに谷に向かって上部から架設していくので、これを支える骨材(8~9mの長木その他資材)などを運ぶ作業が大変で、若年者のほとんどがその役目に当たった。(図③-1)
修羅は1枚(3m材8本を樋(とい)状に組んでいる)を単位に、距離によって何枚かを続けて組むが、特にその傾斜の度合い(勾配)や、カーブ箇所の調整等、勘と経験が必要となる。
 修羅の終点付近には山元土場を造った。修羅および山元土場ができ上がると、先にそれぞれの場所に集めた丸太を、次々にこの修羅場の中を滑らせて山元土場へ移した。
移動作業は、修羅の傾斜の度合いによって変わってくる。丸太のすべり具合を見て、緩い所へは水、または潤滑油(菜種油・・・灯し油)を適宜散布あるいわ湿布し、逆に滑りが早すぎる箇所では山土を「修羅」の中に入れるなどして、その速度を調整した。
 作業中、施設の故障、あるいは事故発生など緊急に相互連絡の必要が生じた場合、その伝達方法もトランシーバーのある現在と違い、長い距離では中間に2~3名の見張りを立たせて、それぞれ大声を張り上げて連絡しあった。
山元土場に、ある程度の材が取り込まれる(集まる)と、そろそろ木馬道の架設に取りかかる。