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農業で森を作る

・読売新聞 2012/6/15

ブラジル政府のラゴ外務省環境特務局長は「環境への配慮と経済・社会問題とのバランス」に力点を置くという。また鉱業エネルギー省は「今後の経済成長に必要。国民生活を向上させる責任が我々にはある」といい、パラ州中部で水力発電ダムの建設を進めている。欧米の環境NGOからは約500平方Kmの森林が水没するとして批判をしている。同国には数千万人の貧困層があり、必要として開発は断行する考えである。かつてアマゾンの熱帯雨林は400万KMもあったが、70年代から比べて約1/5にあたる75万Kmが失われた。今世紀に入り森林伐採が加速、違法伐採も横行した。切り開かれた土地は飼料用の穀物栽培や牧場となった。そこで、ブラジル政府は人工衛星による空からの監視を開始。さらに、環境犯罪法を改正し、違法伐採への罰則の強化を行った。また、アマゾンの環境保全に貢献した団体・個人を顕彰する制度を02年から始めた。そして、10年にはトメアス農協が表象された。トメアス農協が取り組む「アグロフォレストリー(森のをつくる農業)」が注目を集めている。トメアスは元々コショウの単一栽培で栄えていたが、単一栽培故に疫病で壊滅的な打撃を受けた。離農者が増える中、日経農家が取り組んだのがアグロフォレストリーであり、樹木や果樹を混在する方法だった。農園では高さ20mをこすマホガニーの隣に、10mほどのバナナがあり、隣にはカカオの果樹が茂っている。マホガニーは日陰を作り、婆なは落ち葉となり土地の養分となり、雑草も生えにくくする。仮に病害が出ても多種多様な植物が植えられているために、一気に全滅するという事はない。結果、安定した収入を見込めることにもなり。今では一帯の農家に普及している。また、土地を消耗する焼畑の繰り返しではなく、森と共に歩む「持続可能なモデル」として視察が相次いでいる。リオデジャネイロ連邦大学のヴァレリア・ダ・ビーニャ教授(経済学)は、「環境か開発かの二者択一ではなく、重要なのは、環境破壊なき経済発展をいかに実現するかだ」と指摘する。そして、この問題は世界共通の問題である。

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