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長寿サクラ

・朝日新聞 2012/4/2

桜の開花が全国で始まっている。兵庫県の土木事務所職員が今年2月にアンチエイジング方式を調査するために弘前公園を訪れた。弘前公園は、財団法人・日本さくらの会の「桜の名所100選」の一つである。弘前公園の桜の木は、2600本のうち1744本はソメイヨシノで、その中の20本は長寿日本一である樹齢130歳、300本ほどが100歳超えである。その長寿の秘訣が、桜の木と同じバラ科のリンゴと同じように、桜の剪定作業をすることである。樹木医で市立公園緑地課の小林勝参事は「リンゴでは病気の枝や枯れ枝は切るのが常識。その管理方法を応用できるはずと踏んでのことだった」と話す。「城と桜はいまや切っても切り離せない存在。今ある桜を大切にするしかない」と兵庫県の担当者は話す。お城の桜は明治期以降に、特に戦後の焼け野原からの復興を祈って、多くのソメイヨシノが植えられたのだが、城の多くは文化財保護法に基づく史跡に指定され、石垣などの遺構を傷つける可能性があり、文化庁の許可が簡単に降りないそうである。また、ソメイヨシノは江戸末期にオオシマザクラとエドヒガンを掛け合わせて作られた人工品種で全ての木が同じ遺伝情報を持つという。このため一斉に花を咲かせるのである。兵庫県教委文化財課の山下史朗課長補佐は「城の『歴史的景観』にソメイヨシノはそぐわないと見られがち」と指摘し、城が築かれた戦国時代や江戸初期には存在せず、歴史の浅い桜だけに、植え替えが認められにくいとみている。しかし、「植えっぱなし」が常識である桜のアンチエイジングには年間およそ1億円かかる。滋賀県彦根市の文化財課の担当者は「桜の時期に250万人の人出でにぎわう弘前公園に対し、彦根城は10万人。費用対効果を考えると弘前方式の導入は難しい」と話す。「弘前方式の桜の手入れは、市民の理解がないととてもできない。日本一美しいとたたえられる弘前の桜は、市民が守り、育ててきたのです」と弘前市公園緑地課の小林参事は語る。

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