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木材会社の新人教育 木材の知識基本編

木材の割れの算数問題

木材は乾燥すると収縮します。
これが板材の場合、乾燥の仕方によっては割れは発生しませんが、
これが芯持ちの丸太の場合、もしくは板材でも芯を入れて製材した場合、必ず割れが発生します。
丁寧に乾燥すれば割れは防げるとお考えの設計の方や工務店の方がいらっしゃいますが、
チコちゃん流に言うと「丸太の円周方向は直径方向の2倍収縮するから、丸太は必ず割れる。」と言うのがその答えです。
上記のように、例えば直径100mmの丸太であれば12.5mmひび割れが入ると言うのは小学生の算数問題のレベルです。
実際には材種や乾燥具合によって割れる大きさは変わりますし、1ヶ所に集中するか分散するかにもよりますが、原則はこの計算どおりです。

しかし、丸太は必ず割れるから悪いのかと言うとそうでもありません。
昔大阪で花博と言う博覧会があり、その政府館の構造物を間伐材の丸太でトラスを組む仕事があり、
当時の建設省の方から、「割れた丸太は使ってはいけない。」と言う指示がありました。
私としては「割れない丸太で作れと言うのは不可能です。」と説明したところ、
それだったら実際に破壊試験をしてどの程度強度が劣るのか確認してみようということになりました。

実物のサンプルをいくつも作って工業試験場で破壊試験をしたところ、
なんと、「未乾燥の割れていない丸太よりも、乾燥して割れた丸太の方が強度が高い」と言う結論になり、
丸太のひび割れは大歓迎と言うことになりました。(確かに木材は乾燥すれば強度はアップしますので)

・・・・・丸太は必ず割れるが、強度においては欠点にはならないことをご認識下さい。

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