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材木屋の木知らず

株式会社大一商店  取締役社長  頴川五郎
なんで今頃、中川さんの追悼文を書かなならんのか、それを思うたびに涙が出て来てしまいます。

中川先輩、なんでそんなに急ぐこともないのに行ってしまわれましたんや、これから教えてもらいたいことが沢山あったのに、やって頂きたいことも沢山あったのに。

昨年の三月、木青連の大阪大会で同じ段上に上り、パネルディスカッションをさせて頂き、先輩のご指導を受けてこれからと思っておりましたが。

「材木屋の木知らず」先輩が、住木センターの「住宅と木材」へ書かれた随筆の一遍に、スギ一〇・五cmの柱がどれくらいの重量にたえられるかというお話がありました。

私も知りませんでした。

調べました、建築規準法の中に許容応力度の表がありました。

それまで建築規準法など読んだこともありませんでした。

これは大変、材木あつかっていて木のこと知ってるつもりで分っとらへん、私だけやろか、これで木青連の会長勤まるやろうか、青くなりました。

まさに先輩の指摘が私の考えの原点になりました。

時代がこのような数値を求めるようになり、建設省は、新木造の技術開発プロジェクトを発足させていましたが、全国を歩き仲間に聞いて廻りましたが、答を出してくれた人はいませんでした。

木材PRはいろいろいわれていましたが、実質的なことをやらずムードだけになっていました。

先輩の言葉は、問題の中心をとらえて、材木屋のやるべきことを問われたのだと今にして思います。

お蔭で、木造の工場建屋まで作れました。

鉄と競争して経済性で勝てました。

これは小さな勝利かもしれませんが、今後益々勝つ回数は増えるでしょう。

先輩に教えて頂きましたことの多くを活用して、分らぬことがあったら天国の先輩に相談して木材の活用をして行きたいと思います。

今、スギが難加工材として取上げられようとしています。

中川さんどない考えたら良いのか、教えて下さい。

もっと長生きしてほしかった、働き過ぎだったのでしょう、なぜ息ぬきをすすめなかったのか、くやまれてなりません。

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