つぎに、商工中金のアンケート調査で二番目にあげられている「創意企画力」についてですが、創意企画力というものは、自分でやろうとする仕事について何時も考えている中から、極端な話をすると寝ていても考えているというようなところから、出てくるのではないでしょうか。頭のいい人だからいい企画がたてられたり、いいアイデアを生み出し得るというのではなくて、根気のある人からこそすぐれた企画、創意が生まれてくる。
誰でも、自動車の運転をしている時とか、トイレに入っている時とか、寝ている時とか、いろいろな時に、一瞬パッとすばらしいアイデアがひらめいた経験をお持ちのはずです。だが、そのひらめきも放って置くと、すぐに忘れてしまいます。「あの時、いい発想が浮んだのになあ」と、思い出そうとしても思い出せない。したがって、創意企画力を身につけようという人、新しい企画をたてなければならないポジションについた人は、メモ用紙をあっちこっちに置いておいて、何かひらめいた時に、その都度それをメモしておく必要があります。私も、枕元にはいつもメモ用紙を鉛筆を置いておりますし、自動車の中にも必ずメモ用紙を置いています。そして、何か気付いたことがあれば、その時にそれをパッと書きとめておいて、あとからそれらを集めて整理する。そういう日々の積み重ねが、創意企画力の源泉になるのです。竹村健一氏は、「本をよんだら最初の白紙の部分に本の中での感想、重要点を抜き書きして書いておく」と言っておられたが、良いことだと感心しました。