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木材流通とは

第4章 木材供給の変化をどう見るか

米国の大会社が日本に製品ヤードを設けることも考えられる

 

このようにアメリカで日本向けに製材してくる、さらに南方からも日本向けに製材し、また合板を作ってくる。しかし、ここには時間的な問題があります。アメリカから材が日本にくるまでには、どのようにしても一三日間は必要です(通関、植検すれば一ヵ月を要する)。南洋材が向こうの港を出てから日本の港に入るまでには少なくとも七~八日はかかります。とすると、需要者がある製品をいつまでに欲しいと言ってきても舟積みの期間もあり間に合わせることができない事態が生じます。そこで、外材の製品を日本において在庫することになります。いままでは日本の輸入商社が在庫をしていたのだけれども、商社の木材部に力がだんだんなくなってきたので、それを問屋に押し付けてくることになります。問屋が商社に変わって在庫をするというように変化してきます。けれども、原木ならば持っていたら価格が戻ってくるということがありますけれども、製品の値段は在庫して置いておけば置いておくほど安くなるものなのです。原木を在庫しているときに損をするパーセントと比較にならないほど損をする可能性が大きいのが製品です。原木を扱っていたからいままで商社は儲けることができたのだけれど、製品を扱うようになって商社の利益が減ってきたわけですから、それを儲からなくなったからと言って小企業に近い木材問屋に押しつけたならば、押しつけられたその木材問屋は必ずひっくり返ることが予想されます。順調に行っているときには問屋さんも少しずつは儲けさせて貰えるでしょうけれども、損をするときにはそれまでの儲けとは比較にならないほどの損をバサッとかぶることになり、商売が成り立たなくなる、そういった事態が予想されます。

 となると、どういうことになるか。アメリカの会社が日本に製品を在庫する、南方の連合軍が日本に合板製品を在庫する、そういう時期がくるのではないでしょうか。現在の日本とアメリカの経済摩擦の中にあって、日本の木材業界が、アメリカの製品の日本における直接の在庫を止められるかどうかと言うと、大変心もとない。したがって、そこまでの変化を、私たちは木材供給面の変化として、視野に入れておく必要があります。

 現に、アメリカのウェアハウザーは、イギリスでそれをやっているという話です。私がアメリカに行ったときに、「ウェアハウザーに頼まれて、大阪の岸和田に製品ヤードの適地があるかどうか調べたことがあります」という話を聞きました。岸和田に倉庫を建てて製品ヤードをつくる、扱うのは商社が扱ってくれていいが、アメリカの会社が自分の会社の費用と責任において進出する、そういうことを考えて、いまタイミングを見ているのではないでしょうか。いまのところは商社に在庫をまかせておいてもいいけれど、誰もやらないということになれば、自分で乗り出す以外にない、と言うことになります。外材の産地会社が直接日本に乗り出してきて儲かるか儲からんか、ちょうど日本の産地が直接消費地へ出てきて商売するのと同じで最終的には失敗して逃げて帰ることになるだろうと思いますが、やろうと決めたらそのためのテクニックはまたいろいろあり得るわけですから、その可能性はあるわけであって、これが現実のものになると、国産材にとって相当強力なライバルになるでありましょう。

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