最後に、情報管理ということがありますが、これもまた与信管理と同じように、流通の中にあって非常に重要な管理です。
とくに現在のように情報が過多になってきますと、その情報が正しい情報か間違った情報かの選別をすることが、先ず必要になります。最近では、戦略的に相手をだますために流す情報すらあるわけですから。 情報管理においてポイントになる点は、あと追いの情報ではなく、将来の見通しをつかむために今の情報なり過去の統計数字を情報として入れることが必要です。情報管理の中には、景気・価格の先行資料把握ということがあって、その中には、①建築構造様式の変化、②木材輸入の変化(国外の状況及び輸送方法の変化も含まれる)、③為替の変化、④船運賃の変化、⑤国産材の変化、⑥新しい資材の変化、⑦他店及び流通業界の変化、⑧一般需要者の変化、⑨行政及び土地税制の変化、⑩金融機関の変化など、数え切れないほどのチェックポイントがあります。その具体例については、改めて第二章で述べることにしましょう。 商流におけるそれぞれの管理について述べてきましたが、それぞれの管理がバランスを保ちながらうまく進まないと、流通業者の機能が全うされないことになり、供給側からも需要者側からも頼りにされなくなります。その中の一部でも欠落すると、企業は破綻することになり、倒産に至る、まことにきびしい毎日を送っているのが流通業なのです。