つぎに与信管理ですが、これは山の人や役所関係の人にとって極めて分かりにくい問題でありましょうが、信用を与える管理ということであり、商取引上非常に重要な地位を占めています。私の会社でも、値段を決めてくるとか注文をするとかは全部社員の仕事であって社長の私の仕事ではないけれど、与信管理だけは社長の私から離さない。それほど大事な問題です。
与信ということは信用を与えるということですから、「あの店にはどれだけ売ったらよい」「山本工務店には五百万円以上売ったらいかん」「田中工務店には二千万円までいいだろう」というように、取引先に対しどれくらいの金額の商品を売ってよろしいか、商品、手形がどれくらいの合計金額まで許容できるのかの、売り枠の設定が、与信管理になります。
先に、いくつかある商流の中の管理の、どれか一つでも失敗したら、その会社は倒産すると述べましたが、与信管理はいくつかある管理の中でも、最も重要なものです。なぜならば、引っ掛りというのは、みなこの与信管理の失敗から出ているからです。