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木材流通とは

第1章流通には、物流と商流がある 

川下に目が向けられてきたけれど
最近、「川下に目が向けられなければならない」とか、「川上から川下までの一貫した流通システムを作らなければ」とか、よく言われるようになってきました。林野庁や各都道府県の指導方針も、いわゆる"川下対策(末端需要者に木材を買ってもらうための方策)"に力を入れる方向に大きく変わりつつあります。戦後の荒廃した山に木を植えようということで、いままで川上の植林施策に大いに力が注がれ、それはそれで非常な効果をあげてきましたが、その山に育った木材を金にかえるためには、山に木があるだけでは駄目で、結局、山の木を川下の需要者に売ってはじめて山に金が還元されるということが分かってきて、その結果として流通というものがクローズアップされてきたと言えましょう。林材業界としては、もっと流通に力を入れなければ、たちゆかなくなってきたというわけです。そこで、「流通、流通」という話がいろんなところで出ていますが、「では、流通とはなにか」と言うと、十分に分かっていないで、流通というものは末端の消費者に物を売ることだ、という程度にしか考えていない人が非常に多いのではないでしょうか。つまり、木材流通は、"物流"というものと、"商流"というものとが二つ重なって成り立っているのだということが、あまり知られていない。流通とは末端の消費者に物を売ることであって、山から木を伐ってきて製材をして、それを末端まで持って行ったらいいんだと思っている人は、流通の中には"物流"と"商流"との二つがひっついているということに気が付いていない、と言うよりもむしろ知らないのではないでしょうか。しかし、物流は木材流通のほんの一部分にすぎないのに、山から最終消費までの物の流れだけを流通だと錯覚していると、「川下に目を向けよう」とか「流通が大切だ」とか言ったとしても、その川下対策や流通対策とかは、せいぜい物の流れを短絡化した方が得であるといった程度の極めて一面的な対策しか出すことができなくなってしまいます。たしかに、流通問題は、お役所や山林家にとっては昔から分かりにくい部門でした。旧くから、士、農、工、商、チンドン屋と言われ、「商(あきない)は自己の利益のためばかりしか考えない職業である」と思っていた人もいたくらいですから、その方向へ足を向けると、泥沼に足をとられることになって抜き差しならなくなるから近ずかない方がよいと、本当に思っている人が、いまでも封建色の強いお役所ほど多いものです。また、一四、五年前には「暗黒大陸の流通」(流通は分かりにくく複雑怪奇であるという意味)とか、「流通は第三の利益」なとどいった論議が盛んにされたものです。そのことを思うと、いまやお役所も山林家も、木材流通に目を向け、そこでの努力と知恵を働かさなければならないと変わりつつあることは非常によいことです。だが、繰り返すと、流通には物流と商流とがあることに気付かず、物流だけが流通だと錯覚しているようでは、正しい流通対策をたてることはできないのです。
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