人工木材の成功例

人工木材の成功例

屋外の担当責任者がブログを更新しましだ、いつも批判的だった人工木材に一定の評価を与えてしますので、転載します。
【人工木材の成功例(欠点を把握してドライな割り切りが必要)】
2025-03-07 13:45:45 | ウッドデッキ
これまで公的な物件で人工木材を見る度に、人工木材特有の欠点で使えなくなっている事例を見てきましたが、 今回、初めて人工木材がうまく使われている現場を見ることができました。
これは伊丹空港の屋上デッキです。今回この現場を見て驚いたのは、人工木材最大の欠点の熱変形で、根太と根太の間が垂れてしまったり、床板と床板の間の隙間が熱膨張で盛り上がってしまうと言う問題が、ありませんでした。
納まりを確認して理由が分かりました。
■床板の長さを2mまでしか使っていません。
木材であれば長さ3mや4mを使うのが一般的ですが、人工木材は熱膨張するので、床板同士がぶつかり合い、それが盛り上がったりするトラブルになっていましたが、長さを2mまでしか使わないと割り切れば、トラブルは大幅に解消できます。
■根太のピッチを455mmとする。
このピッチは木材のデッキの場合よりも半分ぐらいですが、手間がかかっても、ここまで根太ピッチを縮めれば根太と根太の間で熱変形しても垂れる可能性はかなり低くなります。
これまで人工木材を使う場合、ここまでの割り切りが出来なかったことが人工木材のクレームにつながっていたと思います。
人工木材にしろ、高耐久の無垢の木材にしろ、それぞれの欠点を把握し、適材適所とその材の特徴に合わせた使い方をすべきと言う考え方に、ようやく人工木材のメーカーも目覚めたのかもしれません。 ただ、解決できない問題として
■人工木材は、中が空洞なので、このような木口が見える使い方をすると、木口用の板を接着しなければならず、数年経過すると、どうしてもこのように剥がれてしまうと言う欠点はあります。
■ピッチを455mmにしても、木材のように強度がありませんので、多少のフワフワ感はありますが、まあこれはかえって気持ちが良いぐらいですので私としては悪いとは思いませんでした。
■人工木材は中が空洞なのと、強度がないので、夏場に傘の柄で突っつかれたりすると、穴があいたりしますし、イベントで重量のある台車を持ち込まれたりすると床板が割れたりしますが、その場合に、床板を1枚だけ交換と言うことができません。
(熱膨張を逃がすためにデッキの床板を横から固定しているので、真ん中の1枚を外すとなると端から全部外していかないといけなくなります)
結論としては私が伊丹空港の管理者であれば、屋上デッキに人工木材を使ったことは成功であると考えますが、 私が高級レストランが並んでいるベイエリアの管理者であれば、木口のかぶせが取れて雰囲気を壊すような人工木材は使いたくありませんし、ウリンは人工木材よりも腐りにくいことを考えると、色褪せても重厚感があるウリンを使います。
要は両者の欠点を把握した上で、適材適所です。
掲載日
2025/3/17
写真
3枚
URL
https://www.facebook.com/wood1911/posts/pfbid02EJn15QdJLwBytME4ja1nGFTphXjmRv15WhXSs6gBZSJV6pnuj6ShJaYEw4t2hAxvl

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