『アマゾンジャラ(マニルカラ)とウリンとイペではどちらが耐久性があるか』
屋外設置のデッキ材として最も耐久性があると言われているのはウリン材です。
以前はイペが上と思われていましたが、今はウリンの方が耐久性があると言う認識が一般的です。
JISの腐朽促進試験の結果はウリンがベストでしたし、実際に地面に埋めた試験でもそうでした。
しかしデッキ材として使われる他のの材アマゾンジャラ(マニルカラ)と比較するとどうなんだろう。
と言うことで、14年前に、弊社の役員の家の庭に敷石として設置したウリンと6年前に設置したアマゾンジャラを掘り出して確認をしてみました。
どちらも毎日、水をかけて半分地面に埋まっていますので、木材としては最も過酷な環境に置かれています。
6年前に掘り出した時は、同じ時期に埋めたウリンとイペとの比較では圧倒的にウリンの勝ちと言う結果が出ましたが、
その時に腐朽したイペ材はすべて廃棄し、代りにアマゾンジャラ材を埋めておきました。
それから6年経過して、14年経過したウリンと6年経過したアマゾンジャラを比較したのがこれです。
左の薄いグレーがアマゾンジャラで、右の濃いグレーがウリンです。
地表に出ている表は両者とも問題ありません。
ひっくり返すと、ウリンは14年しても何ともありませんが、アマゾンジャラの方は少し腐朽が進んでいます。
グレーになると材種が識別できなくなるので、カットして木口面で確認しましたが、このとおりです。
今回のことと、6年前にウリンとイベの材を外した時とから分かることは
■ウリンはやはり耐久性が一番であること
■アマゾンジャラとイペの比較では、地面に埋めた結果ではアマゾンジャラの方が耐久性があるようだ。
・・これまで何となく、イペの方がアマゾンジャラよりも耐久性があると思っていましたが、(価格が一番高いのでそれなりの値打ちがあるのかと思っていた先入観があります)
実際の試験を見ると直接対決ではないものの、間接的な比較で言うとアマゾンジャラの方がイペよりも耐久性があるようです。
念のために、保管されている14年前に、JISの腐朽促進試験を研究機関に出した時の試験結果報告書を確認しました。
その腐朽促進試験の結果は次のとおりでした。
■ウリンの耐久性は他の屋外用木材と比較してもベストであること(人工木材よりも上でした)
■アマゾンジャラとイベと比較すると、2種類の腐朽菌の内、1方はアマゾンジャラが上で、もう一方の菌はイペの方が上と言う結果でした。
つまり、設置場所や状況によって、イペとアマゾンジャラではどちらが上とは何とも言えないと言うところです。
以上の結果からお客様へのお勧めは、やはりウリン材となり、
イペかアマゾンジャラとの比較であれば、耐久性的にはどちらも同等だが、
イペの方が価格がかなり高いので、イペを使う理由があまりないと言うところです。