お客様の造園会社様からマンションに設置されている遊具の修理見積もり依頼がきました。
かなりの年数が経過し、木部の痛みがはげしいので、木部だけを取り替えたいと言うことでしたが、確認すると、基本躯体は金属で、木製部分は、針葉樹では一番耐久性のあるセコイアのようです。
(30年ぐらい経過しているようなので材質は推測のところがあります)。
一見するとシンプルな構造で、木製遊具の基本「簡単に取り換えることができる構造」・・・のはずでしたが、接合方法をよく見ると、・・・アーチの部分は基礎を壊さないと金属が外れず、金属が外れないと木部が外れないし、取り付けるがことができない構造になっていました。
さらに、壁は、工場でパネルにした後、そのパネルをリベットで取り付けているため、リベットを壊さないと木部が外れない。
・・・と言うことで本来であれば、安くメンテナンスできるものが、作業手間が本来の何倍もの費用がかかる構造になっていることが判明。
恐らく販売した施設メーカーとしては、工場でほぼ完成品にして持ち込むことで品質を安定し、コストは安くなり、組み立ては簡単となり、このような設計にされているのだと思いますが、施設メーカーの顧客の大多数は官公庁なので、メンテナンスは施設メーカーの管轄外となり、将来木部を取り替えることについてはメーカーの責任はないがために、設置した後の木部の取り替えについては、考える必要がないのだろうと思います。
実際にマンションの管理組合さんが設置した施設メーカーに問い合わせたところ、法外な取り換え費用の見積もりがきたそうです。
・・・今回については、造園業者さんを通じて管理組合さんには、いくつかの補修取り換え方法を提案し、検討して頂いていますが、施設メーカーさんの屋外での木製施設に対する考え方を変えて頂かないと、一般のお客様は木材を使わないようになってしまうと心配します。
問題は、施設メーカーさんとしては、木材の評価が下がり、木材を使わないようになれば、それを理由に他社を排除できる金属や樹脂に材料を変更していけるので、かえってありがたいと言うことです。
ですから、法外な取り換え費用を見積もりすることは、国全体でみると金銭的にもエコの観点からも間違えていても、メーカーの立場から見ると長期的にみて正しい営業戦略になってしまうことです。